今までMediumで発信していたALIS公式ブログですが、これからはALISクローズドβ版でも発信していきます。Mediumの記事はこちらをご覧ください。
皆さま、こんにちは!4月23日にクローズドβ版をリリースして約1か月となりましたが、この期間はALISにとって非常に有意義な時間となりました。この理由は言うまでもなく、クローズドβ版をお使いいただいている皆さまのご協力により実プロダクトの稼働から貴重なデータを得られるようになったためです。この場を借りて、改めて感謝いたします!ありがとうございます。
本日より定期的に、「ALIS Update」と題して、コミュニティの皆さまへALIS価値創造の進捗を共有していきたいと考えています。第一回目となる本日は、クローズドβ版リリースから今までにALISが行っていた仮説検証のプロセスを一部お伝えさせていただきます。
クローズドβ版は仮説検証のための実用最小限プロダクトです。私たちが目指す理想の状態を仮にLevel 100と考えた場合に、今のプロダクトはLevel 2か3くらいの生まれたばかりの赤ん坊です。
※ALISの事業開発スタンスとクローズドβ版の検証内容を詳しく知りたい方は、先にこちらの記事をお読みいただくことをお勧めします。
私たちが現在真っ先に検証しているのは、継続率(ユーザーがサービスを継続的に利用したか否かの計測)です。この理由は非常にシンプルで、ALISならではの価値が磨きこまれ、継続して使い続けてくださる方がいなければ、新規ユーザの方に来ていただいても価値を提供できないためです。
さて、それでは本題に入ります。先に1か月間の検証結果を共有した上で、これからのNext Actionを説明していきます。
上のグラフは、ALISと他プロダクトの1週間平均継続率を比較したものです。今のところ、通常Webブラウザよりも粘着性が高いとされてるスマートフォンアプリの週間継続率と比較して、ALISは約4倍高い結果となりました。これだけでも非常に驚くべき結果ですが、さらに特筆すべき点は、登録から1週間後の継続率が極端に高いという点です。
上記はカテゴリ別スマートフォンアプリの1週間後平均継続率です。どんなカテゴリであってもユーザーの約80〜90%はダウンロード1週間後には離脱してしまうという状況の中、ALISは1週間後であっても半分の約40%しか離脱していないことが分かります。
*1 他サービスの指標は、Adjust公開記事を参考に2016年のAndoroidアプリ平均継続率データで代替。検証フェーズにおいてはデータの正確性よりも傾向とスピードが重要であり、通常Webブラウザよりもスマートフォンアプリの方が継続率が高まる傾向にあるといった理由から比較先データとして選定。
上述の通り継続率は高いことが分かりましたが、これだけでは検証は不十分です。表面的な数値だけではなく、誰がどんな使い方をしていたのかを明らかにすべきであり、初期の検証ポイントとして定めていた「ブログ3日坊主の方がALISで記事を書き続けてくれるか」という問いに対する兆しの有無をハッキリさせることが重要となります。
私たちはサービス設計段階においてペルソナを設定しています。
以降、ブログ3日坊主の方を「はじめちゃん」、継続ブロガーを「けんさん」という名前でご説明させていただきます。
全アカウント登録者数:2,285人
はじめちゃん:1,618人(71%)
けんさん:667人(29%)
※「はじめちゃん」と「けんさん」の属性分けは、クローズドβ版ユーザー事前登録時の事前アンケート結果から集計。事前アンケートの「あなたは今ブログをやっていますか?」という質問に対して、「1度もやったことはない」、「ブログを開設したことはあるが、記事を書いたことはない」、「ブログを開設して記事を書いたこともあるが、今はやっていない」という回答をした人にはじめちゃんラベルを付与し、「今やっている」と回答した人にけんさんラベルを付与。
図3は、1回以上記事を投稿した人の月投稿件数の分布です。縦軸にペルソナ、横軸に「けんさん」の月平均投稿数7.7件を置いています。
横軸を7.7件と置いたのは、より厳しい指標で可視化を行いたかったためです。つまり、ブログ3日坊主が解消した可能性が高いと言えるために、単純に毎日・毎週投稿し続けたという単純な指標よりも、既に継続ブロガーである「けんさん」の平均投稿数を上回っているという比較指標に価値があると考えました。
