寒いとどうしても暖かいところに行きたくなりますよね。私の場合は暖かい=東南アジアなので、シンガポールとかバリ島とかを想像しています。
おりしもここ数ヶ月東京・北品川に行く機会が多いのですが、北品川といっても旧東海道がある下町エリアと、お屋敷が立ち並ぶ御殿山エリアがあります。
その「海南鶏飯」の名店は御殿山エリアにあります。
北品川というと、鉄道ヲタク様御用達の撮影スポットもあります。京急線が大きくカーブするポイントや、新幹線、東海道線、山手線、京浜東北線などの線路が並ぶところが一望できる橋など、隠れた名所もたくさん。
それに2020年で閉館してしまう、現代アートのメッカ「原美術館」もあるのも忘れてはなりません。
旧ラフォーレホテル、現東京マリオットのすぐ近くの築年数かなりの古い3階建てビルの1階にその店はありました。
佇まいは昭和の商店。
白くペイントされた、引き戸式の木製ドアを開けると、L字型のカウンターが並んでいました。12時ちょっと前なので、お客さんも多いだろうなと思って入ったのですが、意外にもお客は私のみ!
カウンターの中には40代くらいの男性が一人。
客がいなくてどぎまぎしている私をフォローすることなく、店主は端から詰めて座るように言いました。
「何だい!?席はいっぱい空いてるじゃん」と思いながら端っこに座る私。
オーダーはいちばんスタンダードな蒸し鶏を注文しようと思いましたが、揚げ鶏もあるというのでそれを頼むことにしました。
私はシンガポールの名店で「海南鶏飯」発祥の地、シンガポール・マンダリンホテルの「チャターボックス」で一度「海南鶏飯」を食べたことがあります。
しかし、あまりに高級店すぎてそれほど味は覚えていません。どちらかというと好きなのは、その後に体験したアジアの屋台の味です。
この海南鶏飯の店は、そんなアジアの屋台を連想させてくれます。
まずは、お皿が赤のプラスチック。水を入れるコップも茶色いプラスチック。お米もインディカ米、とアジア好きにはたまらないシチュエーションなのでした。
カウンターの上にはこれまた現地っぽい入れ物に入った調味料がおいてありました。
右のプラスチックボトルは「海南鶏飯用のタレ」だそうですが、甘口の中国醤油のようでした。
そして生姜のすりおろしたものにチリソース、グリーンチリもありました。
ようやく厨房の中から差し出された鶏飯は、現地っぽい赤のプラスチックの皿に乗っていました。
それだけでも感激なのに、デフォルトでパクチー添え。トマトときゅうりのスライスも添えられていました。
一口食べて納得!パリパリの皮にじゅわっと口の中に広がる鶏の旨味。ご飯は日本米ではなく、タイ枚もしくはインディカ米です。ふわっと鼻に抜けるアジアの香りがたまりません。
私は夢中で1皿平らげていました。セルフサービスでよそるチキンスープもいい味です。これで850円は安いと思いました。
私は空になった食器をカウンターの上に上げ、お金を払って店を出ました。
お釣りと一緒に渡されたのはキャンペーンの割引券。
こんなに美味しい海南鶏飯がワンコインで食べられるなんて!
私は2月末までに再来店を決めたのでした!