というか、成立しない理由。
レイヤー2やブリッジプロトコルを通じて、異なるブロックチェーンで登録(生産)されたのアセットを、統一規格で使えるようにしましょうよというのがインターオペラビリティ(相互運用性)。
ブロックチェーンとは何なのか?
ステートやデータ処理の構造を定めた、所定のルールによって運用されるデータ群。またはそのノード群。
”所定のルール”に則って、価値を定義し、運用し、所定のノード群内でのみその正確性と整合性が”保証され得る”データ管理システム。
もうこの時点で、相互運用性という発想が意味不明であることがわかるのではないか?
説明必要?
だとしたら、根本的なところが理解されていないのかと。
Compoundが、WBTCを担保資産としていない理由がわかるのではないでしょうか。WBTCは貸し出すことはできるけど、担保にして他のアセットを借りることはできない。
(他のレンディングプロトコルはそうではない。)
私はCompoundの判断は正しいと思う。
どういうことか?
例えば、そういった異なるデータ構造と信用構造のアセットの相互運用(ブロックチェーンのインターオペラビリティ)が自由にできる環境が完成していたとする。
自称パブリックブロックチェーンというものか、なんならわかりやすくエンタプライズ系ブロックチェーンアセットでも良いでしょう、
それらが仮に、EthereumDeFiでレンディングの担保資産になって、他のアセットを借りることができるとしましょう。
それらのブロックチェーンにとってEthereumはレイヤー2に位置します。
信用の担保になるのはレイヤー1です。
さて、その信用の担保たるレイヤー1が消滅前提だった場合はどうなるでしょうか?
Ethereumネットワークにインターオペラビリティ機能を使ってやってきて、レンディングDappsを使って担保入れして、ETHを借りまくったとしましょう、
ショートするも別のところに逃がすのもどちらでもいいです。
そして、その元のアセットを廃止なりシャットダウンなり、とにかくもうお終いって宣言したとしましょう。
担保価値は崩壊します。清算も追いつかず担保割れ貸し出し状態が発生します。
貸し出されたアセット自体の回収が困難になるというか不可能です。
という事態になりえます。
恣意的にそういった攻撃が可能であるということです。
その種の攻撃はパーミッションレスなレンディングDapps(←まだ存在しない。)であれば可能ではありますが、
規模感というか時価総額というか、信用の担保レイヤーが共通であるか外であるかという違いは大きいです。
例えば数兆円規模のアセットがEthereumネットワークで取引されるためには、その信用を担保し得る流動性、ETHやステーブルトークンなどの流動時価が必要です。
流動時価を超えるアセットはネットワーク内で流動することができないということです。
つまり、ネットワークの信用というか流動性、この場合PoSであれば時価総額はネットワークの信頼性に成りえます。
その上で、アセットが流動します。
ネットワークのバランスは保たれているということです。
しかし、信用の担保レイヤーが外の場合は、
ネットワークの許容度を度外視した、価値の流入を許すことになります。
これが攻撃の成功率を高めますし、生態系のバランスを不自然な力で歪める要因です。
とにかく、信用の要素も存在意義も用途も異なる”データ群”が、相互運用し得るという発想が意味不明だよね。と言いたいのです。
これがブロックチェーンのインターオペラビリティが成立しないと考えている複数の理由のうちの一つです。
Ethereumを軸とした、ハブ&スポークモデルでweb3.0生態系が成立するというのが私の持論です。
確固としたレイヤー1とその外側に広がる活用レイヤー(レイヤー2~)ということです。
異論、反論、質問やご意見、大歓迎です。
最後まで読んでもらえてうれしいです☆
考えるきっかけになれれば幸いです。