闇の力のお兄さんが無抵抗なアギトからアギトの力を奪います。
またも闇の力のお兄さんは発作に襲われます。
涼、真島、木野は変身解除された翔一に駆け寄ります。
涼「津上しっかりしろ!!」
木野「津上!!」
闇の力のお兄さんはアギトの力さえ奪えば翔一に用はないらしく命は奪わずに消えました。
G3-Xはファルコンロードとバトっています。
またも視界がボヤケて大苦戦の氷川(いやむしろ視界がボヤけなくてもG3-Xでは厳しいかと思いますが、何故かやられません。)
「見えた!!!」
視界が急にハッキリした氷川はファルコンロードを連射で狙撃し、追い払います。
翔一は真島が涼を匿っていた場所らしきところに運び込まれました。
真島「津上さん…」
涼「津上…何故だ?何故、自分からアギトを捨てた?」
翔一「あれは…あれは人間が持っちゃいけない力なんです…」
翔一は暗い顔をして俯いています。
そこに氷川誠が参入してきました。
氷川誠「ちょっと待ってください!どういうことですか?アギトを捨てたって?一体何があったんです?」
翔一「俺…今までアギトの力で人を守ることができるって思ってました…でも違ったんです…アギトは人を不幸にします…そんな力を持ってたって仕方ないじゃないですか…」
氷川誠「何言ってるんです…現にあなたは今まで多くの人々を助けてきたじゃありませんか!」
翔一「氷川さんには分かりませんよ!アギトじゃない氷川さんには…」
氷川誠「それは…」
涼「津上…」
翔一「もういいじゃありませんか…俺たちはアギトじゃなくなったんです…ただの人間として皆勝手に生きてゆけばいいんです…関係ないですよ…俺たち…」
翔一は立ち上がってその場を去ります。
氷川誠「津上さん…」
美杉家
真魚は自分の部屋に引きこもっています。
翔一が真魚の部屋の前にやってきました。
翔一「真魚ちゃん…俺、もうアギトじゃないから…アギトの力を捨てたからさ…」
ドア越しに自分の手を見つめながら言う翔一
真魚はこれには驚きます。
真魚「どういうこと?」
翔一「人間は人間のままでいればいいもんね…だから…ゴメン…姉さんのことこれで許してもらおうなんて思ってないけど…ゴメン…」
真魚は何も言えません。
西東京警察病院
氷川の視力の障害について医師の所見を聞く氷川、そして北條透
北條透「ではどこにも異常はないと?」
医師「ええ…先日彼は都立吉澤病院で精密検査を受けたとのことであちらにも問い合わせて見たのですが脳にも視神経にも異常はありません。」
氷川は怪訝そうな顔
医師の話を聞いた後帰ろうとしている氷川、北條
氷川誠「だから言ったじゃないですか…大したことないって!」
北條透「果たしてそうでしょうか…アンノウンと戦うに際しては例え一時的にせよ目が見えなくなれば命取りになりかねない!私としては当分の間G3-Xの装着はやめるべきだと思いますが…」
氷川誠「それは…それはできません!」
北條透「しかし氷川さん…」
氷川誠「北條さんはご存知ですか?津上さんは今、アギトとして戦えなくなってるんです!」
北條透「津上翔一が?どういうことです?」
氷川誠「詳しいことは分かりません…彼に何があったのか…でも僕がG3-Xとして命懸けで戦っていればきっとアギトは帰ってきてくれる!理屈じゃなく僕はそう信じているんです…お願いします!!僕の目のことは誰にも言わないで下さい!」
北條透「知りませんよ…どうなっても!!」
本当に氷川のことを心配しているような表情を見せる北條透です。
真島のアジトのマンション
真島「ねえ!これからどうすんの?誰がアンノウンと戦うわけ?」
木野も涼も黙っています。
真島「今のままじゃどうしようもないじゃない!」
木野「そう…今の我々はただの人間だ…どうすることもできない…津上が言うようにそれぞれ自由に生きてゆけばいい!我々を繋ぐものはもう何もない…」
涼は立ち上がります。
真島「芦原さん…」
涼「できないな俺には…ようやく見つけた絆だ…津上を放っておくことは俺にはできない!」
涼は外に出て行きます。
しかし涼ってどこまでもカッコいいですね!
