
前回で記事にしたギヤの形が定まったので、本番のABSライクレジンに着手した話。
ABSライクレジンとは、
プラスチック製品で広く使われているABSに似た強度が売りのレジン。
ABS アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの合成樹脂
普通のレジンは結構脆い。曲げにも引っ張りにも摩擦にも弱い。

RESIONEというブランドのK。
ブラック タフ レジン と書いてある。
ABS云々は書いてないが、公式でABS Likeと表記してある。
これはアルコール洗いのレジンである。今まで使っていた水洗いレジンとは違い、
専用の容器を準備しないといけないし、液体の扱いにも神経使う。
じゃあ水洗いで強度が売りのレジンを使えばいいじゃないと思われそう。
それは正しい。水洗いでもタフレジンは有る。同じブランドのW90Bとか。
本体出してるメーカーも水洗いタフを売っている。
でもABS Likeと謳っている物は無かった。
普通 < タフ < ABS Like って勝手に思っている。
あと依頼者がレジン選定は任せるって言ったので良い値段のやつにしてみた。
ラベルもカッコいいし。但し高い=良いとは限らないと思う。

見えるだろうか!透けるように美しいレジン造形が!

悲しみのオールレジンバット!!!
割と扱いがシビアってレビューを見たので、レジン湯銭もしっかりして、水平出しも改めてやったのに!!!
印刷設定も公式からダウンロードして初期層70秒、各層5秒ってクソ長プリントしたのに!!!
あとレビューだと全然臭くないって有ったけど結構臭かった。
ボトル開けた瞬間、これはマスクしないとヤバイと思った。レジンの進化は日進月歩なのでこれより臭いレジンが一年前は普通だった、もしくはまだ存在するという事だろう。

悲しみのオールレジンバット再び!!!
前回は室温管理適当だったので、もう寒く無いけどわざわざファンヒーターで22℃まで上げてやったのに!!3時間待って得られたのがコレ!!泣く!!
このままではいかんと、なんやかんや情報調べた結果、公式Q&Aに行きつく。
機械翻訳してます
悲しみのレジンバット現象が一番上!!
アンサーを要約すると、
①プラットフォームの平滑性を確認しろ。
歪んでるなら紙やすり60~240で磨き直して仕上げに油+240で磨き上げろ。②FEPフィルムのヘタリを確認しろ
③初期層露光時間を倍にしろ。でも100秒を超えるな
④水平出しちゃんとしろ。ダメならペーパー挟まずに直液晶で水平出ししろ。
それでもだめなら液晶周りの遮光テープ剥がして直液晶しろ⑤プラットフォームの取り付け傾きを確認しろ。
プラットフォーム上のレジンの残り方で傾きが確認できるぞ
1、2はまだ新しいしパス。5は普通やってる内容。
3の露光時間アップはMAXの100に。
4は公式の水平設定よりも下げろって事で、さらにテープ剥がせとか無茶苦茶言ってるけど一応下の手順でやってみた。
紙を挟んで調整して水平のナットを締める。(ここまでは通常の水平出し)
一旦1mm上昇させる。紙を取る。1mm降下させる。そこから更に0.1mm下げる。
この状態でゼロレベル確定ボタン押す。
つまりいつもより0.1mm下げてみた。
最近プラットフォーム固定した状態で、上下間違って下10mm押してしまって限界超えてガガガガガって嫌な音させたので注意されたし。

印刷できとる―――――!!うれしーー!!
触った感じ硬い。これは頑丈そうだ。いつものプラスクレーパーだと負けるので角丸めた細鉄スクレーパー使った。
1・2回目の失敗を無駄にしない。
1回目、水中硬化。2回目、空気中硬化を試した。

水中硬化がめちゃくちゃ反った。
なので空気中硬化にした。
驚異の60分。公式30分だった。他のレジン情報と間違えた。
データは34mmになるはずの寸法 Z方向


レベル出しを下げたことが影響している気がする。
細かく見ると初期層の厚さだけが違うので。
下げた分フィルムが押し下がるので、その下がりが解消されるまでが遅れて、誤差に現れている。
XY方向見るにそもそもちょっと収縮する。0.8%くらい。

黒って写真難しい。実物は良い感じなんだけど。用途的にカッコよさ要らんけど。
色々対策をしたが、結局なにが良かったかは分からん。
強いて言えば室温が費用対効果低そうなので、次回やめてみようと思う。
強度は分からん。触り比べた感じは頑丈。
今後余裕が有ればそれぞれのレジンで破壊用ピース作って試したい。
・くさい
・洗う作業自体は簡単。ゴリゴリアルコールで洗ってるわけやし。すぐ乾く。
ただ健康に悪い事やってる感じがめちゃくちゃする。水洗いとは別に物が増える。
・黒色レジンは見えにくい。
ELEGOOは黒塗装されている部分が多いので、そこにレジンが付いててもアルコールで濡れているのかレジンなのか分からない。本体の問題。

・粘度が高い。
レジンバットに注いで気泡対策にヘラで触るが全然消えない。
レジン冷えるの嫌なので3回目は諦めた。
・今まで設定追い込みなんて全く気にせずプリント出来ていたので、洗礼を受けた気がした。
・フィルムとの剥離性が悪い=定着不良しやすい=成功時は音が大きい
本来、定着不良が怪しい場合、何層かで一時停止して確認すれば時間の無駄が省けるが、なぁなぁで2回フルミスしてしまった。
3回目は明らかに印刷されているフィルム剥がれ音がボコボコ鳴っていたので止めなかった。
頑丈を求めるなら致し方ない気がする。
・洗浄用アルコール4Lも要らない。
小分けが割高なので買ってしまったが、使い捨てじゃないし、汚れてきたら硬化→濾過で使いまわせば全然減らないので入門としては1Lで十分だったと思う。










