五月晴れの新緑が美しい京都。
まぶしい緑を見に、お散歩しています。
今回訪問するのは、京都奥嵯峨・鳥居本にある「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」。
新緑がとてもきれいで、石仏群が独特の情緒を醸し出していました。
そして、なぜタイトルにミュージシャンの長渕剛?
愛宕念仏寺は大観光地の京都・嵐山嵯峨野の一番奥にあり、訪れる人も少ない穴場的なお寺です。
地図のようにこのお寺の奥は山(愛宕山)になっており、どん詰まり感があります。
愛宕念仏寺への交通はやや不便。
阪急電車嵐山駅や嵐電嵐山駅からバスで行きます。
阪急嵐山駅から清滝行きのこの京都バスに乗って20分弱ですが、日中は1時間に1本しかバスがないので注意です。
歩いても行けますが1時間くらいかかります。
レンタサイクルなら少し早いですが、ずっと上り坂なのでしんどいです。お金の余裕があるならタクシー利用が楽。
ということで、「愛宕寺前」のバス停で降りると、もうそこは愛宕念仏寺。
周りは山で、ポツンと一軒家状態のお寺です。
境内に入らせていただきましょう。
ちなみに、参拝者は誰もいません…。
新緑が美しいですねー。
愛宕念仏寺本堂。鎌倉時代建築の重要文化財です。
と、左に見える石像群はナニ?
境内のいたる所に石仏が安置されています。
その数1200体とのこと。
この石仏たちは「羅漢さん」と呼ばれています。
この羅漢さんこそ、愛宕念仏寺の名物なんです。
そして、一面の青もみじは元気そうで、初夏の緑に生命力を感じます。
いろんな表情の羅漢さんがいて、見ていて飽きないです。
これらたくさんの羅漢さんは誰が作ったのでしょう?
愛宕念仏寺ではかつて、一般の方に石像の羅漢さんを彫ってもらいました。
それがこのたくさんの羅漢さんなのです。
それは1981年から始まったとのことで新しいんですね。
当初は500体の羅漢さんが安置され、今は1200体あるそうです。
一般の方がそれぞれの思いを込めてひとつずつ羅漢さんを彫られたので、ひとつひとつ表情が違うのですね。
すごく上手く作られた羅漢さんもあれば、失礼ながら小学生の彫刻のような出来栄えのものもあって、見ていて楽しいのです。
山からの湧き水がどんどん落ちてきていて、初夏に涼を与えてくれていました。
羅漢さん、一同に介して記念撮影です。
しっとりとした愛宕念仏寺。
羅漢さんの隙間からゴソゴソと音がしているなと見たら、可愛いサワガニが。
二列に並んだ羅漢さんのむこうに見えるのが、「ふれ愛観音堂」。
中に入ります。
この「ふれ愛観音」さんは、その名の通り触れることができるんです。
ありがたみもひとしおです。
その観音様の横には、絵馬がいくつも吊されてありました。
と、ひとつ気になる絵馬が…。
これがその絵馬。
ありがとうございました。
西村先生・長渕剛と出会って数十年、こちらに通い(東京から)悩んだ時いつもここ京都にきて元気をもらい生きてきました。
やっと心静かにすごしています。
とても人生を感じる文章ですね。
と? なぜここに長渕剛が出てくるの??
西村先生というのは、ここ愛宕念仏寺の前住職の故・西村公朝師のこと。
西村師はそもそも仏師で、ミュージシャンの長渕剛さんは西村師の作る仏像に惚れて交流を深め、愛宕念仏寺にもよく訪ねたとのことです。
長渕さんはこの愛宕念仏寺で癒やされて、創作への英気を養い曲のアイデアを出しておられたんでしょう。
西村師は荒れ果てていた愛宕念仏寺の住職となってからお寺を復興するために、一般の方に石像の羅漢さんを彫ってもらいました。
それがこのたくさんの羅漢さんなのです。
このミュージックビデオを見てください。
長渕さんが歌うこのビデオはここ愛宕念仏寺で撮られており、仲の良さそうな西村公朝師と長渕さんが見られます。
豊かな表情の苔むした羅漢さん。
1200体の羅漢さん中には自分とそっくりの羅漢さんが必ずいるそうです。
探してみてください、とガイドブックには書かれていますが、1200も見てられるかい!w
すっかり新緑に染まったので、そろそろおいとましましょう。
愛宕念仏寺の外に出ます。
愛宕念仏寺の前には清滝道が通っており、その先は山。
山にはトンネルが掘ってあります。これがかの有名な京都の心霊スポット「清滝トンネル」なんです。
トンネルにちょっと近づきます。
この清滝トンネルの向こうは霊界、いや清滝という小さな集落があります。
その清滝からは愛宕山への登山道が伸びており、愛宕山の山頂には愛宕神社が建っています。
この愛宕神社は火伏せ・防火の神様で有名で、全国の愛宕神社の総本宮。
今もたくさんの人が参拝登山をされています。
えっ、心霊スポットの清滝トンネルには行かないのかって?
はい、トンネルに入ったレポートはこちらです。
今回は清滝トンネルには入らずに、逆方向へ帰りますよ。
帰り道はバスではなく徒歩。愛宕街道を下りましょう。
ここは茅葺屋根のお家も見られる懐かしい光景。
日差しは強く、空は青く入道雲になりそうな積乱雲もあって、知らない間に夏の風景になりつつありました。
季節の移り変わりは早いですね。
では最後に、先に絵馬を紹介した花の都大東京で頑張っておられる方に敬意を表して、この曲を。
お前ら心して聴けよ、長渕キーック!!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7
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