大型台風も去り、そろそろ猛暑も峠を越えた頃でしょうか。
冬から春にかけてのイチゴの準備が始まりました。
本日は昨年度までのイチゴの苗と雑草を抜き取り、新しいシートを被せる作業…。
また土壌の菌や害虫を除去するために、クロルピクリンを一定間隔で埋めていきます。
クロルピクリン
クロルピクリンは農薬の一種で、連作障害や土壌害虫、病原菌などを殺菌する効果があります。
クロルピクリンを選んだ理由は、
という強みがあるからです。
この錠剤が包装から出ると、間もなく気化が始まり土壌の殺菌が始まります。
半減期は1日~4日。
その後徐々に土壌の微生物と光によって分解されていきます。
(自分はハウス栽培なので微生物による分解が主です。)
微生物による分解は、クロルピクリン(CCl3NO3)が水素と結びつき、塩素(Cl)が空気中に抜けていきます。
その後メタン(CH4)の形をとり、それぞれ酸素(O2)と結合して二酸化炭素(CO2)と水(H2O)なります。
残っている窒素(N)は亜酸化窒素(N2O)になります。
亜酸化窒素は別名笑気ガス(手術で使う麻酔ガス)であり、土壌に残らず空気中に放出されます。
要するに土壌に残るのは水だけって感じです。
・クロルピクリン剤の安全使用について
・三井化学アグロ株式会社 クロルピクリンの物性・分解性
吸い込んではいけない気体なので土壌が殺菌されるまで細心の注意を払わなければなりませんが、食品としての安全性を考えたらこれにたどり着きました。
土壌はこれで大体OKなので、後はイチゴの苗などの管理をしていきます。