日本が生んだマーケティングの天才に秋元康がいる。そして彼は日本No.1アイドルを作り続け、乃木坂46はその1グループである。
その乃木坂46はどのようなマーケティングが効いているのか考えていく。
乃木坂46のコンセプトは「AKB48の公式ライバル」であり、日本の頂点に君臨しているAKB48を目標に発足した。2011年当時は日本の大人数アイドルグループの概念を形成したと言ってもいいAKB48のライバルというだけで話題性もあったが、高すぎる目標にも感じられた。しかし、人はその高すぎる目標を持った組織が発足されたというストーリーに共感を得る。これはストーリージェニックと呼ばれ、その発足プロセスなどからブランディングをしていき価値を生み出していくというものである。乃木坂46(秋元康)はこの発足ストーリーさえもブランドの一部としているのがうまい。
ブランディング・ブランドとは顧客に与える価値の「約束」である。つまり、どのような価値を与えられるかを明確にすることがブランディングである。その上で乃木坂46は"清楚"というブランディングを初期から行ってきており、それを一貫している。清楚アイドルと言って乃木坂46を連想するようになっているだろう、それこそ完璧なブランディングである。このブランドによって生まれる価値をブランドエクイティと呼ぶ。
アイドル市場には先述した通りAKB48という市場リーダーがいた。そんな市場に参加した乃木坂46はチャレンジャーという位置付けになる。このチャレンジャーは対リーダー差別化戦略をとるのが最適とされている。 AKB48 乃木坂46という近いネーミングでチャレンジャーということを明確にした上で、清楚・可愛い・アイドルっぽいアイドルじゃないという点を売りにしてAKB48と差別化をしている。(AKB48が清楚じゃないとかではないのはポイント)
乃木坂46のように今売れているコンテンツからは今使えそうなマーケティング技術が使われていることが多く、様々なことが学べる。身近な流行コンテンツのマーケティングを意識するのが大切かもしれない。