美杉家
新聞を読んでいる義彦
真魚がやってきます。
真魚「翔一君は?」
義彦「ああ…ちょっと出てくると言ってたが…」
真魚「そう…」
真魚もソファーに座ります。
義彦「真魚…大体の話は翔一君から聞いて知ってる…残酷な話だと思う…辛いよ私も…」
ここで切ない音楽が流れます。
義彦「でも今の真魚を見たらなくなった信幸兄さん
どう思うかな?」
真魚「お父さんが?」
義彦「何故、兄さんが真魚という名前を付けたか知ってるか?真魚という言葉には天からの恵みの食べ物という意味があるんだ…きっと兄さんはお前に人々に恵みを与える人間になってほしい…そう思ってたんじゃないかな…」
真魚「人々に恵み…そんなの無理だよ…私なんかに…私なんかに…私…どうしていいか分からない!」
真魚は泣いています。部屋を出ていく真魚
義彦「真魚…」
真魚は外を泣きながら自転車で走っています。
そんな真魚を狙っているヘッジホッグロード
ハリネズミ先生です。
運良くと言うか、都合よく涼がバイクで通りかかりました。
涼はヘッジホッグロードの姿を確認…その視線の先は真魚であることも確認…
真魚に向かって針を飛ばすヘッジホッグロード
涼は間一髪真魚を押し倒して(これはこれで危ないですが)救出!!
涼「さあ早く!!」
真魚と一緒にバイクで逃げる涼
森の中
闇の力のお兄さんが発作に苦しんでいます。
3体の光の力の子供が見えている闇の力
どうやら吸収したアギトの力がオーナーさんの身体に戻ろうと抵抗しているのが発作の原因のようです。
闇の力「そんなに帰りたいか?奴らの中に…ならば帰る場所をなくしてやる!」
こんなのが創造主、神様であるなんて最悪です!
涼は真魚を安全な?場所まで避難させました。
涼「あんた知ってるか?アンノウンはアギトになるかもしれない人間を襲っている!」
真魚「えっ?どういう…どういう事ですか?」
涼「分かるだろ…あんたもアギトになるかもしれないってことだ…」
真魚「私が…アギトに?そんな!私が…アギトに?」
涼「確かなことはわからない…その可能性があるってことだ…」
真魚も涼も深刻な表情
涼「怖いか?それが普通だ…津上が言ってた…奴の姉さんとあんたの父親との間に何かがあったようだが、きっと奴の姉さんも怖かったんだろう…今のあんたと同じようにな!」
ここでヘッジホッグロードがまたやってきました!!
涼「逃げろ!!」
涼は真魚を後ろに乗せてバイクで逃走!
河原で木野が運転するバイクとバッタリ!
真島が後ろに乗っています。
真島「芦原さん!」
ヘッジホッグロードは余裕を見せながら迫っています。
バイク走行中の翔一はファルコンロードが飛んでいくのを目撃!!
なんだかんだで追跡する翔一
ヘッジホッグロードは涼をぶっ飛ばします。(何故バイクでそのまま逃げなかったのかは謎です…)
これはヤバいです!!
木野「ウワァ!!ウオ!」
木野は倒れます。
真島「木野さん!!」
木野信者の真島がすぐに駆け寄ります。
真島「木野さん!!」
ヘッジホッグロードはターゲットの真魚に目を付けています。
真魚はビビっています。
ここでバイクで翔一登場!!
針は翔一に刺さり体内へ!!
翔一「ウァァ!!」
真魚「翔一君!!」
芦原「津上!!」
翔一「芦原さん!真魚ちゃんを早く!お願いします!!俺なら大丈夫ですから!早く!!早く!」
涼は真魚を乗せてバイクで逃走!!
