京都は見ごたえのある有名寺社の宝庫。もちろん御朱印の宝庫でもある。
そんな京都で、御朱印散歩をしてみよう!
とはいえ、世間では御朱印巡りとか御朱印集めとか言われているけれど、御朱印を集めるのが主な目的になっては本末転倒。
やはり寺社を拝観させていただいて、その証に御朱印をいただくという基本を覚えておきたいもの。
訪ねたのは、京都嵯峨野にある祇王寺。
京都嵐山嵯峨野という世界的観光地にある有名なお寺ながら、嵯峨野の奥の方で大型バスが乗り付けられないなどやや交通が不便なので、それほど参拝者でごった返してはいない場所。
苔庭が美しいお寺であり、自分が最も好きなお寺の一つ。なので、春夏秋冬、季節ごとに訪ねているくらい。
では、拝観させていただきましょう。
苔庭の緑が鮮やかで、木漏れ日が優しい。
まだまだ暑い夏の日だけれど、目から涼しくなるようだ。
奥に見えている草庵に入ってみよう。
草庵の中からは、こんな丸い窓を通して外の緑が見えて、とても風情がある。
これは「吉野窓」と呼ばれる。
丸い窓といえば、以前に書いた記事の源光庵が有名だけど、ここ祇王寺の吉野窓も、とても有名。
草庵にはご本尊の大日如来像、祇王、平清盛公ら五人の木造が安置されている。これについては、後に少し説明するよ。
さて、頂いた御朱印を見てみよう。
これが祇王寺の御朱印。御本尊の大日如来を書かれている。他にも時期によっては季節をかたどった限定版の御朱印もある。
祇王寺の御朱印は書き置きだけだった。ちょっと残念かな。
「書き置き」とは名の通り、一枚の紙にあらかじめ書かれた御朱印を渡すもの。
対しては「直書き」と言って、その場で自分の御朱印帳などに直接書いていただくもの。
書き置きと直書き、一概にどちらがいいとは言えないけれど、やはり直書きを好む方が多いよね。
御朱印には300円を納めた。
御朱印って買うものではなくて、書いていただいたお礼の気持として納めるもの。なのでいくら納めるかはその人の自由なんだけど、だいたい相場が決まっていて、300円。確かに、高すぎず安すぎずという感じではあるね。
筧(かけひ)から滴り落ちる水に涼しさを感じる。
祇王寺には何種類かの苔がある。このふさふさした苔はヒノキゴケ。
お庭の手入れをしていた方に話を伺うと、適度に暗い場所でないと育たたない比較的弱い苔とのこと。
昨年10月の台風で祇王寺とその周囲の大きな木が倒れてしまい、この苔庭にたくさん陽が当たるようになって直射日光の苦手な苔がやられて、特にこの元気なヒノキゴケは一部にしか見られなくなってしまったとのこと。
自然が相手なのでしょうがないと、手入れをしていた方が説明してくださった。ちょっと残念。
神社ではないのに、絵馬がある。
しかも「悪縁を絶ち切りたい方」用の縁ほどきの絵馬。たしか以前はなかったので、最近なかなか攻めているw。
これは深いいわれがある。
ここ祇王寺は平家物語に出てくる由緒あるお寺。
平家物語によると、平清盛に捨てられた祇王と仏御前という女性が、清盛との関係を絶ち切ってここ祇王寺にたどり着き、暮らしていた。
この内容から、男女関係などで縁を切りたい方の思いを書くようにしているようだ。
実際、そんな思いが絵馬に書かれていて、ちょっとおどろおどろしいような。
でも、この絵馬の横にはちゃんと縁を結びたい方のための絵馬もあるのでご安心を。って、なかなか商売が上手いね。
まだまだ青もみじが美しい季節。
御朱印を通じて、こんな素敵なお庭を拝観することができた。
御朱印の楽しみ方はいろいろある。
御朱印をアートとして楽しむ方、書かれている言葉の意味から仏教や神道への理解を深める方、そして御朱印を通して拝観や旅行を楽しむ方など。
寺社や他の参拝者に迷惑にならなければ、いろんな楽しみ方があっていいと思う。
マニアックなようで結構幅が広く、万人に興味を持ってもらえる要素もある御朱印。
おそらく海外の方でさえ、お庭のきれいな光景や御朱印のアート性には興味を持ってくださると思う。
なので、ALISのトピックとしてもそんな変わり種ではないのかな、と思うようになってきた。
ぜひ気軽に近くの寺社に拝観してきれいな光景を見て、宗教の精神にちょっと触れて、拝観のしるしに御朱印をもらってきてはいかがでしょうか。
Camera: PENTAX K-3II
with SIGMA 17-70mmF2.8-4 & PENTAX 50-200mm F4-5.6
よろしければ他の御朱印記事もご覧くださいね。
CosmosのALIS御朱印記事
Twitter: @cosmoscx