みなさん、ハイプ・サイクルについてご存知でしょうか?
ハイプ・サイクルとは、ガートナー社が毎年まとめている、新たに登場したテクノロジーが現在どのくらい期待されていて、今後どのように進化をしていくかを視覚的に表したグラフです。
下記グラフのように、あらゆるテクノロジーは、時間経過とともに期待度が『黎明期→「過度な期待」のピーク期→幻滅期→啓蒙活動期→生産性の安定期』のようなフェーズを辿ります。ハイプ・サイクルでは、このグラフ上に様々なテクノロジーが分布されており、各テクノロジーの期待度・フェーズがわかります。
黎明期: 潜在的技術革新によって幕が開きます。初期の概念実証 (POC) にまつわる話やメディア報道によって、大きな注目が集まります。多くの場合、使用可能な製品は存在せず、実用化の可能性は証明されていません。
「過度な期待」のピーク期: 初期の宣伝では、数多くのサクセスストーリーが紹介されますが、失敗を伴うものも少なくありません。行動を起こす企業もありますが、多くはありません。
幻滅期: 実験や実装で成果が出ないため、関心は薄れます。テクノロジの創造者らは再編されるか失敗します。生き残ったプロバイダーが早期採用者の満足のいくように自社製品を改善した場合に限り、投資は継続します。
啓蒙活動期:テクノロジが企業にどのようなメリットをもたらすのかを示す具体的な事例が増え始め、理解が広まります。第2世代と第3世代の製品が、テクノロジ・プロバイダーから登場します。パイロットに資金提供する企業が増えます。ただし、保守的な企業は慎重なままです。
生産性の安定期: 主流採用が始まります。プロバイダーの実行存続性を評価する基準がより明確に定義されます。テクノロジの適用可能な範囲と関連性が広がり、投資は確実に回収されつつあります。
引用:https://www.gartner.com/jp/research/methodologies/gartner-hype-cycle
それでは、2016年~2020年のハイプ・サイクルを見ていきましょう!
人工知能やIoT、DevOpsなど現在では実用化されている技術が、2016年には「過度な期待」のピーク期として位置しています。5年間で大きな進化を遂げたのがわかりますね。
2016年と比較してみてください。わかりますか?各テクノロジーが右方向に移動しています。1年経って、次フェーズに移行し始めているということです。
面白いのが、2016年に登場していないブロックチェーンが2017年に「過度な期待」のピーク期として登場しています。仮想通貨元年の2017年を象徴していますね。
人工知能の1つの学習方法であるディープラーニングがピーク期を迎えています。僕が今後の中核テクノロジーとなると勝手に信じている量子コンピューティングも登場して来ました。5~10年で実用化されるとは思いませんが。。。
現在CMで大々的に広告されている5Gは、2019年では想定通りピーク期です。ブロックチェーンは2018年でハイプ・サイクルを卒業し、新たにブロックチェーンを実装した非中央集権型Web(俗にいう Web3.0)や自立組織という技術が注目され始めました。様々なAI技術もピーク期を迎えそうです。
やっと2020年に来ました。注目していた量子コンピュータやWeb3.0が消えています。これは、まだ日本には早かったということでしょうか。。。残念でなりません。
一方で、敵対的生成ネットワークや説明可能なAIなどは、前年に引き続き登場し、次フェーズに移行し始めています、
この5年から推測すると、日本のテクノロジーはAIがしばらく主流となって進んでいくようです。ブロックチェーン・量子コンピュータ・AR/VRは、キラーコンテンツが出てくれば再度ハイプ・サイクルに登場するかもですね。
いかがでしょうか。時系列にハイプ・サイクルをまとめたWebページがなかったので、自分で作成してみました。他にも色々な発見があると思うので、コメントいただけると嬉しいです!