日本最大のシンクタンクでありコンサルティング会社、そしてシステムインテグレーターでもある、”NRI”こと野村総合研究所。
そのNRIが、MUFGのステーブルコイン"coin"の応用として、新しい奨学金のスキームを提案しています。
今回は、CEATECJAPAN2018で取材したこのソリューションをご紹介します。
これを大学などの「奨学金」に適用することで、今の奨学金制度より、学生にも支援する企業にもメリットのある、「新しい奨学金のかたち」を提案しています。
まず、現在の奨学金は、公的なものもありますが、一般企業や団体などの民間からのお金が大きいそうです。
紹介をしてくれたNRIの方のお話しによると、今の奨学金の仕組みには、「大きく3つの問題」があるそうです。
ではその問題を”Digital Scholar”がどう解決するのか見てみましょう。
奨学金が、ちゃんと学業に使ってもらえているのか?
娯楽やギャンブルに使われてもわからない・・。
奨学給付金にMUFGの”coin"を用いることで、生協や学食、e-ラニングサービスなど、あらかじめcoinが使えるところに、使用を限定することができます。
また、想定以外場所でcoinを使用したとしても、ブロックチェーンに書き込まれた利用ログにて、実際にどこで使われたかを追跡することが可能です。
スポンサー企業にとっては投資の実効性向上が期待できます。
奨学生とスポンサー企業が気軽にコミュニケーションを取れる手段がない。
スポンサー企業は、奨学生ひとりひとりに合ったフォローをもっとしたい。
”Digital Scholar”のアプリは企業と学生を繋ぎます。
日ごろの細かなフォローの会話や、例えば、インターンシップによる優秀な学生の募集には、追加奨学金の特典をセットとした募集をかけるなどの、こまかな施策が打てるようになります。
奨学生の成長をもっと助けたい。
お金だけでなく、学習コンテンツの提供を充実させたい。
奨学生の経済圏に魅力を感じる、例えばeラーニング事業者などを、奨学金coinの経済圏に加え、学習環境や学習機会の拡大と充実が期待できます。
このように、ブロックチェーンのステーブルコイン”coin"を使った”Digital Scholar”なら新しい奨学金のしくみを生み出すことが可能です。
MUFGコイン”coin"を用いた”Digital Scholar”の全体イメージ
”Digital Scholar”は対象を奨学生に限定した「情報銀行」でもあります。
あらかじめ奨学生は”Digital Scholar”の利用にあたり、ライフログなどのパーソナルデーターを、奨学支援サービスを受けるために提供することを許諾します。
そのパーソナルデータを奨学金スポンサー企業等に運用するリターンとして、奨学金coinや学習コンテンツの利用を得る仕組みです。
2019年はいよいよ情報銀行が正式スタートとなる年です。
今回のNRIの例は、「奨学生」に的を絞った情報銀行の例でした。
情報銀行と一口に言っても、実際はこのように、いろいろな分野を得意とする「複数の情報銀行」が登場してくると思います。
次回は、また別の分野をターゲットとする情報銀行の例を、ご紹介したいと思います。
当記事の参考と引用:NRIおよびMUFGがCEATECJAPAN2018で提供の資料より
<参考>:
Web3.0や情報銀行についてのpuddingの記事はこちら
・新しい奨学金のしくみ
・ありがとうは”coin”で
・情報銀行意欲、欧米は日本の2倍
・情報銀行を使いやすくするPDS
・情報銀行TEDxTokyo東大柴崎先生Youtube
・ともに創造する未来「Society5.0」
・Web3.0&情報銀行ざっくり解説
・個人の情報×ブロックチェーン=情報銀行
当記事は、うめ吉さんの「うぇぶさん」イベントに参加です