今は貨幣経済から非貨幣経済に移行する過渡期である。ネット上では、「いいね!」やフォロワー数など非金銭的な価値が見いだされている。
利益を生み出すことが目的とされる企業であっても、部分的には貨幣より期待値や共感などの非貨幣が力を持ち始めている。
LINEやメルカリは営業利益が赤字であるが、誰もがその価値を認めており、それが故に株価が上昇している。
これらスタートアップ企業に対する期待値は、将来の貨幣換算価値から来ているとしても、その換金タイミングは定かではない。それであっても皆がその価値を、少なくとも今現在、認めているということは実質的に非貨幣経済が成立しているということではないだろうか。
LINEではそれ自体が収益を生まなくても、株価が上がる取り組みなら実行されると聞く。
これは企業そのものが、新しい「通貨」の役割を果たし、株式というトークンを製造する機関になっていることの現れではないか。
現在は円に交換できるからその価値を担保しているとしても、今後その価値が”円”から独立して、まさにトークンそのものの価値が自立しはじめることもあり得るだろう。
すでに非貨幣経済の下地はできていて、それがブロックチェーンなどの技術を実装することで、LINE株のような大きな動きだけではなく、コミュニティ単位でトークンが作られ、新しい経済圏を生み出すのもそれほど非現実的な話ではない。