ビットコインをはじめとするブロックチェーンは通常、枝分かれができませんが、最新の暗号資産の中には枝分かれできるようになっているものがあります。
その技術をサイドチェーンといいます。そのことについて紹介します。
ビットコインは取引の承認時間が10分以上と長く、取引速度に限界があります。
また、スマートコントラクトを実装する機能を有していません。こうしたデメリットを解消するためにサイドチェーンが登場しました。
また、ブロックチェーンとして信頼性の高いビットコインのブロックチェーンには技術的蓄積がある一方で、新たな技術変更をするにも合意が得られにくくなっているという欠点もあります。しかしサイドチェーンであれば、ビットコインのコア技術を利用しつつ、新たな技術を素早く投入できるようになります。
サイドチェーンとは、パブリックブロックチェーンの「側鎖」となる概念です。サイドチェーンの導入により、今まで複数の仮想通貨が持っていた独自のブロックチェーンが相互に結ばれ、仮想通貨全体を一つのブロックチェーンとして転送することができるようになり、親チェーンからサイドチェーンへの資産移動が簡単・自由に行えるようになります。
①ハッキング被害の軽減
スマートコントラクトのコードをすべて親チェーンに記述してしまうと、ハッキングされた際の被害が大きくなります。そのため、ハードフォークなどをして親チェーンを分裂させ、被害の拡大を防止する必要があります。
しかし、スマートコントラクトのプログラムコードをサイドチェーンに記述しておけば、たとえハッキングされたとしてもサイドチェーンを切り離すだけで被害を最小限に抑えられます。
つまり、バグや不正アクセスにより、ブロックチェーンを元の状態に戻したいときも、サイドチェーンに書き換えることで修復ができるのです
②処理能力の向上
チェーンが1本しかない場合、必要なプログラムをすべてそのチェーン上に並べる必要があります。そのため動作が重くなり、処理能力が落ちます。
親チェーンはサイドチェーンとの情報の共有、さらに新たな技術の搭載などを行い、ブロックの承認時間を短縮することで、処理能力を上げています。
①マイニングの集中化
サイドチェーンによってブロック数が増えると、それだけ多くの計算処理システムが必要になります。その結果マイニングの際の計算処理は複雑化し、より高度なコンピュータを揃える必要があります。
つまりサイドチェーンによって今より高度な計算能力が求められると、一層の寡占化が進むかもしれません。
②マージマイ二ング
マージマイニングとは、ブロックチェーン本体と、そこから派生するサイドチェーンの各ブロックを同時に計算処理するシステムです。サイドチェーンは通常よりもマイニングに時間を要するので、より効率的なマージマイニングが推奨されるかもしれません
マージマイニングは高度なシステムと、コンピュータにも高負荷をかけるため、一般ユーザーによる参入障壁がさらに高まる恐れがあります。
以上の機能を備えた暗号資産としてEOSやLiskがあります。
(似たような考えとして、ビットコインのライトニングネットワークがあります)