ついにALIS投げ銭ランキングが実装されました。
この投げ銭ランキング、実装される前はたいしたことない機能かとたかをくくっていましたが、いざ実装されて考え直すとALISの今後の方向性を示す機能であるように思いました。
では、そのALISの今後の方向性とは何でしょうか?
以下で考えてゆきたいと思います。
まず、投げ銭ランキングのポイントのおさらい。
・投げ銭すると、投げ銭の10%がバーンされる。
・多く投げ銭すると、投げ銭された記事がALISトップページのオススメにランキング形式で載る。
これがどういう意味を持つのでしょうか?
目立たないけど読んでいい記事だなあと思っても、それを多くの人に読んでもらおうと思ったら、今まではツイッターなどのSNSで取り上げるという具合に外部に頼る必要がありました。
それが、ALIS内でできるようになったのです。
ALISコミュニティは良心的な人が多いので、良いと思った記事には今までも投げ銭がされていたと思います。
その投げ銭が筆者へのプレゼントだけでなく、記事を多くの人に読んでもらう効果も発揮するということになります。
もちろんランキングはALISトークン流動化の促進というメリットもあると思います。
それに、若干ですがトークンのバーンによるトークン価格上昇というかインフレ圧力による価格低下の軽減も期待もできます。
さらに、投げ銭するためにALISトークンを取引所で購入するような人がいれば、トークン価格の上昇に直結します。
一方向の投げ銭だけでなく、ユーザー同士が相互に投げ銭してお互いの記事をオススメトップに上げることもできます。
この広告的な使い方は問題ある使い方でしょうか?
自分の考えとしてはそうでははなく、ALIS運営さんはある程度広告的な使い方でも構わないと許容していると思われます。
そのかわり、投げ銭の10%はバーンされるので、結果としてそれが広告料としてALISコミュニティ(ALIS運営ではない)に還元されるのですから。
以前にALIS水澤さんはALISならではの広告を考えたいと言われていました。
従来のブログのようにALIS記事にバナー広告が入ることはないと断言されていましたが、別の広告のあり方を検討したいようでした。
もしALISに広告が入るのであれば、これは大きなことだと思っています。
広告料が円建てでALIS運営に入るのであれば直接ALISコミュニティには関係がないのですが、何らからの形で広告料が円からALISトークンに変換されALISコミュニティに還元されるとなるとおおごとです。
そうなると、ALISトークンの需要が高まり価格が上昇し投資家が利益を得るとともに、ALISに投資をしていないALISユーザーも直接的間接的に利益を得られるのですから。
今までの経緯からして、もしALISが広告入れるなら広告料をすべて運営が得るということではなく、ALISコミュニティにも還元すると思われます。
だって、GAFAの大きな問題のひとつは広告収入がサービス発展に寄与したユーザーに還元されないことで、ALISはそれを良しとしないのですから。
今回のトークン投げ銭によって広告もできる仕組みは、そんなALISでの広告の実験にもなるように思えるのです。
さて、ALISトークンを支払うことでランキング順位を変えることができるなんて、ALISはこれから金がモノを言うようになるの?、との疑問というか反感が聞かれます。
それはどうなのでしょう?
