ブロックチェーン技術は小規模有機農家にメリットをもたらさない
の続きです。
ALISのWhite Paperには
”我々は日本において仕事を受発注できるシステムを ALIS に構築することを考えている。”
と書かれています。
有機農業、特に、小規模農家の場合
とにかく、人手が不足していて、忙しいのです。
ALISを活用すれば、
有機農家の人手不足などの解消に貢献できるかもしれません。
除草作業
除草剤を使わないので
除草は”テデトール(手で取る)”が中心です。
ある程度広い場所であれば除草用の機械を使う場合もありますが
夏を中心に、一番手間のかかる作業が除草です。
収穫、袋詰め作業
小規模で多品種栽培なので
収穫や袋詰め作業を自動化するのは困難です。
海外のファーマーズマーケットの様に
野菜を袋詰めせずに、量り売りできれば楽なのですが。
袋代は大きな負担となり
有機JASのシールの貼り付け作業やシール代も
負担以外の何物でもありません。
いつも農家を見ていて思うのは
近隣の農家同士で協力し合うことはできないのか、ということ。
稼働率を見る限り、一家に一台高い農機具を持つ必要はありません。
人手だって、融通し合えそうなものです。
忙しい作業の代表である除草作業ではどうでしょう。
夏場はどこも除草作業で忙しいので人手の融通は難しそうです。
でも、除草用の機械なら融通しあうことができます。
収穫作業はどうでしょう。
栽培する野菜が異なれば、収穫のピークは異なります。
人手を出し合うことができそうです。
その他の作業でも、
人が集まることで、効率が大幅に良くなる作業はたくさんあります。
でも、この程度なら、ALISを使う必要はないでしょうか?
農家同士がネットワークを作り
新しい取り組みをするのは、思いの外ハードルが高く
誰かがプラットフォームを作った方が話が早いのです。
農業に限らず、同業者同士が繋がり合うのは本当に難しい。
週末ファーマーズ倶楽部などで片足を農業に突っ込んでいると
近隣の農家同士の繋がりって、どうなっているの?
という場面に、頻繁に出くわします。
メールや電話でも対応できないことはありません。
でも、うまくいかないと思います。
信頼できる第3者が提供するプラトフォームが必要です。
簡単に運用できて、横への広がりも期待できます。
たぶん、White Paperに書かれていることの意図とは違うでしょう。
でも、面白いと思いませんか?
続きは、
ー 仮想通貨で有機農家をサポート (その4)ー
*有機農家とは?
有機農家と書いてきましたが
実質的な有機栽培と認められる場合や
有機栽培よりも厳しい条件の自然農法で栽培された野菜であっても
有機JASマークの貼付がない農産物を
”有機”や”オーガニック”と表示して販売することはできません。
そういう意味では、有機JASの認証を取得していない生産者を
有機農家と言っては問題ありそうです。
自らを有機農家と名乗った段階で、
栽培している野菜は”有機野菜”と言ったも同然ですから。
*有機野菜が安全か?
有機JASよりも厳しい条件の農法で栽培された野菜であっても
有機JAS認証の取得をしていない生産者の野菜は
有機やオーガニックという表示をできません。
有機JAS認証の基準を満たした生産者が栽培する野菜は
一般的な野菜に比べて安全、安心であることに間違いはありませんが
有機JASの基準をギリギリ満たしている生産者と
その上を行くの独自基準で栽培している生産者では
同じ有機JAS認証の生産者であっても、安全性に差があるはずです。
有機野菜は安全性が高い、
けれども、最も安全かどうかは、分からないという事でしょうか。