京都洛北に、静かながら紅葉が素晴らしい庭園を持つお寺があります。
そのお寺は「蓮華寺(れんげじ)」。
この蓮華寺の紅葉は12月に入ってもまだ美しいとのことで、12月最初にお出かけしてみました。
噂通り、鮮やかでした。
蓮華寺は京都盆地の東北の端、上高野という場所にあります。
市街からさらに進むと、八瀬や大原に続いてゆきます。
蓮華寺へは、京阪電車の終点出町柳駅から叡山電車に乗って三宅八幡駅で下車し、徒歩10分。
京都駅からだと京都市営地下鉄烏丸線で終点の国際会館駅まで乗って、そこからバスが近いです。
国際会館駅前から大原行きの京都バスに乗り、上橋(かんばし)バス停で降りると蓮華寺が目の前です。ただし、バスは30分に一本程度とやや不便。
今回、僕はバスで行きました。
バス停を降りると、住宅の間に蓮華寺の門が見えます。
奥は小山が見えており、目立たない静かなお寺の風情が早くもしてきます。
ひなびた感じが素敵な蓮華寺山門。
大きな看板に何やら書かれています。これは蓮華寺が属する京都仏教会と京都市が協力する旨の記載。
というのは、かつて政治的なもめごと(拝観料への課税問題など)があったからなのですが、まあ気ににしないで進みましょう。
山門をくぐると、そこは寂びの世界。紅葉が見られます。
左手に写っている参道を真っ直ぐに進んで、奥にある庫裏に入ります。
庫裏に続く書院の中から庭園を拝見させていただきます。
書院から見た蓮華寺庭園。この庭園は池泉観賞式です。
紅葉もあり、まだ緑も残り、建物の影がさし、下には池が。
こうやって見ると、鮮やかな額縁庭園になっています。
このポジションから眺めるのが最高なのです。
作庭は石川丈山とも言われてますが、Wikipediaによるとそれは否定的で、作庭者不明です。
もう少し前に出てみましょう。
池の上のふさふさとした紅葉が素敵!。
今年は気温が高いせいでやや色づきが悪いようですが、それでも鮮やか。
これ、訪ねた日はもう12月に入っていたんですよ。
すっかり冬の時期ですが、ここではまだまだ紅葉のピークでした。
蹲の水鏡に映る紅葉が艶やかで、良い雰囲気ですね。
池の向こうに見えるのが本堂。ご本尊は釈迦如来像です。
蓮華寺はもともと今の京都駅付近にあった古寺で、応仁の乱によって荒廃していたのを1662年に加賀前田家の老臣今枝民部近義がこの地に移して再建したものとのことです。
再興の際には石川丈山、狩野探幽、木下順庵、黄檗の隠元禅師小庵禅師等の当時の著名文化人が協力しているとのこと(蓮華寺説明書きより)。
その際に比叡山延暦寺の僧が招かれたことから、ここ蓮華寺は天台宗のお寺となっています。
紅葉が水面に反射する透明度の高い池に、鯉が優雅に泳いでしました。
ほどよく影がさして、雰囲気がとても良いです。
柔らかな木漏れ日が書院の縁側に差し込んだ、晩秋の光景がとても素敵です。
この写真のように、誰も写り込まずに写真を撮れるくらいの参拝者の少なさです。
蓮華寺は穴場的なお寺であること、12月に入り紅葉はすでに終わっていると思っている人が多いこと、そして今年は新型コロナの影響で、参拝者が少ないのでしょう。
なので最高の景色を見て、ゆっくりと寛ぐことができました。
本堂へ向かう参道の両脇には一面の敷き紅葉!
長く伸びた木の影も、秋の終わりを物語っているようでした。
本堂へはこの参道で行けますので、書院から降りて進みお参りをします。
残念ながらここから先は撮影禁止です。
ここから見たお堂の反対側である正面には蓮華寺形灯籠という独特の形の有名な灯籠があり、お庭も散り紅葉で素敵でした。
庭園には冬の名物である万両が実をつけていて、今が秋から冬へ交代する境目であることを示してくれているようでした。
苔の上の散り紅葉を見ながら晩秋を惜しみ、蓮華寺を去りましょう。
帰りの参道。
境内には鳥居もあり、鮮やかな苔の緑と青空と、そして紅葉が見送ってくれました。
素晴らしい京都の紅葉も、さすがにもう終わり。
とても名残惜しいのですが、仕方がありません。
これから京都は底冷えの枯れた冬。
その冬を乗り切れば、また春がやってくる。
そうやって春夏秋冬が、そして新たな一年が巡ってゆきます。
紅葉前の青紅葉が美しい蓮華寺を訪ねた記事。
2年前の蓮華寺の紅葉。曇りの紅葉もしっとりとして素敵。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 12-60mm F3.5-5.6, 45-150mm F4-5.6
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