儲かってますか?アルケミストのh.nayutaです。
今回は、私がなぜアルケミストを名乗っているのか、そして自身の仮想通貨投資における観点について、お話しします。
まず、アルケミストの肩書きについて。結論から言うと、私は「錬金術MeetUp」というグループで、Alchemistという合同誌に参加しています。「技術で錬金」がテーマです。
「Alchemist Vol.1」では「糞通貨クロスレビュー」に参加し、好評を頂きました。このレビューでは、私はALISについても言及しています。ほか、仮想通貨系の記事では、暗号通貨の技術的側面を解説した、erukiti氏による「暗号通貨とは何か」、私のヒヤリハット体験を記した「GOXとは概念である」コラムを掲載しています。
そしてこの度、10/8の技術書典5で「Alchemist Vol.2」を発行することとなりました。今回の仮想通貨系記事は「h.nayutaの仮想通貨レビュー」と、「仮想通貨を支えるコミュニティ」の記事となります。
「仮想通貨を支えるコミュニティ」では、上げ材料のない間、仮想通貨の価値を維持しているものが市場の支持、すなわちファンコミュニティであることに注目しました。そこで、「nem bar」「サンタルヌー」「MONA BAR TOKYO」「仮想通貨カフェ&バーCOINS」(順不同・敬称略)に取材協力を頂き、仮想通貨決済ができるだけではない、交流の場としての側面を持つ飲食店様にインタビューを行いました。
そして、今回の仮想通貨レビューですが、単独で書いている分、それなりに自身の投資スタンスを明確にしています。私は特に高度な投資分析テクニックがあるわけでもなく、とても人様に公開するほどのノウハウはないと認識していました。具体的に考慮しているのは、現在と将来の銘柄の認知率・流通シーンの概算をするくらいです。とはいえ、ここで言う「普通」とは、ある程度の背景知識があることを、前提とした上での表現です。
仮想通貨の世界では、良くも悪くも「常識的な判断」で取引をしている人が少ないように思います。特に自己流で投資額も小さい、マジョリティとも言える層では、往々にして投資の判断基準が明文化されていないように思います。
機械学習を利用したbotによる自動取引や、原資の大きな投資家による堅実な取引など、効果的な投資・投機の情報は度々目にします。彼らのノウハウは正しいかもしれませんが、時間もお金もない、専門領域を勉強したわけでもない人に、同じやり方を適用することについては、あまり適切とは思いません。
株の世界では、経済ニュースを読んだりして、良くも悪くも「常識的な判断」で投資をすることは珍しくないでしょう。ところが、仮想通貨となると、時間・金・知識のいずれかの要素が突出した層以外は、よりカジュアルな、流行ベースの投資・投機に流れがちに思えるのです。
そこで、今回「Alchemist Vol.2」では、私はこの「常識的な判断」を明文化することに努めました。
私は投資やビッグデータの専門家ではありませんが、元々、マーケティング・リサーチ(市場調査)業界で働いていました。
主にやっていたのは、「物が売れる理由」や、「どのくらい売れるか」を企業の人に説明するコンサルティングの仕事です。
たとえば「どのような人をターゲットにするか」「どのくらいCMにお金をかけると、どのくらいの人に認知されるのか」が分かれば、製品やサービスの売上や費用を予測することができますし、「今年何が流行っているか」が分かれば、今年売れる新作スイーツのフレーバーを予測することができます。
話は変わりますが、一昔前に流行した「フェルミ推定」をご存知でしょうか。簡単に言えば、フェルミ推定とは論理的な概算です。マイクロソフトやgoogleなどの大手企業で、「全国の調律師の数を推定する」「電柱の数を推定する」などの口頭試問が面接に使われるなど注目されました。
予測を行う場合、いくつかの重要な要素をピックアップするわけですが、口頭試問の場合は、データのリソースに限りがあります。具体的に言えば、予測を立てる人に、「電柱は都内なら15m置きくらいにあるかな…」といった、ある種の経験則や知識が必要となるわけです。
市場調査の場合は、定量的に調査された統計データを利用することができるわけです。ないなら、必要に応じて調査を行うまでです。とはいえ、すべてのデータに当たる「全量調査」は難しいことがほとんどですから、何重にもフェルミ推定を行うことになります。
例えば、全国の電柱のデータはなくても、いくつかの自治体の電柱の数と、その自治体の面積・人口・年齢分布・各産業売上…など、重要なデータを組み合わせれば、かなり正確なデータを予測することができることでしょう。もちろん、重要なデータが何であるかの勘所が、難しいわけですが。
さて、大量のデータから、機械学習やデータサイエンスが注目を集めている今、このような古典的な市場調査・コンサルティングの手法は流行りません。
しかし、この「ざっくりさ」は、物事の専門家でない人が、現実的なスピード感で、常識的な判断をするには、有用な手法であると考えます。
私は自分の判断基準を、市場調査とフェルミ推定を根拠としています。世間一般の動きについて、大きく予測を外さない価値観とは、常に市場の観察により得られるものと考えているからです。それは、仮想通貨においてもです。
ようやく話が戻ってきました。
仮想通貨は変動が激しく、「常識的な判断」で一攫千金を狙えるかと言えば、そんなことはないでしょう。ただし、相場の予測においてあたりをつけたり、お手軽に堅実な判断をするに当たっては、一定の指針となるでしょう。
そもそもフェルミ推定などと堅苦しく捉えずとも、日常で役に立つ概念です。もちろん、データを適切に選定すれば、精度の高い予測も可能ですよ。
皆さんは、どのように仮想通貨を予測・分析していますか?自分なりのノウハウがある方は、ぜひALISで共有してください。そして、よければ錬金術MeetUpにも遊びに来てくださいね!