行って来ましたよ!
炎柱煉獄杏寿郎様に会いに。
そう、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」です。
映画は、いつでも1100円のシニア割引ですから、好きな時間にネット予約して観にいきます。
もちろん、ローバ(老婆)の休日を利用して。
映画館に入ると、平日なのに、わりと混んでいました。
しっかり、席と席の間が離れています。
私の両端も空席でした。
会場の照明が消えると・・・
ソーシャルディスタンスのために空けられた右隣りの席に、誰かが座っています。
懐かしい方が来ていました。
私に鬼滅の刃を教えてくれた方です。
その方は、
Kさん68歳。
膵臓を侵され、余命わずかと告知されていました。
彼は、奥さんと二人で建てた家で余生を過ごしたいと、最期の時を家で迎える事を希望したのです。
訪問医療、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリ、訪問入浴のスタッフが
ケアマネージャーを中心に集まりました。
ご本人、ご家族を交えて、サービスの提供内容を確認をしました。
福祉用具が届き使い方の説明と、介助方法を共有します。
私は、週2回の訪問入浴の担当です。
入浴の方法と、注意点、浴後のケアの出来る事を細かくチェックすると、お風呂に入れることを、楽しみにしてくださっていました。
実際は、骨に転移されており、体を動かす事さえ困難なように見受けられましたが、リハビリの効果もあり、少しずつ動かない手が動くようになって、リモコン操作が出来るようになっていきました。
そして、回復を阻むように、痛み止めの量がどんどん増えていきました。
入浴は、全介助ですが、痛み止めの効果も手伝って、いつも、楽しそうに、いろいろな話をしてくださいました。
ある時、
「今、僕は鬼滅の刃にはまって居るんだよ」と教えてくれました。
「炭治郎がなぜ、鬼滅隊に加わったのか、一度読んでみて、面白いから」と言われ私を含め数人のスタッフが、読み出しました。
そしてハマりました。
同僚は、全巻を大人買いをして、読み切りました。
次に行った時は、竈門炭治郎の話をしよう、あれも、これも、感動を話そうと
思いながら・・・・
月日は流れ、なかなかお会いする機会がありませんでした。
徐々に、弱まった体は、最後を迎えてしまいました。
最期の入浴は、ほとんど、意識がない状態だったそうです。
いつも、奥様には、「仕事を優先して」と、おしゃって・・・
日中はお一人で、サービスのメンバーに、指示してくださっていたのに。
この日は、奥様がいらして・・・
苦しそうな顔には、いつもの会話はなかったそうです。
数日後、事務所に奥様から、お礼のお電話がありました。
苦痛なく旅立たれた事が、何よりな事でした。
・・・
・・・
そして、半年以上が、過ぎました。
もう鬼滅の刃は完結しているんですよ。
でも、今こうして、私のそばにいるという事は、それもご存知ですね!
・・・・・
「老いることも死ぬことも、 人間という儚い生き物の美しさだ 。 老いるからこそ 死ぬからこそ 、堪らなく愛おしく尊いのだ」
と言い放つ、煉獄杏寿郎が、あなたと重なります。
おしまい