最近はUSTCに端を発した仮想通貨全体の下落もあり、DECが変動していますね。
ゲーム内でも動きがあり、DECでパックを購入できるようになったり、プレイ報酬の取得にスターター以外のカードが必要になったり、あるいは来月から新リワードシステムが始まったりと、プラス情報のリリースで盛り返しているように見えます。
このようにDECが上下に波のように動いている場合、実は前回のリズム取りが良く効く相場になっています。それはDECの売買だけでなく、カードの売買もそうです。
もしカードが一方的に下がったり上がったりしているように見えても、実はDECの波はカードの価格にも波を伝えています。知っていると得する価格の見方、思考の転換を、コモディティ投資という考え方と絡めて紹介します。
私も気づく前には過去のDEC上昇相場の時に損してしまっていたのですが、役に立つ方は多いのではと題材にしました。
実際のカードの価格やグラフを引っ張りながら解説していきますので、是非読んでいただいて頭の片隅に留めていただければ幸いです。
コモディティ投資とは、株式や通貨といった金融資産に投資するものではなく、金や石油、小豆やオレンジジュースといった商品に投資するものです。
コモディティ投資の性質として、商品そのものに用途があるならば価格は変動しにくく、ものによっては一時的に市場価格が変動しても価値は保たれやすく下がりにくいというものがあります。
経済の用語では物の価値を示すものとして交換価値と使用価値というものがありますが、投資家の目に見える市場価格としての価値と、実際の利用者が感じられる価値は異なり、後者が市場価格の保証になり得るということです。
原資が必要なので手を出しにくいですが、アクセサリや時計・高級家具なども二次流通ができて、コモディティ投資と呼べるのかもしれません。生活の質を高めながらも投資ができるということで、金融資産への投資とは異なる魅力があります。
Splinterlandsでのコモディティ投資が何にあたるかといえば、一番はカードに投資するということになりそうですね。
何よりゲームが楽しく、カードパワーやトーナメントという仕組みも整っているから、使用価値が担保されているだろうという前提で長期投資するのが考えられます。ほかにも、最近のリワード施策で使用価値の向上を見込んで中期的に投資したり、ということもありそうです。
つまり、カードの使用価値に注目して、DECが暴騰したり暴落したりしても、引っ張られずにカード自体が割安か割高かを見ていく投資スタイルです。ざっくり私の取引を振り返ると、DECが上がった時にカードを買い、DECが下がった時にカードを売ることが多いです。それこそ題目のように$100で買って$90で売ることもしばしばありますが、それでもプラスになるからくりに向けて解説を続けます。
「カードの価値が担保されている」「下がりにくい」と言われても、直感に反していて、ぴんとこないこともあると思います。
値下がりや先行者利益の例として出てくるイメージのある、Zakuの価格変化を見てみましょう。集計タイミングが古くて申し訳ないのですが、こちらは5/20から600日強遡った期間の価格をプロットしたものです。半年近く下降し続けており、今買うかと言われると中々難しそうに見えますね。
次にこのグラフを、ドルではなくその時々のDECで表示するように変換したものが下図です。ずいぶん様相が変わっていますね。
上の下降し続けるグラフと異なり右肩上がりになっています。これならば一時的に下がった押し目で買ってみようかなというグラフですが、なぜ同じカードなのにこんなに違うグラフになるのでしょうか?
この時のDEC-$のレートと照らし合わせるとからくりが見えてきます。
DECの高騰時には相対的にカードのDEC換算の価格が下がり、DECの低下時には相対的にカードのDEC価格が上がっています。
「1枚のZakuを買うためにどれだけDECが必要になるのか」を示していると考えれば、DECと反対方向に動くのは納得できますね。
これだけであれば「当たり前の話じゃん」で終わってしまうのですが、この反対方向への動きは均等ではないところにポイントがあります。
こちらはChaosDragonの値動きです。こちらもやや古く5/21から90日遡ったデータで申し訳ないのですが、定期的に波を形成しながら右肩上がりになっているのが分かります。
もしこのカードを図のように2点で売買したとすると+25549DECになり、手数料を引いても2万DEC増えたことになります。コストに対して+27%の大きなトレードでした。$13+手数料損しているはずなのに、手持ちのDECは増えています。
買い: 5/7に$104 = 73687DEC (1DEC=$0.00142の時)
売り: 5/12に$91.4 = 99226.65DEC (1DEC=$0.000921の時)
ゲーム内で環境の変化など無い状態なのにDECだけ外部要因で変動すると、このような市場の歪みが発生することがよくあります。以前ツイートしたのですが、逆の行動をとると利益が消えたりむしろ損したりすることもあります。
ここまで読んだ中で、既にカードに投資された方は違和感があるかもしれません。
DECが増えても、DECの価値が下がっていたら結局損しているのでは?
