コロナ禍で緊急事態宣言下にある京都。
観光地を訪れる人も少なく、拝観休止や人が集まる行事は中止にしている神社仏閣も多くあり、いつもと違う雰囲気です。
僕も仕事以外はあまり出歩かないようにしていますが、家に引きこもりっぱなしというのも良くないので、人が集まらないようなところへお散歩します。
今回は、5月の新緑がきれいという等持院(とうじいん)の庭園に伺います。
庭園なので屋外で、拝観する人も少なさそうですから。
等持院は京都盆地の北西にあります。
このあたりは近くに金閣寺や龍安寺、仁和寺がある京都の大観光地ですが、等持院はこれらのお寺よりやや参拝客は少なめ。
ゆっくりとお庭を楽しむことが出来ます。
等持院の最寄り駅は、嵐電の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」という日本一長い駅名として鉄オタが喜ぶ?駅になります。でも、嵐電は市街地からは遠回りする路線ですのでやや不便。
なので、京都駅からは市バスに乗ります。
「立命館大学前」あるいは「等持院南町」で下車して徒歩10分弱。それでも京都駅から50分くらいかかるので、街中にしてはやや不便なところです。
僕はいつものように、コロナ禍でのソーシャルディスタンス確保のためにマイカーで自宅から直行します。いや、単に便利だからですけどね。
早速、等持院に到着!
青空と新緑がきれいですねー。
ここだけの話ですが、実はこの写真を撮っている場所の山門前までマイカーで入って、車を止められます。しかも駐車料金無料。めっちゃ便利です。
山門をくぐって、お堂に入らせていただきます。
と、いきなりでっかいだるまさんの絵!
これは天龍寺派 元管長 関牧翁老師筆の祖師像です。インパクトのある絵は等持院の名物の一つになっています。
天龍寺派の元管長ということは、ここ等持院は禅宗の一派である臨済宗天龍寺派のお寺なのですね。
暦応四年(西暦1341年)、(室町幕府初代将軍)足利尊氏が天龍寺の夢窓国師を開山にお迎えして、衣笠山の南麓に創建されたのが、この等持院である。
後に、尊氏・義詮将軍当時の幕府の地にあった等持寺もこちらに移されて、足利将軍家歴代の菩提所となった。
(等持院オフィシャルサイト)
では、お目当ての庭園に進みましょう。
方丈南庭。
枯山水庭園ですが、立派な木々や苔が植えられていてにぎやかな感じですね。
個人的にはシンプルな枯山水庭園より緑も結構ある方が好きです。
青空と新緑としっかりした木陰が初夏を感じさせてくれます。
こちらは方丈西庭(芙蓉池)。
池に緑が鮮やかでした。
もう少しするとサツキの花が咲いて、さらにきれいになるとのことです。
左上にある建物は茶室の清漣亭。足利尊氏百回忌に建てられたもので、室町幕府八代目将軍足利義政の好みとされます。
この素敵なお庭を眺めつつ抹茶を頂いたりすると、とても和むでしょうねー。
庭園は回遊式で、文字通り歩いて回遊することができます。
池の畔にはツツジが植えてあって、空の青、新緑、ピンクっぽい紫が色とりどりで素敵です。
庭園を散策していると、ひっそりとお墓がありました。
これが、足利尊氏のお墓なんです。
お墓は庭園内にありますが木々で隠されて目立たないようにしてあって、看板もないので知らない人は通り過ぎてしまいます。僕も初めて等持院を訪ねた時は見過ごしていました。
等持院は足利氏の菩提寺ですからこのお墓は等持院のメインと言うべき場所なのですが、ひっそりとしていました。
こちらは方丈東庭。
先の方丈西庭とこの東庭は繋がっていますが、趣を異にしています。
この庭園は等持院を開山した夢窓国師作とされます。
文字通り心の字の形をした心字池に沿って、季節の花がたくさん。
ツツジは満開で、初夏の日差しもあって元気になってきます。
順路に沿って花が沢山の心字池の周りを巡ります。
なかなか外出できないコロナ禍の状況で、この新緑の日差しは嬉しいまぶしさです。
訪れる人も少なく密になる状況ではないので安心です。
さて、お庭を一周したので休憩しましょう。
等持院では呈茶をされていましたので、書院にてお庭を見ながらお抹茶をいただきます。
お茶碗には足利尊氏の家紋が。さすが菩提寺。
お茶菓子は「芙蓉の月」と名付けられた、もちっとした皮でこし餡をつつんだ等持院限定の菓子。甘すぎず抹茶によく合いました。
京都には抹茶を出されるお寺が結構あるので、時間があれば頂いています。
料金は、茶菓子がついてどこでもだいたい500円とお手頃。
一番いい場所でお庭を眺めながらゆっくりできるので、楽しみの一つです。
抹茶をいただきつつ眺める額縁庭園。
とてもまったりとしたひとときを過ごすことができました。
最後にもう一度方丈と方丈西庭を見て帰りましょう。
芙蓉池の鯉が優雅に泳いで、コロナ禍でののどかな半日を過ごすことができました。
今回はコロナ禍での密にならないお散歩でそれはとてもいいのですが、やっぱり新型コロナウイルス感染流行が落ち着いて安心して拝観したいものです。
その日が早く来ることを願いつつ、等持院を後にしました。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LUMIX 12-32mm F3.5-5.6, LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7
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