これは珍しい、しかも高貴!
今回の京都御朱印散歩では、そんな御朱印マニア心をくすぐる?御朱印をご紹介。
ふだん非公開の京都・光照院門跡と三時知恩寺が、わずか二日間だけ公開されたので、訪ねてみました。
どちらも門跡寺院(皇室関係の方が住職を務めたお寺)、それも尼門跡寺院(皇室関係の女性が歴代の住職)なのでさらに珍しく、高貴な雰囲気なのです。
この特別公開は「京都浄土宗寺院特別大公開」という催しの一環。
86にも渡るお寺が公開される大きいイベントなのに、あまり知られていないようです。
しかも、御朱印も書かれるとのこと。
これは行かないとね!
地下鉄今出川駅を降りてしばし歩いて、同志社大学キャンパスの近くの住宅地に光照院門跡(こうしょういんもんぜき)はありました。
ここは常盤御所とも呼ばれていました。
上の写真は光照院本堂。1968年に再建された建物とのことです。
本堂の中で御朱印をいただけます。
本堂内は撮影禁止、外もあまり撮らないでほしいということで写真少なめです。
地面に置かれていた瓦も菊の御紋ですね。さすが門跡寺院です。
光照院門跡の歴史についてはもちろんいろいろなことがありますが、省略。めんどくさがりですみません。
こちらのブログ記事が歴史に詳しいので、興味のある方はご覧くださいませ。
秋の七草のひとつ、フジバカマが可愛いです。
光照院門跡には枯山水の庭園があって、樹齢500年という五葉の松が名物のようですが、今回は非公開。
庭園好きとしては残念です。
さて、特別御朱印!
両面に渡って花が描かれ、朱印は金色で寺紋に菊の御紋があしらわれています。
筆書きは「花に仏性あり」とあります。
これは上品で門跡寺院らしいと、好きな御朱印の一つになりました。
今回の特別公開はたった二日間しか無かったので、御朱印は大人気で1時間半ほど待ちました。
これでも短いほうで、数時間待ちの方もおられたようです。
御朱印を書かれる方も大変です。お一人で書かれていましたので。
では、御朱印を頂いたところで、もうひとつ門跡寺院特別公開へ行きましょうー。
光照院門跡を出て、歩いて数分。ご近所の三時知恩寺(さんじちおうじ)へ向かいます。
こちらも、京都浄土宗寺院大公開にて二日間だけの特別公開です。
三時知恩寺の「三時」の意味は、宮中における六時勤行(1日6回の勤行)のうち昼間の3回をこの寺で行うようになったことによる(Wikipedia)とのことです。
この上品な玄関も門跡寺院らしいかな、と感じました。
玄関を入ると、いきなり御朱印が。
この御朱印はご門跡の伏見誓寛さまが書かれたもの。
伏見誓寛さまは徳川15代将軍慶喜の曾孫で、伏見宮家とも親族関係にある方とのことです。
んー、さすが門跡寺院。御朱印も上品に感じます。
残念ながら拝見するだけで、個人的に書いてはいただけないのですけどね。
ここ三時知恩寺は尼門跡寺院なんです。
代々皇室とゆかりのある女性の方がご住職を務められました。伏見誓寛さまも女性です。
この尼門跡寺院は今や数少なくなり、珍しい存在に。
明治維新以降、神仏分離令によって、皇女の出家が禁止されてから、尼門跡の文化を伝える寺院の数は減っていき、今残っているのは、京都7寺(大聖寺、宝鏡寺、曇華院、光照院、林丘寺、霊鑑寺、三時知恩寺)と奈良3寺(円照寺、中宮寺、法華寺)。
(三光院オフィシャルサイト)
最初に取り上げた光照院門跡も尼門跡寺院ですね。
三時知恩寺の枯山水庭園「蓬莱の庭」。
それほど大きいお庭ではありませんが、いろんな要素がぎっちり詰まっているようでした。
三時知恩寺の御朱印。
菊の御朱印が門跡寺院らしいです。
「善導大師」とは中国の偉いお坊さん。日本の法然や親鸞に大きな影響を与えました。
三時知恩寺は浄土宗で法然上人が開祖なので、そのお師匠さんのような善導大師を御朱印に書かれているのですね。
光照院門跡も三時知恩寺もわずかな期間しか特別公開されておらず、訪れるのはちょっと大変でした。
でも、ふだん拝見できない門跡寺院の上品な雰囲気を味わわせていただき、なんだか高貴な気持ちになりました。
観光地化された京都ですが、まだまだこのように都だった名残を静かに今に伝える場所があることに感銘を受け、京都の奥深さを再認識したのです。
よろしければ他の御朱印記事もご覧くださいね。
CosmosのALIS御朱印記事
Twitter: @cosmoscx