コーヒーって、焙煎から時間が経つほど香りが飛んじゃうんですよ。
コーヒーの生豆が簡単にネットで手に入る時代なんですから、
美味しいコーヒーを飲みたいなら、自家焙煎は一つの選択肢です。
意外と簡単だし、多少失敗しても美味しいし、楽しいし、コーヒー代も焙煎したものを買うより安くあがりますよ!
<必要な道具>
焙煎器
カセットコンロ
ドライヤー(またはうちわ)
軍手
ボウルとザル
掃除機(薄皮が飛ぶのでその掃除用、布巾とかでもOK)
お好きなコーヒー豆
今回、焙煎器にはアウベルクラフト(https://www.facebook.com/auvelcraft)の手回し焙煎器を使います。ただ、焙煎器にもいろいろあります。モーターで自動で回転するタイプや、ザルを2枚組み合わせたようなものや、焙烙のようなもの、などなど・・・。コーヒー豆には薄皮(チャフ)がついているのですが、薄皮が排出されずに閉じ込められたまま焙煎すると、豆が薄皮の煙で燻製されるような状態になって風味が悪くなってしまいます。なので、薄皮が出て行くように、網目が大き目のものを選ぶことをオススメします。
ちなみに、オーブンで焙煎することもできます。ただ、オーブンだと場所によりかなり火力に差が出てしまうようなので、数分ごとにかき混ぜるなどの対策は必要です。初心者には、比較的安くて均一に焙煎しやすい手回し式がオススメです。
コーヒー豆の生豆は、ネットショップでいろんな種類のものが簡単に買えます。普段飲み用として個人的にオススメは、フェアドレードのオーガニック豆を販売している豆乃木さん(https://www.mvcoffee.net/)です。ちょっと高級なブランド豆が飲みたいときは、アマゾンで購入可能なUSプレミアム(ユーエスフーズさんのブランド、検索してみて下さい)をよく使っています。いろいろなショップがあるので、探してみてください!
1.まず洗う!!
コーヒー豆のデータに「ウォッシュド」なんて書いてあるので、すでに洗ってあってキレイだとよく勘違いしてしまうのですが、現地の水は泥まじりだったり、大量の豆を一気に洗うために十分に洗えていなかったりと、実は生豆は意外に汚れています。生豆を洗うだけで、かなり味がクリアになります。他にもいろいろメリットがあるので、コーヒーの生豆は絶対に洗いましょう!
ボウルにザルを入れて、計量した生豆を入れ、まずはゴシゴシと洗います。この時、温度が高めのお湯を使うと、特に効果的です。オススメは50℃のお湯洗い。ちょっと熱いけどね〜。
洗ってお湯を変えて、と何度か繰り返していると、だんだん豆から薄皮が剥がれてきます。ここでザルから直接ボウルに豆を入れちゃいます。そして、手の中にグッと握りこむようにしてゴリゴリとしごいて、なるべく薄皮を剥がして、流してしまいます。薄皮は風味を悪くしたり、焙煎の時に周りに飛び散って掃除が面倒になったりと面倒なヤツですので、この段階でなるべく取り除いておくのがオススメです。
2.ハンドピックする!!
薄皮がある程度取り除けたら、不良豆のピックアップをします。実は、不良豆って、乾いた状態より濡れた状態の方が見分けやすいんです。なので、私は洗い終わりのタイミングでハンドピックをしています。不良豆としてピックアップするのは、割れ欠けのある豆、色が薄すぎる豆、色が濃すぎる豆、小さすぎる豆(未成熟豆)、大きすぎる豆(焙煎を均一にするため)、焼けのある豆、シワシワな豆、なんか変な形の豆・・・など、気になった豆を取り除きます。今回は豆乃木さんの東ティモール産の豆を使っていますが、100g中で不良豆っぽいのはこれだけありました。豆によってはもっと多い場合もありますし、逆に高価なブランド豆だともっと少ないです。
ここで注目!
コーヒー豆には、豆の中が虫に食べられて、豆の中にカビが生えているものがあるんです。これ、乾いた状態だと絶対に見分けられないんですが、お湯で洗うと、なんと鮮やかな緑色になって、見分けられるようになります。これもお湯洗いを勧める理由の1つです。必ず取り除きましょう。
4.いよいよ焙煎!!
生豆を濡れたままで焙煎器に入れて、焙煎開始です!
