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ALIS DXプリンシプル

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  • 2020/06/29 05:19
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ALIS CTOの石井(@sot528)です。今回は、私たちのDX事業の行動指針であるプリンシプル(原理・原則)をご紹介いたします。

私たちは、組織が根本的に変革されなければDXではないという考えのもと、クライアント企業のDX推進を日々お手伝いしています。(詳細は別記事を書きましたので、よろしければご参照ください)

 

そのような活動の中で、私たちからの誓約・意思表明のため、かねてより独自のDXプリンシプルを策定し運用しております。本記事ではそれをひとつずつご紹介いたします。

 

ALIS DXプリンシプル

プリンシプルの一覧は以下の通りです。

・我々は囲い込まない
・我々は一蓮托生のパートナー
・我々は明確にNoを言う
・我々のゴールはクライアントのデジタル企業化
・我々は数字で語る
・我々は技術的負債を管理下に置く
・我々は執拗に技術革新を追う
・我々は「攻めのコンプライアンス」を武器にする
・我々はデジタル・トランスフォーメーションを楽しむ

 

我々は囲い込まない

我々はクライアントを囲い込みません。プリンシプルの最上段に置いたこちらの原則には、次のような問題意識があります。

まず前提として、本邦ではエンジニアはITベンダーに偏りユーザー企業にあまり所属していません。これはIT先進国であるアメリカとは真逆です。

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https://bit.ly/31jZLay

もちろん、ITが自社の専門外であればシステムの構築や保守・運用を外部へ委託するのは理にかなう側面もあるでしょう。しかしこのような状況は、ユーザー企業において、情報システムがベンダーへ過度に依存してしまうという弊害を生みます。

一昔前なら、それで問題が無かったかもしれません。餅は餅屋です。しかし情報技術が企業の生死を分ける今日、このような状態では組織の競争優位性を確保することは困難です。もはや情報技術の外部への丸投げは、組織としての自殺行為に等しいとすら言えます。(こちらも前回詳しく書いております)

情報システムへの深い造詣と経験を持つ人員が自社内におり、外部ベンダーと適切にコミュニケーションしてうまく協働できているのであれば問題ありません。しかし、外部ベンダーへの依存度が高い組織ほど、現実はそうではありません。

上層部の無理解により、情報システムに明るくない方が自社ITの担当者に据えられ、外部ベンダーに依存してなんとか組織のITを回している。そんな組織は驚くほど一般的です。(自社ITの責任をその担当者に帰するのは酷です。ITを軽視しがちな組織構造の問題と言えます)

そのような状況下では、担当者は外部ベンダーへの丸投げが最適な戦略となります。自分でシステムの善し悪しを判断することは困難だからです。そして、ITベンダーはユーザーを自社に囲い込むことが最適な戦略となります。一例としては、ユーザーがシステムの善し悪しを判断できないため、まず第一選択肢として自社の製品を採用します。その方が売上が立ち、保守運用契約を取り続けられ、クライアントに溜まる自社製品の知見はベンダーロックイン(=囲い込み)に寄与します。それに、いざ問題が起これば日本ではどのみちITベンダーが責任を取らされるのです。他社製品やOSSにより良い選択肢があったとしても、いざという時に対応が容易な自社製品の方が都合が良いでしょう。問題は、往々にしてその手の「自社製品」は業界のデファクトスタンダードではなく、シェアも低く、機能や品質や開発の活発さにも劣る「囲い込むことだけが目的の残念なプロダクト」であることです。

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https://bit.ly/2YwfIse

 

責任の所在について言及しましたが、情報システムの責任が外部ベンダーに課せられる日本の業界構造は大変不適切だと考えています。これほどまでに情報システムの重要性が高まっているにもかかわらず、自社システムの責任を外部へ押しつけられるなどと考えるのは端的に言ってナンセンスです。経営者が勤勉ではない。より厳しい表現をすれば、その責務を果たしていないとすら言えます。企業は独力で情報システムに責任を持つ覚悟と、それに伴う実力を身につけなければならない。ユニクロ・柳井会長の言葉を借りれば、これはもはや経営者の使命です。

 

もっとも、ITベンダーにとっては、こういったクライアントの怠慢は良い稼ぎの種です。ITベンダーはクライアント企業のITリテラシーが向上することを望みません。情報の非対称性を可能な限り大きく維持し、ずぶずぶに依存させた方が儲かるからです。そして前述の通り、これまでは顧客も丸投げを望んできたので、そのような状態がまかり通ってきました。しかしDXには適さない。現状維持では今後、容易に駆逐されかねません。

ベンダーに丸投げするだけの空洞化したIT部門の維持は、DXとしてはアンチパターンです。従って我々は情報の非対称性の排除を念頭に、持てる知見・技術・方法論・文化のすべてを余すことなくご提供し、クライアント企業における情報システムの問題解決能力を高め、「自社システムは自社が責任を持つ」という自信が持てる状態まできっちりお手伝いいたします。そのような状態で初めて、外部のITベンダーとうまく協働することができるのです。でなければ、高いガラクタを売りつけられてそれに気付かない現状が維持され続けることでしょう。

