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Integriculture(インテグリカルチャー)

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  • 池田らいく
  • 2019/02/17 13:23
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コア技術(会社を支える技術)

汎用大規模細胞培養技術 CulNet System

安価な原料で多様な細胞を大量に培養する技術


技術応用例

・培養肉(Cell-based meat)

解決しようとしている問題点・背景

現在、食物として肉を得るためには生き物である動物から得るしかない。

しかし家畜に使った飼料のエネルギー(カロリー)に比べて肉から得られるエネルギーは飼料の10%とも5%とも言われている。

そのためエネルギー効率だけをみれば穀物を飼料として使うよりもそのまま食べたほうが効率的である。

今後の世界的人口増加によって食糧不足が問題視されており、かつ食事方法や調理の高度化から穀物だけでなく食糧としての動植物の不足が考えられている。

また単純なエネルギー効率だけでなく、食糧を安定供給しようとする場合、特に肉では大規模な牧場が必要です。

しかし牧場を運営するための面積を確保するための森林・環境破壊や水源の不足、燃料の不足があります。

そこで肉、つまりタンパク質の代替入手手段として植物・昆虫・ミドリムシなどの微生物そして培養細胞が存在する。


培養細胞による代替肉とは

私たちが普通に食べている肉は筋肉細胞である。

培養細胞を一言でいえば生き物から分離し培養液中でも細胞増殖・維持できる細胞のこと。

ガン細胞などから培養・増殖を繰り返すことで何年にも渡って増殖可能な細胞群(細胞株)を樹立する。

培養細胞は正常細胞とは染色体の状態が異なるものの、操作性に優れている(増殖・維持・保管が容易)ため世界中の研究室で使用されている。


培養細胞の利点

エネルギー効率がよい。

動物を殺さないためベジタリアンに支持されることがある。

ハラール認証に適応がある。

工場プラントで完結させるため場所や環境を選ばず作成可能。
地球だけでなく宇宙や他の星でも作成可能。


培養細胞の問題点

・原価が高い

2013年に公表された培養肉ハンバーグは1個あたり3500万円であった。

発表したマーク・ポスト博士によると1個あたりの値段は1400円まで下げることが可能であるが市場に出すまで10年以上かかると述べている。

これまでは研究室レベルでの培養肉生産であったが、今後は産業として工場レベルでの培養肉生産が求められている。

大規模化・全自動化によって原料費と人件費の削減が考えられており、現状では1/100までのコストダウンが見込まれている。

しかし1/100でもまだまだ高く、よりコストダウンする必要性がある。

そのため原料の安価調達、培養プラントの設計が研究課題として挙げられている。


・味や食感が悪い

実際の肉と比べて培養肉は味や食感に問題があると言われています。

食べたことないのでわかりませんが。

考えるところ、培養細胞では一様な肉が作られるところが原因ではと。

生き物は筋肉細胞ではなくそれぞれ一様な細胞ではなく大きさや栄養の行き交い、脂のサシや筋など構成要素の多いカオスな条件で作られて組織を形成しています。

それに対して培養細胞は一様な条件で作られており、単調な味や食感を生むのでは。

前述したように培養細胞は組織そのものではなく安定な培養が可能になった細胞なため。

挽き肉レベルでは解決できているものの、より塊としての肉として作ろうとする研究・開発が行われています。

改良方法として細胞足場を用いて組織を3D作成したり、細胞シートを重ねることで組織形成する方法があります。


市場規模

世界の食肉市場規模として推計150兆円、日本市場に絞ると5兆円とされています。

また背景で述べたように世界的な食糧需要に伴い市場が拡大すると考えられています。

競合他社

スタートアップ

・Integriculture

・MEMPHIS MEATS

鶏・鴨・牛肉、特にアヒル

・Finless Foods

魚肉

・Super Meat

鶏肉

・mosameat

牛肉

東洋経済の記事の科学者が所属

・Aleph

牛肉

各細胞を育てて3D的に組み上げて肉にしよう


進捗や研究内容・技術的な差はよくわからなかった。

ただし海外の方では動物愛護、脱家畜的思想から話す場合が多い。

そういう付加価値を示して「高くてもそれに見合った価値がある」ということで資金を回収し研究開発に、という方向がよい戦略だと思った。

一応、目指すところとしては家畜から作られた肉と細胞培養で作られた肉とを同じ価格にしようとしています。


専門ファンド

・NEW CROP CAPITAL

・StrayDogCapital

・STARLIGHT VENTURES

NPO

・NEW HARVEST

・GOOD FOOD

・Shojinmeat Project

・Cellular Agriculture Society

・The Mordan Agriculture Foundation


社会上の問題点・抱えるリスク

培養肉を法律上どう扱うのか、規制するのかという問題。

畜産物に該当するのか。

ベジタリアン的思考といっても欧米とアジアでのベジタリアンは異なるようだ。

西洋的ベジタリアンは動物愛護を目的としていることが多いが、東洋的ベジタリアンは宗教、つまり信念として動物肉を食べないので、培養肉に対しても食べない理由がある。

人工肉は宗教上でも議論を呼ぶ内容である。

まあ作る側としては知ったことではないともいえる。


動物愛護を目的とすると、技術や経済力上人工肉を食べることのできない人々に対して動物愛護という鉄槌を下すのか。

ってそれは割と思想的な話である。

正義ってのは振りかざす相手がいて成り立つもんだっていうし。

正義を振りかざす奴が一番凶悪だともいうし。


応用技術・派生技術

細胞組織を人工的に構築する技術となるため、再生医療における臓器の構築、薬剤試験用の実験にも使用が考えられる。

まあ、当然、そこまで組織を形成させたらそれは生物なのか実験道具なのか、特にヒトの組織を構築した場合、その組織への薬剤の使用や移殖利用は許されるのか。


公開日:2019/02/17
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