雨がしたたる京都・建仁寺の苔庭が美しい

京都祇園・花見小路を下がったところにある建仁寺（けんにんじ）。
とても有名で、京都最古と言われる禅寺です。

建仁寺は四条の繁華街から徒歩圏内で、お庭も美しく和むのでよく出かけています。

今回は雨の日にお散歩してきました。
雨に濡れたお庭もまた素敵なのです。

建仁寺

建仁寺は、繁華街の四条河原町から歩いて10分から15分くらい。
祇園花見小路を下がると突き当りが建仁寺。

街中にありながらも静かで落ち着いた場所です。

本坊入口。
ここから伽藍内（建物）に入ります。

曇っていて雨が降って、少し暗い雰囲気です。
参拝者は雨と新型コロナウイルスの影響でかなり少なめ。

入口を入るとこんな光景。

ついたてに書かれている文字は「大いなるかな　心（しん）や」という、建仁寺開山栄西禅師が書かれた興禅護国論の序からとったとのことです。

ここで拝観料を収めて、お堂に上がります。

◯△□乃庭。
禅寺らしい白砂のお庭ですね。

○は木の周りの丸。
△は手前の線。わかりにくいですが斜めの線が見えると思います。ここから白砂が盛り上がっており、お庭の角と合わせて三角を形成しています。
□は奥の井戸。

これは禅宗の四大思想（地水火風）をお庭の中に表現しているとのことです。
うーん（汗。

建仁寺　潮音庭

こちらはとても有名な「潮音庭（ちょうおんてい）」。
書院などの建物に囲まれた中庭です。

一面が苔むしており、苔が雨を吸収して生き生きとした濃い緑色を醸し出しています。
とても深い色合いが素敵。

奥に見える金色は大書院の「風神雷神図屏風」です。

しとしとと雨が降って、青もみじが濡れて光っています。
深い緑と雨の音、穏やかな気温があいまって気持ちが落ち着きます。

これが大書院に展示されている、俵屋宗達が描いた風神雷神図の屏風。
世界的に有名ですよね。もちろん国宝。

これは複製で、実物の所有は建仁寺ですが京都国立博物館に寄託されています。

雨が強くなってきました。
潮音庭の手水鉢にも雨粒が降り注ぎ、水面が揺れています。
こういう光景も素敵です。

手前の水たまりを見ていただくとわかるように、さらに雨が激しく降ってきました。
梅雨の末期の感じです。今年(2020年）は梅雨が長いですね。

建仁寺　法堂

潮音庭から少し動いて、方丈から納骨堂を。
このお庭もしっとりしています。

建仁寺伽藍（建物）内は広いのですが、拝観はほとんど室内や渡り廊下の移動なので雨に濡れることがなく、雨の日でも楽しむことができます。
雨の日は訪れる人も少なくなるのでオススメです。

こちらは大きな枯山水のお庭、方丈庭園の大雄苑です。
奥に見えるのは法堂。

この法堂の中にも入ることができます。
しかも渡り廊下で行けるので雨に濡れません。便利！

法堂の天井には、建仁寺のシンボルとも言える「双龍図」。
実際に見上げると壮観です。

この双龍図が描かれたのは実は最近で、平成14年（2002）に日本画家の小泉淳作氏が描かれています。
そう言われてみれば、現代的な画のタッチとも感じられます。

帰り道

さて、雨の建仁寺でゆっくりしていたら湿気で身体がふやけてきそうなので？そろそろ帰りましょう。

帰り道、祇園花見小路にて。
石畳が雨で濡れていていい感じですね。

写真のお店は、カメラのLEICA（ライカ）京都店です。町家を再生した粋な建物に高級カメラのお店が入っていて面白いです。

ちなみに、この写真を撮っているレンズもLEICAなんですよ！
でもお高いレンズではなくて、パナソニックがLEICAブランドで作っているレンズ（LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH）、しかも中古です。

このレンズは色乗りが良くて解像度も高く、広角レンズなのにいい感じでボケてくれるので、最近いちばん出番が多いレンズです。
この記事の写真も多くをこのレンズで撮ってます。

さて、四条河原町まで戻ってきたので、デパートの高島屋京都店でおやつを買って帰りました。

これは桂離宮近くにある老舗の和菓子屋さん中村軒の麦代餅（むぎてもち）。
このお菓子は京都高島屋にも卸しています。
粒あんが柔らかいお餅で包まれていて、甘すぎずおいしいのです。京都では有名な和菓子です。

では、きな粉をかけていただきますー。

最後に

雨でうっとうしい時期ではありましが、京都には雨だからこそ素敵な光景もまたありました。

京都旅行で雨に降られてしまったときには、この建仁寺・潮音庭のように苔むした庭園を訪ねてみてください。
苔の一番美しい姿を見ることができるかと思います。

うっとうしい雨の日もまた良し。
そう思えたように、見方を変えると今まで見えなかった素敵なものが見えてくるのではないかな、と思えた今回の散歩でした。

このような違った方向からも見るという考え方は、禅の教えなのかもしれません。
だとすれば、禅寺である建仁寺にて知らずしらずに禅について教えてもらったのかもしれませんね。

Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7

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