 

さて、1項目ずつこの長さでご説明してゆくときりが無いので、以後手早くご説明してゆきます。(本当は一つ一つこの粒度で書きたいのですが)

 

我々は一蓮托生のパートナー

我々はクライアントと一蓮托生のパートナーとして仕事を行います。下請け企業になる気は毛頭ございません。「xxxをやって」との要望に応えるだけでは、既存ITベンダーと変わりません。ベンチャーの立場で不遜ながら、あくまで対等な立場であることがDXの成功には必須であると考えております。

我々はクライアントが本気でDX推進を行う限りにおいて、最後まで(ITにおいて自走できる状態まで)徹底的にお付き合いする所存です。(その後もDXに終わりは無いのですが)

残念ながらこのような関係性を築けない場合、そのお仕事は辞退しております。なぜならDXが失敗するからです。

 

我々は明確にNoを言う

我々はDXという目的遂行のために、許容すべきでないことは一切許容しません。そこに妥協はありません。Noと言うべき事項には明確にNoを言い、適切な施策が実施不可能と判断した場合、我々はやはり仕事を辞退いたします。なぜならDXが失敗するからです。

同様に、我々にバリューが無いと判断された場合、我々はいつでも契約の解除を受け入れます。

 

我々のゴールはクライアントのデジタル企業化

我々におけるDX成功の定義は「クライアントがデジタル企業として自信を持つこと」です。それ以外ではありません。若干、抽象的ではありますがこれはつまり、もしいつまでも「組織のデジタルを担う者」として我々が必要であれば、それは我々にとってDXの失敗を意味します。

DX推進が滞りなく進むほどに我々の関与は減ってゆく。我々とクライアントはそのような関係性であるべきだと考えております。

 

我々は数字で語る

我々は数字で会話をします。DXの推進状況を経産省のDX推進指標で計測することに始まり、システムの構築・運用のコスト、アジリティ、後述の技術的負債の管理状態に至るまで徹底的に数値として可視化し、その遷移を容易に計測可能な体制を構築します。それらは経営指標に接続され、顧客満足度、ひいては業績を改善させなければなりません。そうでなければDXは無意味だからです。

 

我々は技術的負債を管理下に置く

技術的負債はDXと切っても切れない概念です。詳細は以前、記事を書きましたのでよろしければ参照ください。

 

我々は技術的負債を徹底的に可視化し、管理体制を構築します。さらに技術的負債の蓄積・低減についての定量的な評価指標を用いて、ユーザの事業戦略に明確なシステム再レガシー化抑制策を導入します。これはDXを推進する上での必要条件であり、かつ多くの企業が苦手とする部分と考えています。

 

我々は執拗に技術革新を追う

技術革新に伴うビジネスモデルの変化に迅速に追随することは、DXの大きな目的の一つでしょう。我々がその追随の手を休めることは無く、ユーザにもその体制の構築を全力で支援します。

とはいえブロックチェーンやAI, IoT, AR/VR等々、耳目を集める新技術は数多くありますが、使うべき箇所に適切な技術を用いなければ無価値です。具体的には、新技術が明確な問題解決を行い、定めた指標を改善しなければ意味がありません。(単純に新技術を用いるだけでも話題性はあるでしょうが、私たちが積極的にそれをお勧めすることはありません。価値が低いと考えるからです)

 

我々は「攻めのコンプライアンス」を武器にする

個人情報の取り扱いを含め、コンプライアンスを「やらなきゃならない面倒なこと」と捉えるのはナンセンスです。我々は許容された範囲で最大限データを活用するため、コンプライアンスに精通しその活用を武器とする体制構築を支援します。

いろいろと厄介で面倒な印象のあるコンプライアンスを武器にできれば、それは強力な競争優位となります。なぜなら、ここを本当の意味で「ちゃんとできる」組織はそう多くないためです。

 

我々はデジタル・トランスフォーメーションを楽しむ

DXは大きな組織変革を伴います(私見ですが組織変革の無いDXは無価値です)。そして、変革に摩擦は付きものです。効果はすぐには現れず、長く苦しい道のりに思えるかもしれません。

しかし視点を変えれば、これほど大きな組織・社会の変革を目の当たりにして、そこへ全力で取り組むチャンスとも言えます。このような大きな変革は、人や組織の生涯を通してもそうめったにはありません。ここは全力で楽しむべき所でしょう。我々はこの一大変革を楽しむ準備ができています。

 

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ALISでは上記のプリンシプルを誇りを持って掲げ、企業のDX推進を全力でお手伝いしております。DXに取り組みたいが何をしたら良いかわからない、話をききたい等々、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

CC-BY 4.0

・ALIS CTO 石井(@sot528
・本記事はCC-BYライセンスです。帰属を掲示していただければご自由に引用・改変が可能です
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