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【スプトレ相場編】Part3 - 板読み: 素早くカードを売る方法 【Splinterlands】

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  • しらたまどん
  • 2022/05/08 12:24
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スプトレ相場編では、Splinterlandsでのカードの売買に使える相場や投資の知識や考え方を紹介していきます。

第3回は板読みのお話です。前回までの抽象的な話とは変わって、具体的な相場のテクニックを解説したのち、カード売買に活かす方法を検討していきます。

馴染みのない方にも伝わるように、いつも以上に図多めで解説していきますので、ぜひお付き合いください!

なぜ板というものを使うのか?

みなさまはカードがなかなか売れずに困った経験はありませんか?

マーケットに出しても売れ残ったり他の人に安く被せられたりして、泣く泣く在庫に引いたり投げ売りしたりなんてことは私だけではないと思います。

というものを意識すると、売買を加速したり、売買の安全度を高めたり、あるいは単価を高めたり、トレードでの候補手を増やして選べるようになるかもしれません。

どんな方法か見ていきましょう

 

板とは?

主に株式投資で利用されるものですが、本格的に株をやるわけではないのため、この記事では抽象化して説明していきます。知っている方は「Splinterlandsでの板」まで飛ばしちゃって大丈夫です。

板には、下の図のように売りたい人たちと買いたい人たちの注文が1つの表として載っています。

青い部分が売りたい人黄色い部分が買いたい人の注文です。真ん中の数字は価格で、両脇にはその価格での注文数が書いてあります。具体的な注文の読み方は、表の両脇のテキストの通りです。

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板の模式図。売りたい人たちと買いたい人たちの注文がまとめて見られる

株において、特にデイトレードやスキャルピングなどの短期売買で、板は古くから重要な情報とされています。買いと売りのどちらの勢いが強いのかどんなプレイヤーが売買に参加しているのか。板をもとにこれらを予測したり、ほかの情報の補足に使ったりすることができます。

 

板から読み取れること

板を見るときには、静的動的の2つの見方ができます。

静的に見る場合には、見えるままに注文数の多寡を見たり、売り手と買い手の均衡や、価格を読み取ることができます。

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1000円付近で均衡している板の例

よくある場合だと、右図の1000円と1001円のように、買い手と売り手が競り合うところに注文が固まります。

この時点では、1000円くらいが均衡した価格と言えそうです。最前線に置かれた注文から売買が成立して、既にある注文が削られていくことになります。

もし補強がなく同じ数ずつ注文が入れば、先に売り注文が消えて価格は上がっていくことになりそうですね。

 

動的に見る場合には、板が変化していく様子から、売り手と買い手の勢いの差を読み取ることができます。

買い側と売り側が陣取りゲームのように互いに攻め合っているイメージですね。相手側の一番安いor高い注文に反対の注文をぶつけることで消費させることができるので、どんどん売買して相手の注文を枯渇させ、そのまま自分陣営の注文で上書きします。この時買いや売りの注文数が上下にめきめき動いていくので、均衡している価格がどちらに動いていくかで、勢いの差を感じることができます。

このように板を見ることで、その銘柄では売り手と買い手のどちらが優勢なのか、その結果価格はどうなるのか参考にすることができます。

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買いの勢いで売りが押されている板の変化例

板の利用方法

1. 成行(なりゆき)注文

最前線に注文を置くと早く注文が成立すると書きましたが、もっと早い方法があります。値段を指定せずに相手の売買注文に直接ぶつける「成行注文」なら一瞬で買ったり売ったりできます

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成行注文の例

右図のように板に注文の空白地帯があるとき、売買の注文が減って速度が落ちている恐れがあります。998円以下の買いや、1003円以上の売りは時間がかかるかもしれません。暴落時に売れずに抱えた、急騰に間に合わず買えなかったというリスクもあります。

そうなる前に成行注文を出すと、1003円で買ったり998円で売ったり、瞬時に注文が処理されます。この例だと5円分損しますが、それ以上の変化を予測するならば成立しない方が損です。

例えば1000円まで上がると思って980円くらいで買っていた人は、思ったより価格が上がる速度が落ちたことに急落の予兆を感じて、このタイミングで成行売りするかもしれませんね。

判断は人それぞれですが、成行売買で時間を買うという選択肢もひとつあります。

2. 厚みの読み取り

板にある注文の数によって、買ったり売ったりの安全度をざっくり測ることができます。下図の赤字のようにある値段に注文が集中しているとき、その値段を超えて下げたりあげたりするにはその分多くの反対注文が要ります。そのため左図は998円以下には下がりにくいかも、右図は1003円を超えにくいかもという予想ができます。

このような板の厚みを拠り所に注文を置くことで、買った後の値動きを避けるような使い方があります。例えば左図であれば999円や1000円に注文を入れても、買った後に996円以下には中々下がらないだろう、という具合です。むしろ左図は買いたい人が多く、同じような考えの人たちによって、この厚みもどんどん上にスライドするかもしれません。厚みもまた動的に見ることのできる概念なのです。