ってことは売買で稼げてないんじゃないの?
これに対する答えは、考える時間軸によっても変わり難しいと思っています。特に数十万、数百万円単位で投入しようという方は、リスクを察知してステーブルコインに退避するなど、資金を守るための別のリスク管理方法もあると思われます
(※カードを保持していることでエアドロップやトーナメント出場、レンタルなどによって費用回収もできると思いますが、今回は単純化のため考えません。)
DECの低下、例えば50%減のときに取り得る選択肢の模式図がこちらです。もし外部に退避することができれば、損失なくDECを買戻しすることができますが、DECとして保持し続ければ価値は半分になってしまいます。DECでカードを買ってDECを少し増やすことができれば、DECのまま持っているよりは得することも可能です。
資金が多ければ退避する戦略が重要そうですが、「原資の少ない人が短期~中期トレードで稼ぐ」という狭い文脈に限れば、カード売買による+αが原資を上回ることは十分にあり得ると思っています。2つの観点から現実的か見ていきます。
現実世界での日本円を例にして価格の変動を考えてみます。
今現在少し戻しましたが、日本円の価値はドルに対して下がっています。1ドルが年初115円ほどだったのが、一時は130円まで上がりました。
これはドルを基準にして考えると、円の価値は10%ほど下がったことを示しています。
では我々の給料も10%減ったのか?というとそんなことはなく、物価としては前年同月比でも3%も変化しておらず、日常生活の上ではそこまでの影響は感じていないのではないでしょうか?(輸送費・材料費で間接的な影響はあります…)
私はSplinterlandsでのDEC-$も、円-$と同じように考えています。外的要因でDEC安になったとしても、カード自体の価値は変わらず、価格もDECの変動ほどは下がっていない。むしろDEC安になれば外部からカードに資金が流入されやすく、売買が成立しやすいしエコシステムも育つくらいの感覚です。
少額の元手でお金を稼ぎたいのであれば、投資や為替を意識せず、昇進したり副業したりによって日本円としての給与を増やす方が早いと言われます。それと同じように、カードの売買では$は意識せずにDECを増やすことを考えています。
下の図のCLの青サモナーのように価格が安定して上がっていっているカードは多く、ここ三カ月はDECだけの世界で生きていると値下がりを感じることが少ないほどでした。Chaos Dragonの例のように波を打っている方が珍しいかもしれませんが、自分に合うリズムのカードを見つけることができれば、DECを増やしていくのは十分現実的ではないでしょうか(今後も無制限に成長することは恐らくなく、それこそ大きな波になることはあり得ると思います)
少ない資金で経済活動を行う場合には、Defiなどで資金を増やしたり守ったりすることに比べ、動いて稼ぐことによる恩恵が相対的に大きいです。
例えば今はSPSステーキングの年利が50%近いです。銀行の利子など考えるとこれでも破格なのですが、$10をステーキングしても1年で$5しか増えません(リターンを再投資できるのでもう少し増えるかもです)
しかしカードの売買で2週間に10%増やせれば、つまり最初は2週間で$10を$11にするように頑張ると、1年間で$88.5増えます (10, 11, 12.1, .. と計算してみてください)
複利の力でDECを少しずつ増やしていくと、買えるカードやトレードの選択肢がどんどん増え、利率はどんどん良くなっていきます。感覚としては、特に10万DECあたりから増加量が制御できないくらい膨らんでいます。
最初に少額からスタートすれば、リスクを恐れず、楽しみながらトレードできます。そのまま技術を高めてDEC-ドルの変化に耐えられる利率になれば、あるいは一度1DEC=$0.001の底まで下りてしまえば、DECの低下は障害にならないかと思います。
以上、少額であれば守りよりトレードに回した方が良いかもと考える理由でした。
$100買い⇒$90売りで稼ぐというテーマで、DECの変動時に生じるカードの価値と価格との乖離から稼ぐ考え方を紹介いたしました。コモディティ投資と絡めた今回の思考の転換は、私の取引の回転数と利益率を上げてくれた一番の気づきです。
当たり前のような話でも自分にとっては値千金の気づきで、正直、記事にするか悩んだ内容です。(※お役に立ちましたら、今回ばかりはいいねが欲しいです……!)
ここまでの記事と今回の内容を合わせることで、現状の私の利益の源泉は一通り紹介しました。トレードをプラスにするための相場編はここで一区切りとして、スプトレ相場編は終了です。
トレードの中で新しい体系が自分の中に生まれてきたら、また記事として言語化していきたいと思っています。その際はまたよろしくお願いいたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。このシリーズを楽しんでいただけましたら、いいね❤頂ければ幸いです。