ひとことで言うと、なると思われます。
ならざるを得ないんです。
今回のリリースに加え、ALISのキモと思われる「トークン保有ボーナス」が実装されれば、いよいよ金がモノを言うようになります。
トークン保有ボーナスとは、ALISウォレットでALISトークンをたくさん保有している人は、そうでない人と同じ記事を書いて同じ数のいいねを貰っても得られる報酬が多くなる設計と思われます。
また大口保有者が他の記事にいいねをすると、そうでない人より評価者としての報酬も多いですし、いいねをされた記事にはより多い報酬が入る仕組みです。
(ただし、これはALISホワイトペーパーによる設計であり、変更される可能性があります。)
となると、大口保有者ほど記事を書いてもいいねをしても報酬が多いし、どの記事にいいねをするかで他のユーザーに影響力を行使することもできます。
大口保有者はALISで無双できますね。
でも、Steemitでそのような無双があって大口ではないユーザーは嫌気が差したので、ALISではある程度制限を設けると運営さんは言われています。
それでも、大口保有者は有利です。
なんでこんな事をして大口保有者を優遇するかというと、「トークン保有者を優遇しないと誰もALISトークンを買わないから」です。単純明快。
ALISトークンが買われず価格が下落低迷すると、記事を書いても得られる報酬は雀の涙ですから記事を書く人は少なく、ALISのサービスは低迷したままとなります。
サービスの低迷がさらにトークン価格の下落を引き起こし、悪循環になります。
実際、今までさんざんALISトークンを買うメリットが無いとあちこちで言われ続けてきましたし、それに嫌気が差した大口保有者が何人もALISトークンを投げ売って去っていったのを見ています。
ですので、個人的にはもう少しALISトークンを身銭を切って買った人、特に最初期にICOにて海の物とも山の物ともつかないALISをリスクを負って買った人に報いることが大切と思っています。
しかし大口保有者を優遇すると、身銭を切ってALISを買ってはいないけど頑張ってALISに記事を投稿したりいいねをし続けた人たちをないがしろにすることになりかねません。
トークン大口保有者と投資していないユーザーとの利益のバランスをどう取るかはなかなか難しそうですが、そこはALIS運営さんの腕の見せ所かと思っています。
合わせて、このトークン保有ボーナスはALISがトークン経済を回す仕組みの根幹をなすもののひとつと考えていますので、これが実装されない限りはALISはβ版かと考えています。
このように考えると、最近実装された以下のふたつ、つまり、
・ALISウォレット実装による、「購入したALISトークン」と「記事投稿やいいねの報酬によるALISトークン(通称PALIS)」の統合
・投げ銭によるランキング
これらにより、ALISに資本主義が押し寄せてきたとも言えるでしょう。
そして、それを嫌がる方がおられるのはよく分かります。
しかし、ALISはもともと資本主義を否定している思想ではありません。
CEO安さんは、資本主義は否定せず資本主義の考えも取り入れてゆくと当初から言われています。
ALISの中核となる「信頼度スコア」は、ALISの利用度やもらったいいねの数や付けたいいねの数と合わせて、トークン保有数も加味して算出される予定です。
ということは、ALISでどれだけ頑張って活動したかに加えて、トークン保有も信頼度に加味されることになります。資本主義的な考えが入っています。
これがALISの考える信頼度かと思うのです。
しかし、資本主義な考えを取り入れるのは悪いことでしょうか?
ALISの開発運営費はALISトークンを買った人から出ています。
ICOでALISトークンを買う人が少なければ、ALISプロジェクトは始まってもいなかったのです。
となると、ALISにお金を出した人はALISに多大な貢献をしていることになります。その貢献度をスコアに入れるのはあながち悪いことではないでしょう。これは資本主義の基本的な考えかと思います。
ただし、資本主義が嫌がれるのはお金を出した人が無双できるような状況になるからと思うし、Steemitではそうなっていたのですから、ALISではそこをコントロールすることが肝要かと考えています。
この投資家と投資していないユーザーとの利益バランスのコントロールは、将来ALISの大きな課題になるかと思っています。
このようにしてALISトークンに価値を付けてゆくならば、その価値を認めてALISトークンをほしいという人が増えることでALISトークンの価格が上がったり、また記事を書いたりいいねをするモチベーションも上がります。
そのような好循環を生むトークン経済になるかどうかの前哨戦が、今回のALISウォレット実装と投げ銭ランキングのように思うのです。
でも、今後ALISのトークン経済が好循環を生むのかどうかはわかりません。
正直、簡単ではないと思います。
いくらトークン大量保有者を優遇しても、そんな優遇なんて値打ちないよと保有者やALISコミュニティメンバーが思うなら、トークン保有のメリットはないのですから。
逆に大量保有者を優遇しすぎて他のメンバーが嫌気をさすのも大問題です。
となると、ALISコミュニティが魅力的で、そこでちょっと優遇されることに喜びを感じられるかどうかが大切になってきます。
コミュニティが大切とALIS運営さんが言うのは、こういう理由もあると思うのです。
こうして見てゆくと、極論すればALISトークンは法定通貨では買えない信頼度を多少は買えたり、承認欲求を満たせたりする通貨になってゆくのかも知れませんし、そうなってこそ暗号資産としての存在意義があるとも考えられるのです。
面白いですね。
ということで、個人的には最近のALISの施策によって、ALISはトークン経済を回す方向へ一歩進んで来たのかなと感じます。
そして、上の記事で延期と宣言されたトークン保有ボーナス実装はいつになるのかな?、と気にもなっています。
この「トークン保有ボーナス」の実装と「国内取引所上場」が、ALISの当面の大きな節目になるように思っているのです。
注:本記事は個人的な意見であり、ALIS公式の見解とは関係がありません。
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