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医療 ✖️ ブロックチェーン 東洋経済ビジネスの記事から考える

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  • Hideaki imoto
  • 2018/09/30 05:27
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医療にブロックチェーンを活用する事が最近話題として上がる事があります。

私はどっぷり医薬・医療機器・医療システム・医療系人材の仕事をして来ました。新しい技術が医療に使われる事を本気で願っている一人でもあるのです。

ですが、ブロックチェーンの使い方に関して疑問に思う事があり、これは本当に患者の方を見て言っている事なのか、それとも言ってる人間のポジトークとして言っていないか、と良く感じてしまうのです。その分かり易い記事がありましたのでその記事と共に解説していきます。


引用記事↓





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(記事本文抜粋)

日本では現在、病院に訪れた患者の情報を電子管理するのが一般化している。ただ、その情報は医療機関によって管理され、自分の医療情報を手に入れる場合には、わざわざ診療情報提供料を数千円支払わなければならない。
仮に情報を手に入れられても課題は残る。
患者の医療情報は、医療機関がそれぞれ、独自のファイル形式で作成しているため互換性が欠如している。これでは、患者が情報を受け取って別の医療機関に提供したところで、共有・連携がうまくいかない。
医療機関の持つデータは、患者の同意を受けたあとは患者の意思に関係なくやりとりされ、ビッグデータとして売られている場合もある。そこで筆者は、患者が自分の情報を自由に扱える仕組みを探した。それを実現してくれる技術が、ブロックチェーンだった。

上記の課題はその通りであると思います。自分の医療情報に数千円払うのもあまり納得できない人は多いでしょう。しかしほとんど使う事がない自分の医療情報を管理したいと思う人はいないと思います。ですので現在の仕組みで一番厄介なのは医療機関同士で情報の共有が出来ていない部分です。

いわゆる医療機関同士の横の繋がりが皆無なのです。他院への紹介や他職種との連携には今だに電話かFAXです。また電子カルテも病院内だけでしか共有出来ません。その他役所への報告もエクセルを印刷して郵送だったり、FAXで行っている病院やクリニック、事業所があります。全て違うソフトやハードを使い仕事量が二重、三重に膨れ上がっており、これらを処理する事にコストや時間が割かれている現実があります。医師の本当にすべき診療や手術、患者とのコミュニケーションに時間が割けないのです。

ここで私が言いたいのはブロックチェーンに行く前に情報の共有を地域の病院やクリニックで出来る様にするだけで医療の効率と質が間違いなく上がると言える程課題になっているわけです。


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(本文記事抜粋)

医療情報が標準化され、個人による情報管理が可能なプラットフォームが構築されれば、自分の医療情報を自分で活用するという当然の権利が保障される。患者が健康だった当時のデータを主治医に渡したり、転院先の医師に転院前の情報を提供したりすることだって可能となる。
病歴を含む患者の個人情報を登録する際には当然、セキュリティの堅牢性が重要視されるだろう。この点、ブロックチェーンならクリアできる。

ここでのプラットフォームが構築されればという点ですが、アメリカでは電子カルテ普及率約70%、日本では約35%(JAHIS調べ)です。電子カルテの普及率もこの程度で、更に全て同じ電子カルテではなく、規格が富士通、NTTなどバラバラなのが一般的であるため、もしこれからデータを統一しようとしても企業間のデータ移行が出来ない為電子カルテ会社を変更する事は出来ません。ブロックチェーンを活用した電子カルテやその他医療情報を共有するためには新しい電子カルテなどを普及させないといけないでしょう。そのための時間とコストは莫大な物になるのは容易に想像が出来ます。

セキュリティに関しては確かに堅牢性は向上します。しかし自分の病歴を出し入れするだけであればブロックチェーンである必要性は必ずしもありません。電子証明書の入ったアプリやソフトで医療情報を管理すれば良い話です。

※電子証明書とは(引用元:GMOグローバルサイン
電子証明書は、インターネットや電子の世界で持ち主の情報を正しく証明する、現実世界におけるパスポートや印鑑証明書のような「身分証明書」です。
パスポートや印鑑証明書と同じように、認証局と呼ばれる組織が、持ち主の身元情報を認証し発行します。

そもそも患者が情報として持ち歩く必要のある情報と医療機関側に管理してもらって問題ない情報を分けるところからするべきだと感じます。
この視点は私がいつも自治体や医師へ伝えている視点です。情報の質をそもそも全て同じ様に扱っているが為に非効率が起きてるのです。

ここに関しては話がかなり深くなってしまう為、また別の記事で記載します。


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(本文記事抜粋)

冒頭で述べたように、医療健康情報をビッグデータ化して研究開発に用いる企業も登場し、そのための次世代医療基盤法も施行されている。このような情報提供に対して、直接利益を還元する仕組みを構築することは、これまでの技術では難しい。
ひるがえってブロックチェーンを用いれば、透明性を確保しつつ、患者のコントロール下での利益の享受も容易となり、情報を提供しようとするひとが増えることが期待される。反対に、信頼できない医師にはいつでも情報提供を止められる。
対改ざん性が高いため、新薬を治験する際のデータの改ざん防止や、にせ薬のサプライチェーン混入の防止、医療機器から出るデータの認証、遺伝子データをはじめ複雑な権利の絡む情報の管理などが普及している。

研究開発などで用いられる事は賛成です。この分野は改ざんをしようと思えば出来てしまいます。数年前もノバルティスや武田薬品が治験で改ざんをして問題になっていました。これらが起こらない様にする為の不可逆的なデータ、研究に対するインセンティブや流動性のあるデータなどブロックチェーンを使う条件が揃っている様に感じています。

また最近ではC型肝炎の治療薬のにせ薬が話題になりました。この様な事が起きない様に流通サプライチェーンにブロックチェーンが導入される事は有意義に感じています。



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(本文記事抜粋)

医療については、電子カルテの利用や処方せんの受け付け、保険請求などがネットで行われている。自分の情報に対するアクセス記録は、すべてポータルサイトから確認できる。これは医療情報以外も同じである。自動車運転免許更新時にカルテの認知症情報を参照する試みも始まっている。
エストニアが電子政府を成功させた背景には、ブロックチェーン技術による透明性が挙げられよう。エストニアは、プライベート型のブロックチェーン技術を応用して電子カルテを国全体で共有し、どこの病院に行っても自分の病歴を見られるようにした。

これを読むととても便利な様に見えます。確かに便利になりますし、日本も将来この様な環境になって欲しいとも思います。

しかしこの成功はエストニア政府が規格を統一させているからできる事であり
これを達成する為には前述した様にまず医療機関の横を繋ぐ事。

まずはできる事から私は行っていきます。


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記事を書いた人↓

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公開日:2018/09/30
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