マンガ・アニメ

新型コロナウイルス で アート作品を作ってみた

メカラ ウロ子's icon'
  • メカラ ウロ子
  • 2020/03/09 06:21

初めまして。
メカラ ウロ子 と申します。
絵を描くことは小中学生の時の美術の授業、高校での1年間の選択の授業以来です。
そんな私がふと「現代アーティストになりたい」と思い、
作品を作りました。
この記事を読んで少しでも応援していただけたら嬉しいです。

 

Content image

 

作品タイトル:

「他人事」
 

説明:

絵の中には誰だかわからない他人と、他人事のような一言「日本は大丈夫です」が書かれています。
また、絵を見ている私たちも他人事としてその絵をみています。


詳しい説明:

最初に、この作品は新型コロナウイルスが感染拡大していることから着想を得ました。
この作品で伝えたいことは3つです。
(全員とはいわないが)多くの人間が、心のどこかで犯人探しをやっていること
2  「脱亜論」のような差別的思考が日本人にはびこっていること
3  1や2の中で自分たちが加害者(犯人)であり被害者となりうること


1 「顔なし政治家」と過剰な原因追究/ 批判

今、ニュースやSNSでは様々な情報が流れています。
ウイルス発祥地として武漢という特定の町の名前が出てきたり、
発熱症状のある武漢からの旅行者が関西国際空港の検疫検査を振り切って逃亡したというデマが拡散されたり。 (※関西国際空港がウェブサイトで否定しています)
国内ではコロナへの政府の対応について、政府の対応が遅いとか、
逆に過剰パフォーマンスだといったニュース記事を多く見ます。

原因の追究は感染を防ぐためには有効かもしれません。
しかし、過剰な原因の追究と原因と考えられている人や地域を責め立てることはいかがでしょうか?
東日本大震災などの自然災害よりも、なんとなく特定の「誰か」が悪いような雰囲気が流れていることがとても悲しく感じます。

今回は過剰な原因追究/ 批判をしている状況を批判したくて
「顔なし政治家」を書きました。


2  「日本は大丈夫」と差別

今、差別的な思想が世界中に無意識・意識的に感染しています。
それがコロナの騒動でも表出化しました。
海外で日本人が差別されるといった現象が起きています。
イタリア・ローマにあるサンタチェチ―リア国立音楽院は「すべての東洋人へのレッスン中止」を発表し物議を醸しました。
これは問題です。
しかし、日本人もまた中国人や韓国人を差別しています。
 

温泉地の箱根で「中国人お断り」と貼り紙を掲げる駄菓子店が登場したり(現在、貼り紙は外されました)、
札幌市でも「中国人入店禁止」の貼り紙を掲げたラーメン店が話題になりました。
ニュース記事では「アジア人差別 日本も被害に」といったような文章をよく見ます。

みなさん、何か気づきませんか?

私は「日本人もアジア人なのに、どこか別の枠として自らを捉えている」ということに違和感を感じました。


そこで思い出したのが脱亜論です。

脱亜論とは
かつて福沢諭吉が新聞に寄稿したと言われている文章のことをさしています。
「支那、朝鮮に接するの法も隣国なるが故にとて特別の会釈に及ばず」、「亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」と
「脱亜」を唱えたアジアに対する差別的な文章が書かれていました。

このように明治頃から日本人には
「欧米や西洋の仲間入りを目指し、(当時、比較的途上国だった)アジアを謝絶しよう」という思考が芽生えました。
しかし、欧米や欧州から見れば、日本はアジアの一つとして見られているのが実情です。
映画でも日本人が中国風の服を着せられていたり、韓国人が日本刀を持っている姿を見たことがあると思います。
今回のコロナの騒動でも、「アジア人」として差別を受けています。

しかし、私含め日本人には無意識・意識的に
「自分たちはアジア人ではない」「差別の対象ではない」「アジア人は差別しても良い」という感覚があり、
結果差別的な言動をしているように見えて
とても違和感というか、ある種の気持ち悪さを感じました。

そんな差別行為を批判する思いでかいた言葉が
「日本は大丈夫」です

ちなみに日本は大丈夫という言葉自体は
2019年にある政治家が「日本の国債は大丈夫論」を発言したところから着想を得ています。
絵に出てくる登場人物はどことなく、過去に差別発言をした政治家に似せています。

3  「他人事」と自己認識 ーあなたは被害者か加害者か?