ここでのメッセージは、これまでブログ3日坊主で終わってしまっていた方の26%が、継続ブロガーの月平均投稿数を上回ったということです。単純に1か月の間に複数回書いただけではありません。
少々古いデータで恐縮ですが、総務省「ブログの実態に関する調査研究」から試算によると、日本にはブログメディアで「継続して記事を書き続けられる人」は約2%と言われています。つまり、98%の人はブログで継続的な情報発信をできていない状況です。
さて、ALISは何%でしょうか? 1か月間の結果をベースに少なく見積もっても25%です。単純計算で12.5倍のこの数値は、ALISの潜在的なマーケットの広がりを推定するものでもあり、既存メディアと比べた場合にALISは12.5倍の潜在ユーザーにアプローチできる可能性があるということでもあります。
大量の記事が増えた結果、「メディアとして必要最低限の読みたい記事が集まるか」といった観点も非常に重要です。このあたりは、今後、評価ロジックなどのチューニングを行いながら検証していきたいと思います。
なぜALISは他のメディアと違って高い継続率と記事投稿数を維持できたのでしょうか。私たちは、その理由を『従来のSNSではなかったフィードバックやつながりを得られやすい』からではないかと考察しています。
一般的に、今まで記事を作成したことの無かった方がブログサイトのアカウントを作成して記事を書いただけでは、すぐにフィードバック(コメントや情報発信に対する対価としての金銭収入)を得ることは難しいです。いくつかの記事を作成して、検索ワードやソーシャルメディアからの流入を獲得するようになって初めてフィードバックを得ることが可能です。
この点がALISと他メディアの異なる点だと考えています。ALISトークンを活用した評価システムがあるからこそ、ALISユーザーは記事を評価するモチベーションが生まれます。この仕組みゆえに、ALISで初めて記事を作成した方も初期の段階から何かしらのフィードバックが得られることになります。
まだ仮説検証段階なので、現時点で詳細は割愛させていただきますが、ALIS内のパーソナルネットワーク(ユーザー同士のつながり)を分析することで、上記現象の説明ができる可能性も出てきました。このあたりの詳細は次回以降、データが集まった段階でシェアさせていただきます。
クローズドβ版リリースから1か月の学習結果をまとめます。
・ 通常Webブラウザよりも粘着性が高いとされてる一般的なスマートフォンアプリの週間継続率と比較して、ALISは約4倍ほど高い結果
・ 一般的なスマートフォンアプリユーザーの約80〜90%はアカウント作成から1週間後には離脱してしまう状況の中、ALISは1週間後であっても半分の約40%しか離脱していない
・ これまでブログ3日坊主で終わってしまっていた方の25%が、継続ブロガーの月平均投稿数を上回った。その結果、既存ブログメディアと比べた場合にALISは12.5倍の潜在ユーザーにアプローチできる可能性
・ 上記現象が起きた主要因は「従来のSNSではなかったフィードバックやつながりを得られやすい」ことが影響している(仮説)
この結果を受けて、次に私たちが注力すべき点は、フィードバック機能の充実による「つながり構築スピード」であると定め、仮説検証を行っていく予定です。具体的な機能の追加は以下を考えています。
読み手:記事の検索
書き手:投げ銭、コメント、通知(フィードバック機能の強化)
※現時点の予定であり、今後予告なく変更となる可能性があります
もちろん他に、「信頼できる記事の判定ロジック精度向上」、「特定の仮想通貨に対する記事の偏り対応」など、評価の納得度を高める施策も行っていく予定です。
最後になりますが、初期のクローズドβ版に参加していただき、一緒にALISの価値を創造するプロセスに加わっていただいている皆さまありがとうございます。Discordでいただいた皆さまからのフィードバックやご期待に応えられるように、今後もプロダクトの磨きこみを行っていきます。引き続き、ALISのクローズドβ版を用いた価値共創プロセスをお楽しみください。
※補足
・ ALIS-officialアカウントが作成した記事にトークンは付与されません
・ ALIS-officialアカウントが作成した記事は人気記事に表示されません
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