太陽系の惑星でひときわ異彩を放つ星である土星。
土星が持つ輪っかは、95%以上が氷でできているとされています。
最近、そんな土星の周りであるイベントが行われた模様です。
彼が抱える衛星のエンケラドゥスから、6000マイル以上(9656km以上)の間欠泉の噴出を確認したという発表が、カッシーニ宇宙船から報告されました。
今回はそんなエンケラドゥスについての観測結果についてのお話しです。
参考記事)
・Geyser Seen Spraying 6,000 Miles Into Space From Saturn's Moon(2023/06/01)
参考研究)
・JWST molecular mapping and characterization of Enceladus’ water plume feeding its torus(2023/05/17)
今からおよそ20年前、宇宙船カッシーニは土星の衛生のひとつであるエンケラドゥスの間欠泉から水蒸気のプルームを発見しました。
海の月と呼ばれたエンケラドゥスはそれ以来、惑星と水の関係を探る研究対象として大きく注目されることになります。
2005年に検出された間欠泉は、エンケラドゥスがそれまで私達が考えていたような凍結仕切った星でないことが証明されました。
分厚い氷の空の下には、土星との重力相互作用による摩擦によって生じた熱により、液体としての部分が保持されていると考えられるようになりました。
今回確認された間欠泉は、毎秒300Lの水蒸気を噴出していました。
研究者は、水蒸気の約30%は噴出したエンケラドゥスの周囲にとどまり、70%は氷の輪や土星の上層大気を含む、土星の残りのシステムに供給されると予想しています。
液体の水があるということは、生命もある可能性もありますが、今回のプルームは拡散しすぎたことによって、生命の可能性がある分子兆候を検出できないようです。
しかし、これは宇宙生物学のミッションが氷の月に達した時に盛大分子を探す場所と方法を絞り込むのに役に立ちます。
研究チームは、エンケラドゥスの表面でシアン化された化合物である可能性があるものを検出しました。
シアン化物は有毒ですが、地球上の生命の出現に重要な役割を果たした可能性があります。
二度目の観測では、JWSTはエンケラドゥスに戻り、より長い観測を試みる予定です。
科学者たちは、これがエンケラドゥスの生命の可能性をもたらすことを望んでいます。
特に研究者は、幅広い機能を持つ生体分子である“過酸化水素“の発見に期待を寄せており、今後の研究の報告が待たれます。
南西研究所の地球科学者Christopher Glein氏は、「エンケラドゥスは太陽系で最もダイナミックな物体の一つであり、人類が地球外の生命を探す主たるターゲットである」と述べています。
この研究は、via the NASA websiteにて確認できます。