[1]ベネズエラ"Petro"の先行販売
去年の3月、ベネズエラ政府が世界で初めて一国の政府による暗号資産発行 と言うことを行いました。
2018/3/20(火)からこの暗号資産"Petro"の先行販売(presale)が始まりました。 販売予定枚数が売切れ次第終了する予定。
Petroを少しだけ購入してみるつもりでPetro 公式Web pageにアクセスして 購入手続きをしようとしました。しかし、手続き操作の途中で画面が固まっ てしまい、それ以上操作が進ま
なくなりました。その後、いろいろ試してみ ましたが購入手続きが上手く
行かず、購入するのを諦めました。
これについては、2018/4/05(木)のAmeba Blogに書いてます。
[2]ウルグアイe-peso
2017年11月よりウルグアイの中央銀行"BCU"(Banco Central del Uruguay)が
法定デジタル通貨"e-peso"の6ヶ月間の試験運用を始めました。
2000万[UYU]分を発行し、国民の反応状況を見ました。
日経 ウルグアイ中銀、法定デジタル通貨の試験運用開始
現在のウルグアイの法定通貨"UYU"(peso uruguayo)の交換率:1UYU≒2.92円
このデジタル通貨は、現在通用しているウルグアイの法定通貨"UYU"を、従
来は政府や中央銀行が紙幣や硬貨の形で発行していたものを、それに替えて
blockchain(分散型台帳)を基盤とするdigital dataの形で発行したものです。
暗号資産とはblockchainを利用して従来の法定通貨でない新しい通貨を創出
することですから、このe-pesoはその意味で暗号資産ではありません。
このデジタル通貨の価値は法定通貨"UYU"により担保されていると言えます
が、現在のウルグアイの経済情勢はどうなっているのか?
ウルグアイは、第63代大統領Tabaré Vázquez(2015年3月就任)の左派政権の
下に、農牧業を主要産業とします。国民の生活水準は南米ではチリに次いで
二番目に安定していると言われ、そんなには悪くないようです。
現在は本格運用をしているのか、現在の状況は検索してみましたがわかりま
せんでした。どうすればe-Pesoを入手できるかはわかりませんが、仮にウル
グアイに旅行に行くのだったら、入手する意味があるかもしれません。
みずほ銀行・ゆうちょ銀行・地方銀行共同で開発したJ-coinは、法定通貨
「日本円」の価値を前提としてその代替として使われ、またもblockchainを
使っていないので、暗号資産ではありません。
[3]再びベネズエラ"Petro"
ベネズエラ"Petro"の話しに戻ります。
現在、"Petro"がどれだけ発行され流通しているかわかりません。
あるYoutube動画の話によるとCave Blockchainなど、小さな仮想通貨交換所
で扱っているみたいですが、どのように扱っているのかは確かめていません。
大きな仮想通貨取引所では、どこも扱っていないようです。
暗号資産というと先ずCoinMarketCapで調べますが、ここにPetroの項目はあ
りません。
CryptoCompareには項目としてはありますが、まともなデータが全くない状態。
仮想通貨ポリスの記事を見ても、まともに運用されていない状態です。
Atapirireと言う地域ので採掘される原油を担保にしてその価値を保証する
"asset back token"となりますが、そのAtapirireでまともに採掘さえ成さ
れていないようです。
第64代大統領Hugo Chávezとそれを継いだ第65代大統領Nicolás Maduroの
経済政策の失敗により経済が混乱しました。
ベネズエラの法定通貨VES(bolívar soberano)の物価上昇率は、2018年の
1年間で約16900倍になるhyper inflationで、まともに通貨としての用を成
さず破綻しています。
これをデジタル通貨として発行しても何の意味もないです。
それでベネズエラ政府は経済再建の資金集めの為に、Atapirireの原油を担
保に"Petro"と言う新しい通貨を創出して暗号資産として発行したことにな
ります。