※現在の株式市場においては、見せ板と呼ばれる罠(買い板が厚いと思って買ったら買い注文が急に引っ込んで暴落。売りも同様)があったり、それに嵌められた人の売り圧があったりなど考えることが増えるため、熟達者向けの技能かと思います。

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左:分厚い買い注文があるため、998円以下には下がりにくいかも
右:分厚い売り注文があるため、1003円を超えにくいかも    

3. 指値注文

成行とは逆に、指定した価格に注文を置いていくこともあります。時間はかかりますが、価格が固定のために利益や損失を計算しやすく、情報や推論を重ねて計画していくタイプに向いているかもしれません。上手くいけば取引あたりの利益は高そうです。下図は指値が有効かもしれない2つの例です。

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左:板が薄く価格差がある。999円で買って直ぐに1003円で売れるかも              
右:999円に薄い壁のような注文がある。これを突破すると高騰して1004円やその上で売れるかも

左図は買い手と売り手の間に空白ができているため、その間に注文を入れると最初に注文が成立する最前列に出ることができます。例えば999円で買って直ぐに1003円で売れるかもしれません。ただし、他の人に割り込まれたり、板が薄いことによる暴落リスクはあるので要注意です。

右図は999円に薄い壁のような注文があり、その上の板は薄くなっています。このような場合に買い手が20000の注文を食い尽くすと、その勢いのまま高く昇っていくことがあります。それを見越して、998円で成行売りせずに、壁より上の1004やその上に注文を置いておくことで利益を高められるかもしれません。もちろん999円を超えられずに力尽きれば、あっという間に落ちていくリスクがありますが。

指値注文を使うことで、時間とリスクの面で不利なかわりに高い利益が狙えます。トレードで儲けるというとこのイメージかもしれませんが、ハイリスクハイリターンな方法です。

 

Splinterlandsでの板

大変お待たせしました。長々と道具の話をしてきましたが、ここからSplinterlandsでどう活かせるのか?というお話です。

まずはSplinterlandsでの板はどんなものか、同様に利用できるのか見ていきます。

1. 板の見方

まずSplinterlandsには板がないです。それどころか買い注文も見えません。

ではどうするかとなりますが、サードパーティの提供するマーケットを利用します。PeakMonstersに登録することで、買い注文をユーザが出すことができ、既にある買い注文の数も見ることができます。これを通常の売り注文と合わせて見ることで、板のように市場の情報を読み取ることができます。

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試しに注文して放置すると、こんな感じでカードが勝手に買えて降ってきます。
親方!空から女の子が!

※なお、このPeakMonstersでの買い注文(Bid)のやり方は、Splinterlandsの公式ドキュメントに図付きの丁寧な解説が載っています。効率的にサードパーティと協業していると言えそうですが、それで良いのか…?

詳しい方法はドキュメントに譲りますが、このように、カードごとにタブを切り替えると、売り注文のリストと買い注文のリストが表示されます。形はこの記事の説明と違いますが、情報は大体同じです。

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この画像だと見えづらいですが、以下のようなことが読み取れます

* 売りでは最安$1.192の注文が4件

* 買いでは最高$1.042の注文が1件

* $1.041には10枚まで買ってやろうという人が居る

利益確定のために$1.042で即売ってしまうか、まだ下がらないと見て$1.191でマーケットに並べてみるか。板があることで選択肢が生まれています

公式マーケットだけで売買している人が居るとしたら、PeakMonstersの利用者と比べて片目を瞑っているようなハンデを背負っているように見えてしまいます。

2. Splinterlandsでの板の性質

①基本的に板は薄い

株の取り引きと比べると、圧倒的に注文件数が少なく板が薄いです。全体でも取引数が1日10万件程度ですので薄くても破られやすいというわけではないですが、そもそも買い注文と売り注文の価格差が開いているものも多くあり、暴落・高騰しやすいことは意識する必要があります。

なお基本的には以下のようにざっくりカードの種類によってどんどん注文数が減っていき、板の厚みなどを活かした安全策はとれなくなっていきます。

Reward > Chaos > Untamed > Dice > Beta > Alpha 

※ Diceは詳しくないです。Rewardは発行期間によって変わります

Common > Rare > Epic > Legendary

Regular > Gold

トレードを始めるにあたっては、単価が安いことも併せて取引数が多いカードで板を眺めてみるところから始めるとよいのかなと思います。高く取引数が少ないほど板の動きもダイナミックになって分かりやすいので、見ていて楽しいかもですが。

②名前が出ている

先ほどの画像を拡大したり実際に使っていたりでお気づきかもしれませんが、株とは異なり売っている人の名前が表示されています。

上の画像でも最安値のfさんは徹底的に値下げして最安に来るから、$1.191で下げないで$1.192に合わせておこうとか、今はやめておこうとか、名前という情報でさらに売買の選択肢が増えます

ちなみにbotのdさんやaさんが最安値に複数いるときは私はあまり買わないようにしていた時もあります。bidで安く買えても売るときに疲れるのであまり関わりたくないという理由です。資産が増えてきた最近はそこまで気にしていないですが、安い時にはそのbotが張り付いている人の方を買っています。botと違って感情があるのが人間かなと。

