それは昭和が終わった時
天皇崩御のニュースが流れ
『平成』の年号を小渕さんが発表した頃
僕は東京で働いていました
天皇崩御に対して追悼のご記帳が皇居で行われていることを知りました
僕は当時流行っていたレザーの黒のハーフコートと黒のチノパン、
中には白のシャツ、手にはポーチを持っという井出達で、東京駅から皇居に向かいました
駅からもう人の行列が皇居に向かって伸びています
凄い群集です
やはり年配の方が多かったかな
当時20代前半だった僕はちょっと浮き気味です
僕もその行列に加わり皇居に向かいます
途中、テントとテーブルがあり警察官が立っています
そこで持ち物検査が行われていました
僕もポーチを開け中を見せます
問題なく通過でき皇居の中へと進みます
そこからは人の列を導くように両側に3メートル間隔で警察官が警備しています
僕はその光景を見たらある気持ちが心の中から沸いてくるのを感じました
両側に警察官が3メートル間隔で見通せる向こうまでずーと道を作っている
不謹慎ですが、わくわく
もう一度書きますが、両側に警察官が3メートル間隔で見通せる向こうまでずーとですよ
わくわく わくわく
わくわく感がどんどん大きくなってきます
とうとうその気持ちを抑えることが出来ず
不謹慎ですが、にやにや
とその時、一人の警察官と目が合いました
「ちょっと、そこの君、こちらへ」
僕はきょとんとして、自分を指差す
警察官は頷き手招きをする
仕方なく列を外れ警察官の下に
周りの群集みんなが僕を注視する
「カバンの中見せてもらえるかな」
とやさしい口調で言われたので
「さっき、持ち物検査で見せましたよ」
と言ったら、
「いいから、早く見せなさい!」
と今度は強い口調で言われた
渋々ポーチの中を見せる
もちろんたいした物なんか入っていない
今度はハーフコートの上からパンパン
ズボンのポケットをパンパン
ボディータッチされた
「はい、OKです」
そう言われ行列に戻された
僕の回りではそんな事されたのは僕だけです
なんかモヤモヤ
後は皇居内の広場で追悼のご記帳をして拝礼した
なんかモヤモヤ
あれ?僕って疑われた⁉
にやついたのは
両側に警察官が3メートル間隔で見通せる向こうまでずーとですよ
だれだってわくわく、にやにやしますよね!ね‼