京都で話題になっている、2019年10月1日にオープンしたばかりの新しい美術館を、さっそく訪ねてきました!
それは、京都の大観光地、嵐山に建った「福田美術館」。
俵屋宗達、尾形光琳、円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲など、日本画を中心に有名な画家たちの作品が展示されているとのこと。
そして興味深いことに、この福田美術館では作品を含めて館内の撮影はOKらしい!
とても面白そうなのでオープンを心待ちにしており、このたび仕事の休日に福田美術館を訪ねました。
福田美術館は、嵐山・渡月橋のすぐ近くにあります。
嵐山の中心部で、駅(阪急嵐山駅や嵐電嵐山駅、JR嵯峨野駅)から徒歩で行くことができ、かつ大堰川(桂川)のほとりで景色は抜群という、素晴らしい場所に建っています。
ここが福田美術館。
景色になじむような2階建ての現代和風な建物です。
さて、福田美術館の「福田」って、どなたなのでしょう?
この文春オンラインの記事によると、福田美術館のオーナーは消費者金融のアイフルの社長である福田吉孝氏とのことです。
福田氏が収集された作品たちが、この美術館に展示されています。
館内に入り、入口で観覧券を購入。大人1,300円でした。
受付で、写真撮影について係員の方に確認します。
3点の作品を除いては、やはり作品や館内の撮影はOKとのこと。
とっても太っ腹ですね!
でも、このことが後でトラブルを巻き起こすことになります。
開館記念、副美(福田美術館)コレクション展が開催されていました。
さて、どんな作品があるのでしょう?
展示室や作品の撮影は可能なので、撮っています。
作品は主に日本画。
多くの人が知っている、有名どころの作品がいっぱいです。
そのほんの一部の写真を以下に載せます。
おなじみ、竹久夢二です。
こちらは与謝野蕪村 茶莚酒宴図屏風。
与謝野蕪村は俳句だけではなく、画家としても素晴らしい作品を生み出しています。
円山応挙 陶淵明図屏風
展示ケースのガラスは透明度が高く、しっかりと作品を見ることができます。
写真を撮っても反射がとても少ないのが分かると思います。
ガラス越しに見える水を張ったお庭、そしてその奥には大堰川、嵐山。
借景を使ったこの光景は、美術品とあいまって素敵です。
展示室は蔵を意識して作られたとのこと。
伊藤若冲 群鶏図押絵貼屏風
有名な若冲の鶏ですね。
葛飾北斎 水中双鴨図
マリー・ローランサン 二人の若い娘
少ないですが、西洋画もありました。
館内に見どころの作品はまだまだあるのですが、とても載せきれないです。
さて、主な作品をざっと見たので、もう一回各展示室を回って見逃した作品でもゆっくり見ようと廊下を歩きだしたときに、背後から誰かが早足で近づいてきました。
「お客さま…」
振り向くと、そこには先ほど入り口にいた美術館の係員の方が…。
「お客様(僕)が撮影禁止の作品と撮ったと、いま他のお客様から伺ったので来ました」と。
福田美術館は作品を含めて館内は撮影可能なのですが、例外として3点だけ撮影禁止の作品があります。
僕はびっくりしましたが、「展示室の全景を一枚撮ったら撮影禁止の作品が写り込んでいたので、すぐに削除しました」と、隠さず話しました。
でも、係員さんは引き下がらず、疑うような顔をされていたので、やむを得ず撮った一連の写真をカメラの画面で見せて、撮影禁止の写真がないことを確認してもらいました。
僕は正直、係員の方に盗撮の疑いをかけられたという気持ちになり、とても心外でした。
特に、係員自身が僕の撮影現場を見たわけではなく他の客の通報が1回あっただけで、客のカメラに保存されている写真まで確認するのは行き過ぎと感じました。
写真確認の後、係員いわく、著作権の問題があるのでどんなに小さく写り込むような写真であっても撮影禁止の作品の撮影は禁止ですとのこと。
でも、福田美術館では撮影禁止の作品は撮影可能な作品の横に並んでいます。
横にある絵の説明パネルに小さく撮影禁止のマークが貼られてあるくらいで気づかない人もいますし、僕が訪ねたときには作品の周囲に係員もいませんでした。
なので実際は撮影禁止を知ってか知らずか、撮影禁止の作品のど真ん前で何人もの客がスマホ等でバシャバシャ撮影していました。それでも、周りに係員がおらず注意される光景は見かけませんでした。
これだけ撮影に対してゆるい管理をしているにもかかわらず、僕のように展示室の全景写真に小さく撮影禁止作品が写り込んだ写真が一枚、しかも削除済みのものについて、他の客からの通報だけで撮影者を追いかけて事情聴取と写真確認までを行う対応ってひどいのではないかと感じました。
正直、今まで美術館や博物館でここまで心外な対応をされたことはありません。
僕は楽しい気分が台無しになり、残りの作品を見る気も失せました。
せっかく美術館のオープンを楽しみにしてこのために嵐山まで来たのに、盗撮と疑われたように感じたので、この対応はひどいとクレームをさせていただきました。
係員の方はすみませんとは言われていましたが、僕がクレームを入れたので一応すみませんと言われているだけにしか思えませんでした。
僕は残りの作品をゆっくり見る気にもならず、美術館を退出しました。
以上、読まれる方におかれましては、後味の悪い訪問記になってすみません。
上に美術館の対応について書きましたが、福田美術館の作品自体は素晴らしく、透明度の高いガラスもおかげもあってじっくりとみることができます。
また、美術館の建物はデザインに優れて美しく、周りの嵐山の景色も抜群です。
写真撮影に関しても、作品3点以外は撮影可能という現代的、意欲的な考えをされていると思います。
ただこれはなかなか他では見られない試みなので問題点もあるのでしょうし、オープン当初で不慣れなこともあって上記のトラブルが起こったように思います。
福田美術館は素敵な美術館かと感じますし、個人的には上記のようなトラブルが回避できる対応がなされれば、また訪ねたいと感じています。
有名画家の作品がたくさんあり楽しめますので、みなさまも嵐山を訪ねる機会があれば福田美術館も訪ねてみて下さい。
ただし、写真撮影には細心の注意を払ったほうが良さそうです。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
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