こんばんは。
現代アーティスト(になる) メカラ ウロ子 です。
今回は 可愛いウサギの作品を作りました!
作品を通して、みなさんと議論したいという思いで製作したので
ぜひ意見をいただけたら嬉しいです!❤️☺️
未来の可愛い愛玩動物(以下ペット)を想像して、
うさぎに美容整形をしてみた⭐️という作品です。
現代の医療技術では、ペットでも美容整形ができますが、
なんとなくそれは倫理的にいけないことのように感じます。
しかし、皆さんは犬や猫などの年間殺処分数が約3.8万頭(2018年 環境省調査)という事実をご存知ですか?
その中にはペットショップなどでの売れ残りが含まれることが予想されます。
つまり、ペットとして生まれてきた動物は
可愛い(欲しい)から買われる OR 売れ残って死ぬ
という究極の二択の運命にあります。
近い未来、
「ペットが売れ残って死ぬ」ことが社会的な問題として取り上げられた時、
どのような解決方法があるでしょうか。
私は解決方法の一つに美容整形があるのではないかと考えています。
皆さんと死や整形について倫理観を考える機会を作りたい、
そんな思いで本作品を作りました。
主な素材:
ボディは軽量粘土の上にゴムを塗っています。
目はエポキシ樹脂とお湯丸くん(お湯で固まるプラスチック)です。
この作品の最初の発想は動物愛護の観点というより、
整形への憧れから出発しました。
みなさん整形に興味はありますか?
私はとても興味があります。
街中で可愛い人を見たり、SNSで整形している人の投稿を見たりするたびに
「あんな可愛い顔に生まれたらな、、」
「顔を小さくしたいから、頰を削りたい、、」という気持ちが
月1くらいの頻度で湧いてきます。
結局整形しないんですけどね笑
整形について考えていた時に
ふと、人間以外の生き物、例えばペットが整形をしないのはなぜだろう?と疑問に思いました。
なぜかこの疑問が頭を離れなかったので考えみました。
私が考えたペットが整形をしない理由は以下の2つです。
理由1. 整形が不要なほど、生まれつき可愛い(求められる)から
理由2. ペットの意思ではなく、飼い主の意思で整形することになり、虐待に値するから※1
さて、整形をしない理由を考えていたら、次の疑問が生まれました。笑
ペットが生まれつき可愛いのはなぜか?という疑問です。
ウサギを例に理由を調べてみました。
理由1. 生まれる前に、品種改良をして可愛い個体が生まれるようにしているから
「アナウサギの日本飼育史(日本絵画でたどる)」によると、
ウサギの種類は次のように分かれます。
その中で、ペットとして広く飼育されているウサギは
アナウサギを家畜化した種類になります。
日本では16世紀、オランダ人によってアナウサギが輸入され、以降ペットや家畜として飼育されました。
このアナウサギはどんなウサギかというと、下の絵のような
赤目の白いウサギです。
百兎図(天明4年,1784年,個人蔵)
※アナウサギについて日本で一番古くに書かれた絵 (桜 井 2016)
ペットショップで見かける様々なウサギのほとんどは、
アナウサギをペット用に人の手で交雑、
他の種のウサギや動物と組み合わせて作られたものです。
つまり、可愛い個体が生まれるように、生まれる前に改良されているわけです。
ロップイヤー
アンゴラ
理由2. ペットショップで、欲しい(可愛い)ペットだけが買われるから
理由の根拠について、残念ながらデータとして正確な根拠を得られませんでした。ただ、冒頭で述べた殺処分数から、可愛いものだけが買われて、あとは捨てられていると推測しています。
Q1、2を通してのペットが生まれつき可愛い理由や、
整形をしない理由を考えてきました。
Q1だけを見ると、動物が美容整形をしないのは、本人(動物)の意思かどうかが論点になっているようです。
しかしQ2を見ると、本人の意思とは関係なく本人の生死や容姿が変えられているという事実があります。
調べていくうちに、ペットの生死や整形に対する、人の倫理観の矛盾を感じました。
私はこの倫理観の矛盾が興味深いと感じました。
どんな矛盾が生じているのか、図にまとめると以下のようになります。
分かりやすいように人と比較して、図にまとめてみました。
一番矛盾に感じたことは、ペットの生前の整形です。
ペットの意思ではないのに姿形を変えられるって、矛盾していませんか?
と、長々書いてきましたが死や整形を通してみなさんが自身の持つ倫理観を考えるきっかけとなったら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ここまで読んでくださった方に、作品自体の説明をします。笑
作品は出来るだけ人形に見えるように作っています。
日本人の整形を見ていて、生を感じないとても綺麗な人形のような姿(目が大きい、頰が削られている、おでこが大きい、不要な毛は剃る)と、
一部人形になりきれない生が垣間見えるところが素敵だなと思いました。
そのため、作品のウサギ(アナウサギ)も生(肛門)が混じった不完全な人形のような形にしました。
他にも細かな設定があるのですが
もし興味を持ってくださったかたがいれば、
ぜひコメントいただけたら嬉しいです!
最後の最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
これからも読んでいただけるよう、頑張ります!🌟
※1)ペットの整形について
統計データが取れなかったのですが、基本的には医療目的で使用されるそうです。
医療ではなく、ファッションとして整形した例では2019年にペットの猫に二重まぶた整形手術を受けさせたニュースが話題になりました。飼い主にはもちろん、執刀した獣医師にも批判が殺到しています。コメント欄を見ると、ペットの意思ではなく飼い主の意思で整形することに倫理的な問題を感じた人が多いようです。