既にご存じの通り、原子はある元素の科学的な性質をもった最小単位です。
紀元前530年程前、ギリシャの哲学者デモクリトスは、モノを分割し続けそれ以上分割できない程の微細な状態のことを“原子”と定義しました。
現代では原子の構成が解明されてきており、陽子、電子、中性子の組み合わせによるものであると知られています。
電子雲(でんしうん)
基本的に原子は、原子核とその周りを回る電子でできているとされている。
原子の初期モデルでは太陽の周りを惑星が公転するように、陽子の周りを電子が公転するように回っていると思われていました。
量子力学の発展によって初期モデルとは異なることが判明し、軌道を描いて回るというよりも“その位置に存在するだろう確立”によって表されることが分かってきました。
ビッグバンと原子
宇宙誕生の一説であるビッグバン説に宇宙生成理論を当てはめると、ビッグバンの直後の宇宙は、高温すぎて原子の生成が不可能であるとされています。
ビッグバンからおよそ38万年後、宇宙の温度がセ氏2727度まで下がったタイミングから原子が生成され始めたと考えられています。
初期宇宙では、原子の重さが軽いもの(周期表で番号が若いもの)から生成され、原子の内75%が水素原子、24%がヘリウム、残る1%がその他の原子であるとされています。
では最小単位である原子が生成される前は一体どのような状態だったのか…についてはまた別の機会にまとめていきます。
この記事にて質問があった内容についてお答えします。
Q.インフレーション時の空間の広がりと、現在のような加速膨張時の空間の広がりの速さは、縦横の空間単位と時間単位をそろえても(記事内の)画像のようになるのですか?
“ほぼ”というのも、宇宙の晴れ上がり(Afterglow Light Patternと書いてある部分)より前の状態を正確に図式することができないためです。
しかしそれ以降の時間と共に空間の膨張が加速しているイメージなどは図と同じように考えることができます。
ここからは勝手に説明していきます。(ザックリ)
図中の“Afterglow Light Pattern 375,000yrs(背景放射=宇宙の晴れ上がり)”
この時点から光が直進することができるようになったため、今でもそのタイミングの光を観測することができます。
ではなぜ、それ以前の観測ができないのか…?
原子核と電子が光を散乱させていた
宇宙は始まった直後、高温すぎて原子の生成が不可能な状態があったことが原因です。
原子が作られる前は、原子核と電子がバラバラに飛び交っていました。
この原子核と電子は光子(光)を散乱させてしまうという、なんとも迷惑な特性があったのです。
なので宇宙の晴れ上がり以前の状態については、理論と計算によって導こうと今でも研究が続いているのです。
(更にもう一歩!)
原子が作られ光が進めるようになった
宇宙が冷えて空間の密度が低くなると、やっと原子が作られるようになります。
原子は光子を散乱させる力はないので光が直進を始めます。
でも部分的に高温高密度な部分があったのでムラが出てきてしまいました。
なのでよく見る宇宙の晴れ上がりの画像↓は、サーモグラフィカメラで撮影したかのようにムラがあるように見えるのです。