2で「差別」について批判しました。
中国や韓国の人を差別したり、誰かに差別されたりしている
私たちは、言い換えれば加害者であり被害者でもあります。

みんなどこかで 自分はコロナの騒動とは無関係 と他人事にすることで
気を軽くして行動しているのかもしれませんが
例えば外出した場合、
(コロナは症状なしに感染している場合があるため)
自分は無自覚に人にうつしているかもしれないし、
人に移されるかもしれません。

ここで私が言いたいのは、
外出している人を批判したいのではなく
被害者であり加害者になりうるということを意識し、
すでに多くの人が行なっている予防対策をしっかり行なっていきたいということです。

なんだ、そんな当たり前なこと言うな と思うかもしれません。
しかし、今皆さんが予防対策しているのは、「被害者にはなりたくない」という意識からではないでしょうか。コロナに限ってはそれが結果的に加害者にもならない対策につながるので、いいのかもしれませんが、
2で述べた差別などを考えると、加害者にもなるかもしれないという意識を持つことが重要なのかなと思います。
なぜ重要かと言うと、自分は加害者にはならないと思い込んでいる人ほど怖いものはありません。
「デマの拡散」で考えるとイメージしやすいかもしれません。
デマを事実と誤認識して拡散してしまい、結果的にオムツなど本当に困っている人が手に入らないという結果が生じてしまいました。
今回のデマは使命感や責任感から拡散された情報だと言われていますが、
自分が行動することで、加害者になるかもしれないという意識が低かったからとも言えるのではないでしょうか。

だから、今回の作品のテーマは「他人事」にしました。
絵の中には誰だかわからない他人と、他人事のような一言「日本は大丈夫です」が書かれています。
また、絵を見ている私たちも他人事としてその絵をみています。

最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


これから時間をかけて
表現手法を磨いていきたいと思います。
見守っていただけたら嬉しいです。

 

ツイッター始めました!こちらもフォローいただけたら嬉しいです!

@tuisi8fWiYanfpO

Supporter profile iconSupporter profile iconSupporter profile icon
Article tip 3人がサポートしています
獲得ALIS: Article like 27.10 ALIS Article tip 7.07 ALIS
メカラ ウロ子's icon'
  • メカラ ウロ子
  • @kanitano
小中高の授業以外で美術に触れてこなかった人間が現代アーティストを目指すアカウントです。

投稿者の人気記事
コメントする
コメントする
こちらもおすすめ!
Eye catch
トラベル

「もののけ姫」着想の地であり魑魅魍魎の最後の砦 知られざる京都洛北・志明院へ

Like token Tip token
8.00 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

まんが日本昔ばなしのこわい話

Like token Tip token
55.90 ALIS
Eye catch
他カテゴリ

初投稿です🌱|発売まで@1か月|ワクワクがとまらないFF14パッチ6.0

Like token Tip token
13.00 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

かわいいキャラクターの作り方

Like token Tip token
0.00 ALIS
Eye catch
他カテゴリ

警察官が一人で戦ったらどのくらいの強さなの?『柔道編』 【元警察官が本音で回答】

Like token Tip token
114.82 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

甘露寺蜜璃ちゃんのカラダのヒミツ【”筋肉密度が常人の8倍”を真面目に考える】

Like token Tip token
202.22 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

装甲騎兵ボトムズ 塩山キリコと谷口キリコの違い

Like token Tip token
5.50 ALIS
Eye catch
テクノロジー

iOS15 配信開始!!

Like token Tip token
7.20 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

「鬼滅の刃」の主人公は炭治郎ではなく、盲目/隻腕/両足義足のキャラだった【編集者の仕事ぶりに脱帽】

Like token Tip token
0.00 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

ファイブスター物語のロボットがゴティックメードに変わって驚いた

Like token Tip token
6.10 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

プロシュート兄貴の名言から学ぶ完了主義【行動のすゝめ】

Like token Tip token
4.00 ALIS
Eye catch
マンガ・アニメ

解剖学から考えるグラップラー刃牙の必殺技:三半規管破壊

Like token Tip token
100.00 ALIS