ラーメンは日本の麺料理として確固たる地位を占めています。「そば」や「うどん」と比べると日本の麺料理としては歴史が浅いです。過去には「中華そば」と呼ばれていました。日本の蕎麦に対して中華風の蕎麦という位置づけです。ところが、「夜鳴きそば」「油そば」「まぜそば」のように「そば」がラーメンを指す言葉になりました。「そば」がラーメンを意味する言葉に使われることは、それだけラーメンが日本の麺料理の代表格に成長したということでしょう。
ラーメンは多種多様なものがあり、様々な分類があります。最もメジャーなラーメンの四大分類は塩、醤油、味噌、豚骨です。ラーメンの四大分類をグルーピングすると、塩・醤油と味噌・豚骨になります。前者はスープが透明、後者は濁りがあります。スープの味も前者はさっぱり、後者はこってりの傾向があります。
この四大分類は、実は分類としては不完全です。分類基準が異なるためです。醤油と塩、味噌はスープのタレ(調味料)による分類です。これに対して豚骨は出汁であり、分類の軸が異なります。豚骨ラーメンと同レベルの分類は鶏ガララーメンや魚介ラーメンになります。
タレは醤油で、出汁は豚骨という構成もあります。漫画『ラーメン発見伝』では豚骨ラーメンに醤油が使われました(久部緑郎作、河合単画『ラーメン発見伝 1 繁盛店のしくみ』小学館、2000年)。厳密には豚骨醤油ラーメンとなりますが、それを醤油ラーメンと呼ぶか豚骨ラーメンと呼ぶかは豚骨が強烈に溢れ出ているかになるでしょう。豚骨を強火で煮立てて、骨が崩れてコラーゲンが溶け出し乳化したスープは豚骨ラーメンになります。