前回の記事にて高温調理や、血糖値の上昇が身体の老化を招くという内容をまとめました。
前回記事▶高温調理が認知症と老化を招く【AGEs】
今回は血糖値の病気の筆頭「糖尿病」の治療薬である「メトホルミン」の研究についてまとめていこうと思います。
メトホルミンとは、主に二型糖尿病患者に対して処方される血糖降下薬です。
〜二型糖尿病~
運動不足や食べ過ぎなど生活習慣の乱れが原因とされる糖尿病。
(大学の授業ではこの分野も軸のひとつとして勉強していました。)
糖尿病患者のおよそ95%を占める。
・血糖降下作用
主な作用は血糖値を下げることです。
その副次的効果として、体内でのAGEsの生成を抑制することが分かっています。
メトホルミンの分子中にあるアミノ基が、糖化反応中カルボニル基と結合して、それ以上の反応の進行を阻止します。
その結果、体内でのAGEsの生成を抑制すると考えられています。
2006年〜2016年の間に行われた516件のメトホルミンの追跡調査にて副作用の報告がもありました。
〜内訳〜
・下痢・軟便145件
・乳酸値上昇25件
・乳酸アシドーシス4件
・筋肉痛7件
・吐き気、悪心55件
・嘔吐22件
・腹痛、胃痛29件
・食欲不振16件
・便秘12件
・腹部膨満感11件
・発疹、蕁、麻疹23件
・かゆみ、頭痛が各10件
・めまい8件、倦怠感17件
・肝機能障害8件
下痢や軟便が多い理由も、腸管からの糖の吸収を阻害することで腸管内部の浸透圧が上昇。
腸管内に水分が吸収(正確には少し違うが)されてしまうためと考えられています。
バルジライ教授らが行ったマウスによる実験では、メトホルミンを餌に混ぜたマウスの平均寿命が14%増加した研究結果が現れています。
(他の研究結果では40%近く伸びたマウスもあるみたいです。)
また同教授らの別の研究では、7万8000人の糖尿病患者と7万8000人の糖尿病でない人の健康状態や死亡率などを調査。
その結果、メトホルミンを投与しているの糖尿病患者ほど長生きなことも判明しました。
さらに、岡山大学の研究グループは「メトホルミンの作用を従来のがん治療法と組み合わせることで、治療効果のさらなる改善につながる可能性がある」とも述べています。
米国では2016年頃から老化抑制薬としての臨床試験が許可されています。
現在試験中ではありますが、認可されれば世界初の抗老化薬となると予想されています。
医療機関から処方される以外でも、メトホルミンを手に入れる方法はあります。
オススメするわけではないのでリンクは貼りませんが、個人輸入やジェネリック(後発医薬品)を探してみると簡単に手に入ります。
オススメしている訳ではありませんが(念押し)、ある程度の安全性がある薬とも言えます。
臨床試験の結果によって、「手に入れるという選択肢もあるかな」程度に考えておいてください!
参考文献)
Metformin as a Tool to Target Aging 2016年(バルジライ教授らの研究)
メイラード反応抑制剤、α-ジカルボニル化合物分解剤、およびメイラード反応抑制方法 2011年
Metformin attenuates the postprandial fall in blood pressure in type 2 diabetes.