2020.3.4
西阿室集落散策後、北の須子茂(すこも)集落へ。
天気が悪くても海は綺麗ですね~
須子茂集落・公民館前 ミャー、アシャゲ、イビガナシが見られます。
イビガナシ
ノロ信仰
・・・特に島の文化に影響を与えたのが那覇世(ナハユ)の琉球王朝統治期における、「ノロ制度」の導入である。女性神役「ノロ」は、琉球最後の王朝に確立した、地方の村落を国王の支配下に組み入れる宗教権威者である。薩摩藩支配下で禁じられ、以降徐々に衰退していったが、一部の集落では精神的支柱としてのノロは継承され、その後集落ごとに独自の変容を遂げることとなった。
ノロ(祝女)は、地域の祭祀を取りしきり、御嶽を管理する。民間の巫女である「ユタ」とは異なる。御嶽(うたき)は、琉球の信仰における祭祀などを行う施設。
1970年代以降、ノロの高齢化や後継者不足によってノロ不在となる集落が相次ぎ、奄美大島におけるノロ祭祀は消滅寸前となっている。
ノロ祭祀における祭祀空間(聖地)には、集落毎の差異は認められるものの、
「カミヤマ(オボツヤマ)」「カミミチ」「ミャー」「トネヤ」「イジュン」「アシャゲ」の6つが挙げられる。1.カミヤマ(神山)・・・神が去来する最も主要な聖地。集落の背後にある。
2.カミミチ・・・カミヤマに来臨した神が山から集落に降臨する際に通る道。
3.ミャー・・・集落の中央にある広場。8月十五夜と旧暦9月9日豊年祭に土俵を設け、神に捧げる相撲をとる。
4.トネヤ・・・祭場。トネヤの神という集落の神が祀られる。祭祀における男性神役「グジヌシ」が管理に携わることが多い。
5.イジュン・・・集落において清めの水とされる泉または井戸。
6.アシャゲ・・・ミャーに建てられる祭場。簡素な構造の建屋。上記にプラスして、概ね、アシャゲの隣に建てられているイビガナシが、挙げられる。石灰岩の自然石で「イビ」と呼び、島立神として集落を守っている神さま。
65歳以上の女性全員が神人で祭りを行っていた・・・どんなお祭りなのでしょうね^^
カミミチ(神道)・・・カミヤマに来臨した神が山から集落に降臨する際に通る道。
こちらの集落は良く整備されていましたね。
集落のもう一つのアシャゲ
アシャゲの前の「一太郎石」
昔の若者の力比べに使われた石。多い人で17回担いで村の中を回ったそうです。
「力石」のような石ですね。
トネヤ
トネヤ内部の神棚
では、こちらの集落の「厳島神社(須子茂)」へ。
「厳島神社(須子茂)」
「厳島神社(須子茂)」拝殿
拝殿内部
こちらの厳島神社(須子茂)は、鹿児島県神社庁には見受けられません。
民間信仰(ノロ信仰)と、ここに書かれている「峯田前田氏」をお祀りし、更に平家ゆかりの厳島神社を祀ったのでしょうか???ググっても良く分かりませんでした。
いずれにしてもこの集落のノロ信仰の聖地であったことには間違いありません。
原種に近いハイビスカスのようです。
ハイビスカスの定番「ブッソウゲ」 少し雨模様ですが、小ぶりです。
その後、集落の廃校(2018.3)になってしまった須子茂小学校へ。
海岸線から少し高台のところに位置します。
まだ、子どもたちの声が聞こえてきそうですね。
校庭には、立派なデイゴの木が・・・
すごい存在感ですね。
この小学校は1880年須子茂簡易小学校として開校。15年後に閉校したものの1900年に瀬武尋常小学校須子茂分校として再開。1980年には創立100周年を迎えたが、児童数の減少により2011年4月から休校していました。
母と子の像
昭和37年、NHKのラジオ番組で当時の須子茂小学校の校長の投書が読まれたことから始まりました。
当時、加計呂麻島は夜間しか電気が使えない場所でした。昼間は自家発電をしなければ視聴覚教育など電気を使う授業はできない状態でした。しかし、国の補助金が打ち切られるため、自家発電設備を作ることができず、離島における教育に悩んだ当時の校長が、その件をラジオに投書したのです。
ラジオ放送を聞いた大手ゼネコンの鹿島建設の社長である鹿島卯女(かじまうめ)さんが資金援助を申し出、念願の自家発電設備を整備することに。その後も、鹿島卯女さんと須子茂小学校の交流は続き、鹿島卯女さんは出稼ぎなどで夫が留守にすることも多い島の集落の女性と子ども達の支えとなることを願い、この母と子の像を寄贈しました。(下記サイト様より抜粋)
「奉安殿」薩川小学校にもありましたね。瀬戸内町には現在6つの奉安殿が残されています。この奉安殿は1939年(昭和14年)9月に竣工。
タイル作りのすべり台・・初めて見ました。
今でも学校の裏手には、鹿島卯女さんの資金援助で購入したディーゼル発電機が現存しています。注意事項が壁に書かれています。
小学校の掲示板より。
小学校の掲示板より。
小学校の掲示板より。
小学校は維持されているようでしたが、現在どのような活動が行われているのかはググってもよく分りませんでした。自然学校等の活用・・・などは過去投稿で散見されましたが。。。。ぜひ、残してもらいたいものです。
この小学校脇に水路があったのですが、裏山から続いていました。
ノロ信仰のイジュンとされていた清めの水とされる泉なのでしょうね。
小学校を訪ねた後、ガイドさんとお知り合いのお宅で黒糖菓子や珈琲を頂きました。
可愛い木にパパイヤが実っていました。
このネコちゃん、すごく人懐っこくて・・・
ネコちゃん、またアシャゲも案内してくれました^^
バス停ですよ^^
須子茂集落を離れ・・・
嘉入の滝
俵集落から嘉入集落に向かう道の途中にあるこの滝は、別名「ウティリミズヌ瀧」と呼ばれています。標高310メートルの嘉入山が水源地で、かつては山の上の田んぼで稲作が行われていました。滝の落差は約15メートル、滝壺は約2メートル。
聖域としてノロの親神だけが肌身を浄める地域でもあったようです。
伊子茂集落の「伊子茂まもる君」
加計呂麻島には信号が1ヶ所しかないらしく、街灯も少ないので夜間の交差点は非常に危険。なので、この「まもる君」が見守っていますよ^^
つづく~
++++++++++archives++++++++++
++++++++++archives++++++++++
★「旅行記」
今まで行った旅行記のまとめです。
+++++シリーズ投稿の分類一覧 by matol+++++
・「HUAWEI P30 Pro」スマホHUAWEI P30 Proで撮った投稿まとめ
・「神社参拝リスト」参拝した神社の投稿まとめ
・「還暦過ぎのオヤジのつぶやき」日々のつぶやきのまとめ
・「ウミウシ」いままで出逢ったウミウシの紹介投稿まとめ
・「鳥(トリ)」 いままで出逢った鳥(トリ)の紹介投稿まとめ
・「植物探訪」いままで出逢った「植物」の紹介投稿まとめ
・「古物たちのお勉強」の紹介投稿まとめ
・「旅行記」今まで行った旅行記のまとめ
・「古物商に関するあれこれ」~まとめです
・「神社の基本知識をご紹介」「神社」に関して掘り下げて投稿(1~8回+1)
・[ネコの住むビトにゃん村] x[ALiS経済圏]/私的構想 私的な構想の妄想まとめ