これまでビルマの旅のマンダレー編、バガン編を紹介してきました。
今回は幻の遺跡と呼ばれているカックー遺跡とインレー湖を紹介します。
カックーはシャン州にあるタウンジーという街から行くことができます。
この遺跡は近年まで外国人観光客が入ることはできなかったのですが、2000年以降地元の少数民族のガイドを雇うという条件で入ることができるようになったそうです。
この遺跡は無数の仏塔によって構成されています。
紀元前3世紀にインドのアショカ王朝が仏塔を立て始めたのだそうです。
アショカ王の時代にはアジアの各地に仏教を広める使者を送っていたそうで、その一環で建てられたのでしょう。
時が経って12世紀になり、バガン王朝が権力を握るようになり、この地域に住んでいるシャン族やパオ族に対してお触れを出して、一家庭にひとつ仏塔を立てることになりました。
各家庭の経済状況などで、仏塔の形状が違っているそうです。
全部で2478個の仏塔が遺跡内にあると言われています。
遺跡内には不思議なレリーフや像が無数にあります。
そして各仏塔のてっぺんには風鈴のようなものがついていて、本当に神秘的な心が癒される音色が鳴り響いています。
何もしないでこの音色を聴いているだけでもここに来る価値があると思います。
1975にビルマを襲った大地震によって、多くの仏塔は崩壊してしまったそうです。
現在残っているのはその後復興された後の仏塔だそうですが、中には地震の被害を免れて当時のままの姿を保っている仏塔もあります。
ビルマの僧侶たちにとってもカックーは貴重な巡礼地になっています。
この日も多くの僧侶たちが巡礼に訪れていました。
様々な仏塔に祈りを捧げる姿は、さすが仏教国だと思いました。
カックー遺跡という名前の起源なのですが、この遺跡がある地域に流れている川の名前がカックーだそうです。
カックーという言葉の意味は "境界" という意味だそうです。
この地域に住む二つの民族の居住地がこの川を境に分かれているため、”境界” という意味なのだそうです。
遺跡の中を独特な風鈴の音色を聴きながら歩いていると、この世とあの世の境界に来たようなそんな不思議な感覚になりました。
確かにカックー(境界)という名前はこの場所にふさわしいなあとぼんやりと思いました。
遺跡で遭遇したニャンコ🐱
遺跡の後はインレー湖の夕暮れ時にボートを借りて夕日を見に行きました。
残念ながら曇っていて夕焼けが見れませんでしたが、すごく穏やかな場所でした。
インレー湖もシャン州に位置しますが、インダー族、シャン族、パオ族など多くの少数民族が住んでいる地域です。
インレー湖はもともと4つの湖だったそうですが、それぞれの湖を水路でつなげて一つの大きな湖になったそうです。
インダー族は片足で船の先に立ち片足で漕ぐという独特のやり方で船を漕ぎながら、魚をとることで生計を立ています。
シャン州のインレー湖周辺の地域を旅してみるとビルマ(ミャンマー)は多民族国家なのだなあと認識させられました。
色々な民族が共存して暮らしているかなりまったりとした地域でした。
近年はロヒンギャの問題でビルマ国内が揺れていますが、本来はこの国は色々な民族が共存んできる寛容さを持った国なのだと思います。