③非公式マーケットでステルス売買できる

PeakMonstersで手数料5%未満でカードを売ると、公式マーケットに表示されずにカードを並べることができます。この仕様を知ると有利に売買できることがあります。

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公式マーケットとPeakMonstersとで、販売されているカードが異なる例
公式では最安$3.32なのに、PeakMonstersには$3.26でも売っている

カード購入時に公式マーケットよりも安いカードを見つけられるというのは分かりやすいメリットですが、売る場合にも手数料を意識すると恩恵を受けられます。

例えば5%未満で最安値になっているカードを見つけた場合、それより高く5%で売ると、公式マーケットでは自分のカードが最安値になって売れやすくなります。また自分が4%でカードを販売すると、以下のメリット/デメリットがあります。

メリット

1. 手数料を1%安く抑えて売ることができる

2. 最安値で置いても公式マーケットに表示されないため、値下げ合戦を避けられることがある

3. 最安値で置いても公式マーケットに反映されないため、そのカードの価格が下がっていると他のトレーダーやbotに気づかれにくくなる

デメリット

1. PeakMonsters利用者しかカードを見つけられないため、売れる機会が減る

2. バグによってPeakMonstersの板にも表示されない可能性がある

(5/26現在、マーケットに置いてから時間が経つと表示されない不具合有り。問い合わせたところ調査中とのことだが、Splinterlands側APIの昔からの問題も絡んでいて、いつ解消/軽減されるかは不明。価格を更新するとまた出てくる)

既にあるBidにぶつけて直ぐに売る場合には、上のデメリットは影響しにくいですね。

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カード販売時に選択できる、手数料の設定場所

板で素早く売買する活用例

最後に具体例として、Splinterlandsで板を活かす使い方の例です。

買い注文の最高値と、売り注文の最安値は、時間とともに変化していきます。つまり、即買ったり即売ったりできる時間も変化していくということで、上手くいけばマーケットにカードを放置することなく売買を完了させることができます。

やや恣意的ですが、模式図を追って説明してみましょう。これは、あるカードの買い注文最高値と売り注文最安値の変化のイメージ図です。棒の一番上が即決で買える値段、一番下が即決で売れる値段で、時間が経つごとにそれが高くなったり安くなったりという板の変化を表しています。

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あるカードの買い注文最高値と売り注文最安値の変化イメージ

イメージとしては、薄い板だったのがCで急に買い注文が増え、大人買いのためかDで一気に上昇。Eで買い注文も釣られて上がるものの、急に売られてFまで落ち、そのままずるずる降下…というものです。いかにもありそうな感じですね。

もし公式マーケットで売り注文しか見えていなかった場合、この棒の一番上だけ見て取引することになります。例えばAで買ったとして、手数料もあるのでBやCでは売らないと思います。Dあたりで売り注文の最安値より少し下で売りそうですが、そうなった場合、残念ながら買い注文である棒の下端と交わることはないため、直接カードを買う人が偶然現れない限りはGまで落ちることになるでしょう。この時、EやFの最安値に更新してもずるずる下がってしまいます。買ってくれる人が出るか否か、運頼りにならざるを得ないです。万が一DのタイミングでEの下端より下げて売るよう変更していれば助かりますが、利益を削るアドリブにはとてもセンスが要求されそうです。

しかし、買い注文も見ている場合であれば違う動きもできます。DやEの段階で、買い注文に直接売って、Aの一番上とDやEの一番下の差額を得ることができます。この方法はマーケットにカードを置いておく必要はないため、チャンスを見つけた瞬間にカードを売ることができます。見逃しても、Fで損切りして傷を広げない選択肢もあります(※私にはできない気もしますが。)ひょっとすると、Cで需要が高まっていることに気づいて仕込むこともできるかもしれませんね。

 

おわりに

板という情報が増えると選択肢が増え、その時々に合わせて素早く動けることを紹介しました。

見るだけならばタダですので、気になるカードでどんな値動きが起きているかぜひ覗いてみてください。とても安いカードを1枚買ってみて毎日見てみるというのもおススメです。自分ごとになると情報の吸収率は全然変わってきます。

ただ一点注意することは、カードによって板の性質や動きは割とバラバラです。ここに書いてあることがそのまま使えるものもあれば、予想を外してくる暴れ馬みたいなカードもありますので、自分の目で見て考えていく必要があります。実践の中で自分のトレードスキルを上げていく、あるいは自分の中のフィルターを育てていくことが大事です。今後のテクニックでもそうですが、自分なりの解釈やチューニングをぜひ楽しんでください。

そして板から今後の価格の変動を何となく予想してみた時、そこで100%上がる/下がると言い切れないことに気づくかもしれません。不確定なリスクが存在する中で、買いに行くべきか否か、どうやって判断すれば良いのでしょうか?

次回、第4回は「売買の成功は準備で決まる」の予定です。お楽しみに。

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