生豆を濡れたまま加熱することで、最初は蒸し焼きのような状態にします。こうすることで、何百万もする高級焙煎器のダンパーと同じような効果が得られます。これも、生豆を洗った方がいい理由の1つです。ね?洗った方がいいでしょ?
アウベルクラフトさんの焙煎器は、火が当たっている網の部分が赤くなるので、それを目安に火力を調整します。この焙煎器では、火から豆がある位置までの距離が長いので、風が吹いていると豆にあたる火力が安定しません。しょうがないので、私は、室内で窓も閉めて焙煎を行うようにしています。このタイプだと野外はちょっと厳しいかな〜。
濡れたまま焙煎を始めるので、最初は強めの火力で水分を飛ばします。火が弱いといつまで経っても焙煎が進みませんからね!ぐるぐるとのんびり回し続けます。肘をテーブルについちゃうと姿勢が楽です。
乾いた音になり、少し黄色っぽく色づいてきたら、火力を少し弱めます。強火のまま焙煎を続けると、焦げたような匂いが着いてしまう場合があるためです。ただ、火力を弱くしすぎると、焙煎に時間がかかり過ぎて香りが飛んでしまうので、適度なところを探ってみて下さい。こればっかりはトライアンドエラーです。
焙煎を続けると、だんだんと豆が茶色っぽくなってきて、パチパチと豆がはぜ始めます。これが1ハゼと呼ばれるやつです。1ハゼは、パチパチと言う感じの音。この1ハゼが「バチバチバチバチバチバチ!!」と鳴りまくるようだと火力が強すぎです。逆に、「プスッ・・・(あれ?鳴ってるの?鳴ってないの?)」と言うような状況だと火力が弱すぎです。パチッ・・・・パチパチッ・・・みたいな断続的な感じが理想でしょうか。
しばらくすると1ハゼが収まり、無音状態に戻ります。そのまま焙煎を続けていくと、2ハゼが始まります。2ハゼは、ピチピチと言う1ハゼよりも高い音です。2ハゼが始まる少し前くらいから煙が出始めます。
火力もよるのですが、2ハゼ開始直後くらいが中煎りで、さらに焙煎を進めていくとどんどん色が濃くなり、深煎りになっていきます。2ハゼが終わるくらいまで焙煎すると、真っ黒のイタリアンローストになります。
お好みの焙煎度で火を止めて、ドライヤーの冷風を当てて豆を冷やします。冷やさないと火を止めても勝手に焙煎が進んじゃうので、速やかに、十分に冷やしましょう。
あとは、軍手をはめて適当なトレイに豆を取り出し、自然に冷ましてやれば出来上がり。焙煎にかかる時間は、火力にもよりますが、10〜15分程度かと思います。深煎りにする場合は結構煙が出るので、換気扇がある場所の方がいいと思います。私は、何度か火災報知器を鳴らしましたw
一応、室温まで冷めたらもう飲めますが、焙煎したては香りが落ち着かず、若干苦目に感じられることが多いので、数時間待ってから飲んだ方が良いです(が、待ちきれずにいつも飲んじゃいます・・・)。おそらく、焙煎した日の翌日くらいがベストの状態だと思います。コーヒー豆が本当に美味しいのは焙煎から1週間くらいです。自家焙煎だと、1週間で飲み切る程度の量をちまちま作るのがいいですよ。
焙煎度についてですが、豆の種類にもよりますが、浅煎りだと「香り高い」「フルーティーな」「酸味が多い」、といったニュアンスのコーヒーが出来上がりやすいです。深煎りだと「コクのある」「ずっしりとした」「酸味の少ない」、といったニュアンスのコーヒーが出来上がりやすいです。
煎りが浅すぎるとエグミ(渋み)が残る場合もあるので、浅煎りにする場合には、1ハゼ終了後で2ハゼ前に止めるのがオススメです(煙が出だした頃に止めるとちょうどよいことが多いです)。深煎りだと香りはほとんど飛んじゃいますので、自家焙煎する方はぜひ浅煎りを味わって欲しいです。
長々と書いてしまいましたが、コーヒーの焙煎にもいろんな考え方や、やり方があると思います。ここに書いたのは、あくまで私が良かれと思ってやっていることなので、間違ってたりしたらごめんなさい。
長文読んでいただきありがとうございます!