そもそも、地名や駅名はその地域の文化やしきたりを知っているからこそ、ある条件があって表現されている、ということがわかるので、今回のニュースは単に
「自動翻訳ソフトで訳して、ちゃんとチェックができてませんでした」
という話だけでもないのかな、と。
大阪都市部の道の名前にはある「決まり」がある。
大阪都市部はいわゆる「碁盤の目」での都市計画がなされている。
そこで、
南北の道の多くを「筋」
東西の道の多くが「通り」
という。
そして、大阪は「八百八橋」と言われる「橋」の町。
そこで、疑問が出るのだ。
報道では4か所の間違いが指摘されているが、それだけか?と。
すでに外国語ページが閉鎖されているので、今はもう確認しようがないが。
大阪メトロの路線には、「堺筋線」だけでなく、
大阪の大動脈「御堂筋線」(イメージカラーが赤)、
大阪の大静脈「四つ橋線」(イメージカラーが青)、
があるが、この3線は大阪メトロの3大メジャー線だ。
「天神橋筋6丁目」は「Tenjin bridge muscle 6-chome」は
「筋」と「橋」が同居する最強コンボだが、
「淀屋橋」、「心斎橋」、「肥後橋」、「四つ橋」、「鶴橋」、「緑橋」・・・
と「橋」の付く駅名は、大阪都市部で働く人ならすぐに5つは列挙できるだろう。
「堺筋線」の「Sakai Muscle Line」と自動翻訳ソフトが「やっちまう」のはわかるが、
それならば「Midou Muscle Line」や「4 tsu Bridge Line」と訳されているところがあったのでは?
となると、一つそのMuscleに気が付けば、その他の同様の誤訳が発生していることが容易に想定できるはずだから、さすがに「Muscle」や「Bridge」を検索して一気につぶせばいい。
ここで重要なのが、
「そのチェックをした人」が「大阪を知っている人」だったのか?という疑問なのだ。
大阪を知っていれば、街の名前や駅名の条件や傾向を想定できるはず。
「3両目」を「eyes3」とした訳を見つけられなかったのは、
「電車を知らない人」がチェックしたとしか思えない。
「両目」は電車では欠かせない言葉なのだから。
なので、僕の興味は
「チェックした人が大阪を知っている人だったのか?」
という1点である。
大阪人でなかったら、それはそれで「そりゃしゃあないわ」と思うし、
「大阪メトロの人選、どないなっとんねん」とがっかりさせられるだけなのだが。
単なる「自動翻訳」の問題点だけではないだろう。
この奥の話が知りたい。
さて、このままの論調だと、批判みたいなので、
大阪人らしくおおらかなところも。
今回、「天下茶屋」がメディアに出たはなんだかうれしい。
「天下茶屋」は
「てんかぢゃや」でも
「てんかちゃや」でもなく、
「てん”が”ちゃや」と「が」になる。
なので、
「日本語でも難しいのに、自動翻訳なんて無理でしょー」なんて言ってくれるワイドショーのコメンテーターがいてくれたらうれしいなぁ。
このニュースのおかげで、
大阪はマッチョな街、っていう印象が付いたりして。
「この電車はミドー・マッスル・ラインです。
ワールド・キング・テンプル行きー。
ヨドヤ・ブリッジの次は、ホン・マッチョー、ホン・マッチョー。
タニ・マッチョ・ラインへの乗り換えは、
ホン・マッチョでセンター・ラインにお乗り換えいただき、
サカイ・マッスル・ホン・マッチョの次の
タニ・マッチョ・4チョーメでお乗り換えください。
次はー、ホン・マッチョ、ホンマッチョー」
最初の喜連瓜破駅のカンバンの写真は、内容にあんまり関係ないけれど、
自動翻訳ソフトなら、どう訳すのかな、と思った次第。