しかし翔一はその場でダウン!!倒れ込みます。
ヘッジホッグロードは翔一の命には興味がないらしく涼のバイクを追跡!!
木野が翔一に近寄ります。
木野「津上!!」
翔一のヘルメットを外し、服を脱がせる木野
ヘッジホッグロードの針が刺さった箇所が紫色になっています。
木野は手術道具を取り出します。
真島「木野さん?」
木野「ただの傷じゃない!アンノウンの攻撃によって受けた傷だ!何が起こるか分からない…今、この場で打ち込まれた針を摘出する!」
真島「そんな!!」
翔一は苦しんでいます。
バイクで逃げる涼ですがヘッジホッグロードは素早く先回り!
それでもUターンして逃げる涼
ファルコンロードも迫っています。
木野もファルコンロードの攻撃を受けており、ダメージが大きいです。
木野「押さえろ!!」
真島に指示を出す木野
真島「木野さん!」
木野のメスが翔一の身体に入りました。
翔一は悲鳴を上げています。
バイクで逃げる涼ですがヘッジホッグロードの体当たりをまともに受けてしまいます。
これで転倒した涼
真魚もバイクから転倒
涼は壁に激突
真魚「芦原さん!」
真魚は特に怪我もなかったので涼に駆け寄ります。
ヘッジホッグロードが迫ります。
ここに正義の味方G3-Xが登場!!
ヘッジホッグロードをガードチェイサーで跳ねます。
ファルコンロードの体当たりもはねのけるG3-XはGX05を構えます。
しかしここでまたも視界がボヤける氷川
氷川の戦いぶりをモニター越しに見ている小沢澄子
小沢澄子「氷川君!どうした?」
GX05を放てなかったG3-Xに反撃するヘッジホッグロード
ぶっ飛ばされるG3-X
モニター越しに見ている小沢澄子も異変に気付きます。
小沢澄子「何があったの?氷川君!」
尾室巡査「ほ、北條さん!!」
ここに北條透が乱入します。
北條透「失礼しますよ!」
尾室巡査からヘッドホンを取る北條透
小沢澄子「ちょっとあなた!!」
北條透「氷川さん!敵は右斜め!避けて!!」
北條の声に反応して攻撃を避けるG3-X
G3-X「北條さん!!」
北條透「氷川さん!左前方にGX05があります!」
GX05を取る氷川
北條透「左の後ろ!!今です!!!」
北條透のナビ通りにGX05を取る氷川
氷川はGX05を連射!!!
なんとファルコンロードを撃破!!
あれだけ嫌な奴だった北條透がいつしか大の味方に!!!
これは奇跡です!!
木野は翔一からヘッジホッグロードの針を摘出しています。
木野「津上!!俺はアギトであることに飲み込まれてしまった人間だ!だがそれはアギトのせいではない!俺の人間が弱かったからだ!俺は自分の弱さと戦う!お前も負けるな!!」
木野は針を無事に摘出成功!!
翔一の「あああああ〜」という悲鳴が響きます。
翔一も針を摘出した木野も汗まみれです。
木野は意識が朦朧としている様子
北條透のナビは続きます。
北條透「左です!避けて!!」
しかしヘッジホッグロードの攻撃を受けてしまうG3-X
ぶっ飛ばされます。
ヘッジホッグロードは真魚を狙っています。G3-Xには関心がないようです。
涼も真魚もビビっています。
場所はどこかの倉庫内です。仮面ライダー作品は倉庫内でのバトルが好きですね。
ここで翔一、木野が運転するバイクが到着!!
翔一はバイクでヘッジホッグロードを跳ねます。
真魚「翔一君!!」
涼と一緒に翔一に駆け寄る真魚
ここで闇の力のお兄さん登場!!
翔一達は厳しい表情
ヤクザみたいにイキっている闇の力のお兄さん
「残念です…貴方達の命を奪わねばならない!」
何故かエコーがかかっています。
これに触発された翔一はなんと素手で殴りかかろうと闇の力のお兄さんに突進!!
