新企画で、カテゴリー総選挙に「現場」を提案させていただきました。
色々な職場の最前線の記事が、上がってくる事を期待します。
発端は、「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ‼」踊る大捜査線の名台詞からのアイデアです。でも・・・
実は、その反対も言えていて「事件は現場で起きているんじゃない‼会議室でおきているんだ!」と言う事も、また真実です。
会社組織の運営側と現場には、大きな溝があるように思えてなりません。
みなさんは、どう考えますか?
ところで、あなたは介護のプロの集団が居るの知ってますか?
その一つが、今日の現場です。
在宅で、寝たきりの方を、お風呂に入れるお仕事です。
あ~知ってる、知ってると言う方もいらっしゃるでしょうが・・・
特別のスキルを持った人たちの集まりです。
3人でチームを組んでいます。
・リダー(入浴車の運転、浴槽設置、移動、お湯の管理、片付け、契約)
・サブ(浴槽設置、お客様の入浴準備、脱衣、移動、洗体、着衣、片付け)
・ナース(お客様の入浴前・後の健康チェック、入浴準備、脱衣、移動、洗体、処置、着衣)
入浴するお客様は、どんな方
・ALSなどの、難病でレスピレーターを使っている方
・重症の障害で、全介助の方
・癌のターミナルケアを受けている方
・寝たきりで、褥瘡が有る方
・自宅での入浴が困難な方
それでは、今日の現場へご案内いたしましょう。
今日は、在宅でのターミナルケアを受けている方です。
意識はしっかりしていますが、全身のむくみと、痛みが強く、家族は身体に触る事も、着替えをすることすら出来ません。
家族は困り果てています。医師からは、何でも、ご本人の気の済むようにして差し上げてくださいと言われたそうです。
本人の希望は、「どうしても、風呂に入りたい」という事でした。本人も、死期が近づいていることは、充分解っています。
そこで、このチームに依頼がありました。
痛み止めを使えばよいのですが、確実に、意識が遠のきます、この方は、最期まで、家族と話しがしたいのです。最低量しか、痛み止めは使えません。
バイタルサインも、ぎりぎりOK・・・・
この三人の動きには、全くの無駄もありません。
気が付けば、ベッドの横に、なみなみとお湯をはった浴槽が用意されています。
脱衣と一緒に、バスタオルも入れらます。ほんの少し側臥位になるだけです。
オムツも外され、タオルですべて覆われました。
三人で、平行に、浴槽までスーッと移動します。痛みはありません
浴槽に着くと、足が始めに入れられます。ゆっくりと、体にお湯をかけて行きます。
洗髪、洗顔、洗体・・・苦しそうな顔は、ほっとしたお顔に変わっていきます。
お身体が浮力で、浮くので、ご本人の負担が軽くなります。
背部、腰部、臀部もしっかりと石けんをつけて洗体します。
もうこの頃には、「気持ちいい!」という言葉が漏れてきます。
最後に、しっかり、シャワーでかけ湯をして、浴槽のネット上で、バスタオルで体を覆って、ベッドに戻ります。
浴後のベッドには、あらかじめ、衣類、おむつ、を引いておきます。
その上に、防水シーツを引いて、その上に、バスタオルごと移動します。
さっきまで、痛みだけを訴えていたお客様ですが、もう、ほっとされて多少の痛みは、問題ないようです。
この方は、この入浴が最後かと、思われましたが、その後も数回入浴されました。入浴する事で、命が長らえる事があるんですね!
ご家族の皆様も、「本人の希望通りに出来た事が良かったです」と、後で、知らせてくださいました。
以上、現場から、ALISのお婆ちゃんでした。
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