今朝の「カムカムー」の稔さん
稔は「どこの国とも自由に行き来できる、どこの国の音楽でも自由に聴ける、自由に演奏できる…るい、お前はそんな世界を生きとるよ」と優しく呼びかける。
私が小さい頃、母に連れられて名古屋駅(地下)から階段を上がって地上に出たら真っ白い服装の松葉づえをついた人が通路わきに立っていた。足元には鍋のようなものが置いてあった。
母に
「あれ、なに?」
と尋ねたら
「傷痍軍人さんや」
と答えてくれた。何のことか分からないので、
「それ、なーに?」
と尋ねたら
「戦争で足を無くしたから寄付を集めとるんや」
と言われたことを覚えている。
ギリギリ戦争の傷跡のことを覚えている。るいより若い世代なので、高度成長期に中学・高校を過ごした。アメリカで中学教師をしていたホストファミリーの方は日本と戦争をしていた世代。今思うと、やはりアメリカは民主主義の国だと思う。
あれから、バブルが弾け、9・11のテロが起こり、コロナでアジア人にヘイト感情を持たれ、そして、今はウクライナで戦争。私は稔さんが夢見た
「どこの国とも自由に行き来できる、どこの国の音楽でも自由に聴ける、自由に演奏できる…るい、お前はそんな世界を生きとるよ」
という時期の恩恵を受けてアメリカで暮らしていたんだ。
20代の私は、そんなことも知らずに得意満面で帰国して英語講師として生きてきた。全世界が核戦争の予感に不安な時代となり、自分は多くの犠牲の上で得た平和の恩恵を受けていただけなのだと痛感する。
これから明るい未来があったであろう子供たちが死んでいくのは本当に許しがたい。