こんにちわ、ALISのお婆ちゃんです。
平成最期の年ですね!100年後には間違いなく、平成も昔々と語られるでしょう
では、平成の昔話の始りです。
今は昔、平成の頃
嘘つきな男がおりました。
仕事場では、いつも嘘をついておりましたので、しまいには、その男の言うことを誰も、信じなくなっておりました。
ある日、男は旅に出ました。
電車が好きな男は、東北の片田舎を、好んで旅をしていたのです。
いつものように、当てもなく、行き当たりばったりの電車の旅を、続けておりました。
いつものように、嘘をつきながら、善良な青年を装い、今日も一夜の宿を見つけた様です。
暖かな囲炉裏のある、趣きある、田麦俣の家でした。
「よう、ござらした。
まぁ~、まぁ~、こちっさこいや!
ほら!ぬくまれ~」
ニコニコとおじいさんは、もてなしてくれました。
それに、たいそう、綺麗な孫娘が、お酌をして、もてなしてくれました。
男は、いつもの様に、嘘をつき、孫娘に好かれようと必死です。
たくさんのご馳走を食べて、お腹いっぱいになった男は、孫娘の膝枕でウトウト。
うたた寝をしてしまいました。
・・・
何時間たったのか
足が何かに触った感じがして、目が覚めました。
「あれ!
ここはどこ?
孫娘はどこ?」
囲炉裏には、大きな鍋がかけられていました。確かさっき、ご馳走になった鍋です。
「なんて匂いだ!」
覗いてみたら、その中には、蛇やカエルや、ムカデや、イモリ、がグツグツと煮えていました。
「おぇ!!」
嫌な予感がした男は一刻も早くここから、逃げようと思いました。
とかろが、逃げようとした男の足に、大きなへびが、絡みついていたのです。
どんどん、体が締め付けられます。
「私を綺麗だと言ったじゃない」とへびは、首に巻きつこうとします。
「許してくれ!もう、嘘はつかないから!」
すっかり、腰を抜かした男は、台所で、かまどに向かって料理を作っているおばあさんに助けを求めました。いくら呼んでも、振り向いてくれません。
「あれ!優しいじいさんは?どこに居るんだ!」
いない、いない。
・・・
お婆さんは、ちっともこっちを向きません。
「あど、ちよっとで、うめいものでぎるさげ!待ってろ!」
と、突然、男の方を振り向きました。
その顔の恐ろしい事。
鬼のような顔、耳まで避けた口、長い舌を出してこちらを見ています。
男は身動きできません。
おばあさんの足元には、さっきおじいさんが着ていたらしい洋服が
ビリビリにちぎれて落ちています。
とうとう男は気を失ってしまいました。
・・・
・・・
「おい、あんちゃん、おぎろ!」
「そろそろ、電車が出るぞー!」優しい、お祖父さんが、男をのぞき込んでいました。
「魔界発、人間界行きの電車が出まーす」
慌てて男は電車に乗り込みました。
「あぁ~助かった」
男はもう二度と嘘はつかないと、心に決めました
だって、このことを話しても、誰も信じてくれなかったからね‼︎