気絶していたG3-X氷川も意識を取り戻します。
視界がハッキリし、翔一を見て驚く氷川
気合い満点の翔一ですが闇の力のお兄さんにバリアーで跳ね返されます。
闇の力「無駄なことを…人間の力では私に触れることすらできません!!」
ここでG3-X氷川がGX05を連射!!
当然バリアーで封じられます。
しかしここで翔一が突進!!
GX05を封じるバリアーにわずかなすきがあったようで翔一のパンチが闇の力のお兄さんに命中!!
ぶっ飛ばされる闇の力のお兄さん
闇の力「馬鹿な!人間がこの私を!!」
ショックを受けている闇の力の身体から光の力の子供が出てきます。
そしてオーナーさんである翔一、涼、木野の体内に戻りました。
「変身!!」
翔一はアギトに変身!!
「変身!!」
涼はギルスに変身!!
「変身!!」
木野はアナザーアギトに変身!!
木野だけ声を張上げずに低音で渋いです。
ビビって後ずさりしている闇の力のお兄さん!
これが神様ってのが酷いです…
自信満々のタイプほど自信が崩壊したら脆い典型です。
ヘッジホッグロードが御主人様を庇って前に出ます。
しかしアナザーアギトのアサルトキック、ギルスのヒールクロウ、アギトのライダーキックを3連発で受けて何もできずに敢え無く爆散!!
闇の力のお兄さんはヤバくなったので逃走!!
本当に神様なんでしょうか?
「人間が…人間が…この私に…」
なんて言ってます。
プライドだけはご立派という一番駄目なパターンです。
美杉家
真魚と翔一は皿洗いを一緒にしています。
真魚「翔一君…なんかいろいろゴメン!」
翔一「何言ってんの!それは俺のセリフだって!」
真魚「ううん…私がゴメンだよ…」
翔一「俺がゴメンだって!真魚ちゃんそんなことしなくていいからさ!」
真魚「今日は私がやるからさ!!」
何やら食器の奪い合いをする翔一と真魚
翔一「ゴメンちゃい!ゴメンちゃい!」
ふざけてる翔一
義彦はソファーで寝そべってAERAの雑誌で顔を隠していたのですが、2人の様子を笑顔で見つめています。
真魚「ゴメンちゃい!」
真島のマンション
真島と木野、涼がいます。
3人はコーヒーを飲んでいます。
真島「木野さん!決めたんだ!木野さんのオペを見てさ…俺、やっぱり医者を目指してみようかなって!」
木野「そうか…お前ならできる…」
真島「俺、頑張るよ!」
木野「浩二…」
真島「えっ?」
木野「コーヒーを頼む…」
コーヒーのおかわりを頼む木野
真島「分かった…」
真島はコーヒーを注ぎに行きます。
木野はぐったりとしています。
涼「どうした?」
木野はうなだれていて動きません。
涼「おい!木野!!おい!木野!!!」
涼は木野の身体を揺さぶります。
木野のサングラスがポトリと落ちます。
木野は雪山で助けることができなかった弟雅人のことを最後まで後悔しながら死んでゆきました。
遂に木野死亡!!
あれだけ嫌な奴だったのに最後はちょっと改心して良い人になった木野
しかし生身の肉体でファルコンロードの頭突きをまともに受けたことが致命傷となりました。
そして木野薫が仮面ライダーシリーズにおいて仮面ライダーの中で最初の殉職者となりました。(殉職というのが適切かは分かりませんが…電波人間タックルは仮面ライダーに認定されていませんし、ライダーマンはちゃっかり生きていたことにされて普通にストロンガーやRXに客演してます。)
そして同じく有り得なく嫌な奴だった北條透がまさかの目が見えない氷川のサポートに!!
どれだけ嫌な奴でも人間は変わることができるんですね。嫌な奴というのはある人にとって嫌な奴であり、相性が合う人にとっては良い人かもしれません。氷川と北條は反発し合ってきた分、強い絆が生まれたのかもしれません。