京都もすっかり春の模様。
梅の季節が真っ盛りです。
梅といえば、あまりにも有名で毎年思い出すのが、菅原道真のこの歌。
「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」
これは菅原道真公が京都から九州の太宰府に左遷される時に、大切にしていた梅の木に別れを告げるべく詠んだ歌です。
そして、この歌を聞いた梅の木があるじを思い、一晩にして京都から太宰府へ飛んでゆきました。
それが、かの有名な「飛梅伝説」。
ということで、京都の梅の名所と言えばまずここが出てくる、菅原道真公を祀った北野天満宮へ梅を愛でに行きましょう!
京都御所の北西に北野天満宮は位置しています。
もはや書くまでもありませんが、北野天満宮は全国に12,000もあるという天神さんの総本社です。
菅原道真公が祀られており、飛梅伝説の梅もあります。
天神さんと言えば牛ですね!
牛の上には梅が咲いていて暖かい気候もあいまって、牛さんは満足げな表情です。
手水舎の梅花水の表記も今の季節にぴったりで、風情があります。
北野天満宮と言えばまずこの写真、というほど有名な「三光門」。重要文化財です。
あれっ、この季節にしてはなんだか参拝者が少ないような?
この門をくぐると社殿(本殿)です。
くぐって中に入りましょう!
北野天満宮社殿。もちろん国宝。
社殿の前、向かって左に梅、右には松が植えられています。いずれも菅原道真公が愛した木です。
この左の梅の木が「飛梅」という、とても有名な梅なのです。
それにしても、よく見てください。
この参拝者の少なさたるや!
だって、北野天満宮の一番のピーク時である飛梅が満開の時期ですよ。しかもこの日は穏やかな天気の日曜日です。
例年なら満員電車のような人出のはずですが、今年はかなり少ない。特に外国語はあまり聞こえなかったです。
新型コロナウイルスの影響は大きいですね。
では、飛梅に近づいてみましょう。
北野天満宮・飛梅。
見事な梅の木、満開ですね。
でも、飛梅って九州・太宰府に飛んでいったんじゃないの、なんでここにあるの? との疑問が。
まあ、あんまり細かいことは気にするなっしー!
いや、飛梅の前の石碑にこんな説明がありました。
飛梅 御神木の紅梅
幹周りや力強く根を張った形状、接ぎ木の形跡などから樹齢四〇〇年以上と見られる
御祭神菅原道真公の御心に寄り添い飛翔した各地の「飛梅伝説」の原種であることが明らかになっている(北野天満宮 飛梅前の石碑の説明より)
そりゃそうだ、現実には飛んでいかないよね。
株分けされているということですね。
おお、飛梅満開!
愛らしいピンク色がとても素敵。
これ見てください、このはちきれんばかりの絵馬たち。
ほとんどが合格祈願です。
さすが受験の神様の総本社だけあって、ここに絵馬を吊るしたら合格しそうな気になりますね。その気持ちが大切。
北野天満宮には飛梅とは別に、梅苑があります。
1,500本もの梅が植えられているとのこと。
おお、紅梅や白梅が一面に咲いていますね。
百花繚乱の感じ。
しだれ梅が満開!
春の日差しを受けて元気に咲いています。
紅梅の深い色も素敵です。
梅苑はこんな感じで、一面に梅の木が植えられています。
この梅は観賞用だけではなく、梅の実は梅ぼしにされます。
これを「大福梅」と言い、京都では元旦の朝にお茶に入れて飲むのです。
平安時代から続くという、京都の風物詩です。
蜂が忙しそうに梅の花を回って、蜜を吸っていました。
春らしくていいですねー。
梅苑では梅茶と紅白の茶菓子の接待もあります。
お代は梅苑の入場料に含まれています。
梅茶は塩味なので、梅苑を散策したあとの水分と塩分の補給になって良いです。
さて、梅茶を飲んでほっこりしたので帰りましょう。
おっと、お約束の御朱印をいただかなくちゃ!
この時期の特別御朱印なのです。
やっぱり菅原道真公のこの歌なんですね。
最近、新型コロナウイルスによる混乱などいろいろあり暗い世相ですが、それでも「北野は春、いずれにしても春」なのです。
ということで、この春は気分を前向きにして暮らしてゆきたいものです。
Camera: LUMIX G8 with LUMIX 12-60mm F3.5-5.6