「京医4名、阪医4名合格講師」による受験対策講座(430)
学校革命=スクールレボリューション(121)=
〇「親の言うことは聞くな」
■ 「親の言うことは聞くな」に込めた想い ──孫さんが新しいビジネスの計画を立てる時に、まず、専門家を集めて相談するのではないかと想像しますが、そういった専門家の視点とは異なる視点をあえていつも意識されているのですか。
孫:イノベーションというものはしばしば専門外から生まれます。スタートアップやベンチャービジネスには、その分野の専門家が集まる。彼らは、この分野ではこれが当たり前という考え方をする。でも、思いつく範囲のものはとっくに形になっていて、その中で最適な解を皆が求める。
しかし、むしろ専門外の素人こそ「これってこうした方がいいのでは」とふと気が付いて、やってみたらとても斬新だったということがある。その結果、お客さんが良いねと言ってそちらに移っていく。これを後からイノベーションと呼ぶ。
意見の多様性があるから次々とイノベーションが起こり、世の中はどんどん変化していく。古くて陳腐化したものは淘汰されていく。しかし、言論的ファシズムの中では、この新陳代謝は起こりません。社会が固定化されてしまう。
孫:子どもと親の間には数十年の時代のギャップがあります。だから、親の時代の価値観で良いと思うものが、子どもの時代に正しいとは限らない。正しいとは限らないどころか、変化の激しい現代にあっては、ほぼ間違っていると言っても過言ではありません。 もちろん、時代が変わっても不変のことはありますが、AIの登場による変化で、今の常識はこれまで以上に根本からことごとく覆される。だから、親が正しいと言っていること、親が当たり前だと思っていることは間違っている可能性が高いのです。 それともう1つ「親の言うことは絶対に聞くな」という言葉に込めた想いは、人から言われたことを鵜呑みにしない方がいいということです。これは親に限らず、誰がどう言おうと、何が正しいかは分からない。だから、自分の頭で考えることに意味がある。
受験指導を行っていると、将来の展望のない子が多いことに驚く。
「キミは何になりたいの?」
と、尋ねても
「分からない」
と、言う。それは中学生や高校生には当たり前かもしれないと思って、
「じゃ、文系か理系かどんな学部に行きたいの?」
と、尋ねても
「よく分からない」
と言う子が多い。
日本の学校は教科書、問題集、テスト、宿題で生徒を追い回す。生徒が自主的に選べるものは、ほとんどない。着るものから、髪型、持ち物、スケジュールまで全て学校が決める。生徒は、親から
「先生の言うことをよく聞いて、良い子でいてね」
と、小さい頃から教えられる。そして、出来上がるのは自分が何者で何をしたいかも先生に決めてもらおうという自主性に欠けた子たちばかり。
塾や予備校はもっと酷くて、
「当塾に言われたとおりにやれば、第一志望に必ず合格できる!」
と、無責任な言葉で集客する。
しかし、現実に社会でイノベーションを起こして大成功している人を見てほしい。エジソンやアインシュタインは学校では「モノにならない」という烙印を押された。ビートルズは有名なレコード会社から「絶対に売れない」と言われた。ビルゲイツも日本のホリエモンも一流大学を中退した。
日本の教育は「人の言うことに従順に従う」を目標にしているけれど、その行きつく先は
「自分は何になれば良いのか教えて下さい」
という種類の人間ばかりで、AIの奴隷になるしかない。親や先生の言いなりになるのが「良い子」と信じている人は、次の時代では生き残れそうにありません。
〇合格実績
2023年度 大阪大学「医学部」3名
2022年度 京都大学「医学部」 京都大学「経済学部」
2021年度 京都大学「理学部」 京都大学「経済学部」
2020年度 京都大学「工学部」2名
高木繁美。「高木教育センター」塾長。
名古屋大学卒業後、アメリカユタ州で中学校教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。京大二次試験英語81%の正解率。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。桑名市役所前の塾でも指導中。