朝4:30薄明るくなった頃薬師峠キャンプ場を出発した。太郎平から薬師沢へといったん300m下る。
薬師沢第三渡渉点が左俣の入り口だ。橋を渡って沢に下り、靴を履き替えて入渓した。最初はゴロゴロした平坦な道のり。日も差さず水は冷たい。
40分以上歩いてようやく一つ目の滝。右のスラブは滑りやすかった。ここから次々に連続して滝が出てきた。
これは左岸から簡単に巻いた。
いくつかの小滝を登ると、川幅が狭くなり行き止まりのミニゴルジュが現れる。奥の滝が手招きしているようだ。水は深く、左の岩の上をつたって滝の落ち口まで行けば、そこから直登できそうでもある。
ちょっと行ってみたけど、どうも失敗してケガしそうでやっぱり巻くことにした。しかし斜面をちょっと上がると、ネマガリタケのものすごい藪になった。日に照らされたダケカンバを目印に藪をかき分け進んで、うまく滝上に下りた。滝の落ち口から見下ろして登れるか確認したが、やっぱりちょっと難しそうだった。
薬師沢左俣では、この滝が一番難儀した。他はすべて容易に越せた。ロープもハーネスも必要なかった。
ゴルジュ滝の先も次々と滝が連続して現れて飽きさせない。標高が上がってたまに下流を振り返ると薬師岳がドーンと姿を見せる。
2330mの二俣を過ぎると流れも穏やかになり、そこは静かな水のせせらぎと花とトンボが舞う楽園であった。
源頭部に到達して水の流れが無くなると途端に暑くなった。ここで登山靴に履き替えた。
高山植物が咲き乱れる中で、歩いてきた薬師沢左俣を眼下にアルプスの峰峰を眺める。ここでしか味わえない景観だ。
ハイマツ帯を右に左にと避けつつ登って、稜線の登山道に合流。すぐそこが北ノ俣岳山頂だ。
お花畑が終わったらテン場に戻ってテントを回収し下山であるが、下山も荷物が重くてしんどかった。予定より1時間遅れて折立に到着。行動時間は12時間以上で過去最長となった。
ロープがいらないことがわかったので、次回から荷物を軽くすれば、もう少しペースを上げれそうだ。
来年は7月中に訪れてみたい。沢にはイワイチョウが、稜線にはチングルマが咲き乱れているだろう。
8/10土
4:30 薬師峠キャンプ場発
6:10 薬師沢左俣
7:25 ゴルジュ
9:30 滝が終わる
12:00 北ノ俣岳
13:30 太郎平小屋
13:55 キャンプ場テント回収 14:20
15:10 折立
高度上昇1070m、下降2000m
距離 22km