くすぶりすぎな株シリーズ
今回は総医研の成長性と株価の予測をしていきたいと思います。
まずは総医研の成長性の説明から
1つ目は抗疲労トクホの認可の可能性についてです。総医研編②でお伝えしたように抗疲労トクホの市場規模は現在の総医研の全体売り上げ100億円に比べれば10倍の1000億以上は確実にあると考えられます。厚生労働省の認可さえ下りればあっという間に市場評価が変わることは間違いない!!つまり株価の上昇が見込まれます。
2つ目は抗疲労サプリメント開発に力を入れることが見込まれていることです。抗疲労サプリメントの販売は健康補助食品事業が行っているのですが前期の売上は前々期と比べ減少する形となりました。ただ主力製品であるイミダペプチドシリーズは発売からすでに10年以上たっており新たな主力製品の確立をする可能性が極めて高いです。その証拠として今期の研究開発費を事業セグメント別で2倍以上にしていること。そして毎年行っている1Qでの大型販売促進活動を4Qに分散させたことがあげられます。
この2つの関係から考えられるのは4Qで大型新商品を発売するということ。それまでに製品開発を行うという必要性が出てくるため2Qでの決算説明会資料で何かしらの進捗が発表されればほぼ確定といえるでしょう。次の決算発表が非常に楽しみです。また毎年の1Qの大型販促は来季からはまた復活するとみられ新商品の販促が半年間続けられるとみられます。
3つ目が今後の中国の化粧品市場の成長性についてです。2018年度の段階ですでに4兆2000億円と日本の化粧品市場の2.5倍の市場となっています。(ジェトロ調べ)しかし中国の人口は約14億人となっており日本の10倍です。ここから単純計算すると客単価はまだ日本の4分の1しかないといえます。もしもこの客単価が2分の1ほどの差になっただけで4兆円の市場が生まれると推定できます。今後の中国が経済成長すればするほどこの差は縮まるでしょう。そうなれば総医研の参入する余地が日本以上にあるということがお分かりになるかと思います。
4つ目は豊富な現金を所有していることです。総医研編③でもお伝えした通り半分以上の資産は現金で所有しており事業の拡大をするときに挑戦的な戦略をとる余力があるといえます。今後更なる投資先が見つかったときにスピード感のある展開を行うことができるでしょう。
次に今後の株価予想です。現在12月20日時点で株価は620円、予想PER17.42倍、実績PBR2.89倍、予想ROE16.6%、予想ROA18.2%となっています。
まず株価の推移について説明します。
実は一回1000円台に今年なったこともあるのですが現在はその半分近くになっています。なぜここまで下がったのか要因は2つあります。
1つ目の要因は越境ECトレンドの鎮静化にあります。同じ時期に人気となった企業はラクーンHDです。こちらはさほど下落することはなかったですが現在は下落トレンドとなっています。
2つ目の要因は1Qの業績が悪いように見えてしまったということです。チャートを見てもらうと分かるように急激に下がった陰線(緑色のろうそく足チャート)があると思います。11月12日の決算発表後から下落トレンドになってしまったのですがこの決算で何が起きていたのか?
それは進捗率(通期業績予想からの割合)が8.5%と本来1年を4分割しているはずなので25%近くはなければならないのですがこの数値はあまりに悪いように見えてしまいます。しかし悲観する必要は全くなくむしろ良い決算だったのです。正直いってまだまだ表面上の数字だけ読んでいる投資家がいるのだとびっくりしました。
なぜここまでこき下ろしているかというと1Qの数字が悪いのはこの総医研のいつものパターンなのです。販促費を毎年1Qに集中投下するので赤字スタートでその後9か月で黒字幅を増やす戦略なので数字が悪くなるのは当たり前むしろ良くなっているとみても良いでしょう。相場は相場が決めるといわれているがまさにこの下落はそのような状態といえます。このような状態をグリッチと呼ぶ人もおりその後市場が再注目すれば急激に上昇することが見込まれます。
またボリンジャーバンドと呼ばれる分析ツールから見るとすでに下げトレンドが終わることが見込まれます。2σ(水色のライン)は約95%の確率(標準偏差に基づいて算出されている)でこの幅の中で値動きすることを示しており現在ボリンジャーバンドは下落トレンドから調整(値動きが横ばいになること)に入ることが視覚的にわかると思います。
次にバリュエーション(割安かどうか)についてです。
現在の予想PERが17.42倍ですが正直言ってあり得ないほど低いです。なぜなら総医研は大学発ベンチャー企業の流れもあるため学術的な発見が起これば大規模な市場を獲得する可能性もあるためユーグレナなど赤字を出しながらも時価総額が総医研以上のものも多く存在します。そして化粧品業界のPERはもっと高いはずなのです。資生堂は今期赤字予想のため前期のもので比較すると約39倍。ファンケルは予想PERが約60倍。北の達人コーポレーションは予想PERは約48倍。つまり市場評価から最低でも2倍はつかないとおかしいのです。かなり割安となっていることがよくわかると思います。
次に収益性についてです。ROEが10%以上あれば優秀な企業といえる指標ですがなんと16.6%となっている。かなり高い数値だ。利益の出しやすい体質が出来上がっていることから倒産のリスクはなくかつ成長するための資金回収がしっかりできているといえます。
よって最低でもここから900円台、最高で1500円台まで急騰すると予想します。また今後は600円以下になることはバリュエーション的にはあまりにも安すぎて自社株買いをする可能性すら出てきます。よって今後は高い確率で値上がりする可能性があると結論付けます。