この記事では、本谷拓氏が著した“誰も知らない帝王学”を参考に、知っておくと人生で役立つ考え方をまとめていきます。
帝王学とは、伝統ある家系や家柄など特別が立場にある人が、その立場に相応しい能力を養うものの総称です。
正確には帝王学という学問があるわけではありませんが、貞観政要や孫氏の兵法などの古典はもちろん、偉人の伝記や作法書など諸々を含めて帝王学とされています。
本書からも、世界の様々な歴史から得られた人格者として生きるヒントが諸所に見受けられます。
記事を通し、そんな特別な人格教育の一端を知っていただけたらと思います。
今回のテーマは“本当の知恵=生きる知恵”です。
【誰も知らない帝王学より 抜粋】
知恵は、自分の経験から生み出す気づきであり、自分がより良く生きるために自分を守るための能力です。
それは、逆境や苦悩や悲しみなど危機的状況に追い込まれたとき、防衛本能から必死につかみ取り、体得するようなものに思えます。
だからこそ、苦難を何度も乗り越え、制してきた者に多くの知恵が宿るのです。
多くの人が、一度きりの自分の人生なのにもかかわらず、挑戦や新しい経験に尻込みしてしまい、能力を出し切ることなく諦めてしまいます。
今やSNSの普及により、上辺だけを競い合い、「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「モテモテになりたい」という人が日本中に溢れていますが、「お金持ちになって、有名になって、モテモテにになったその後の、あなたの夢は何ですか?」と尋ねたら、多くの人が答えられないまま、言葉に詰まってしまいます。
そこへ続く努力や気づきなくして望む本当の幸運は得られません。
学びや気づきを誰よりもたくわえ、与えられた人生の使命や意味を知り、目の前の獲物を仕留める動物的本能と人間的センスを磨くことが生きる知恵なのです。
自分の人生のドライバーは自分自身なのです。
この“本当の知恵=生きる知恵”について節は、本書のまとめに当たる部分です。
苦難を乗り越えるために思考を巡らせ工夫することが知恵となるということを伝えていますね。
大人から子どもに限らず人気がある英語学習は、それを説明する良い例ではないでしょうか。
海外でしばらく生活すると英語がよく身につくと言われます。
それは、英語が生活に必要になるからです。
さらに言うと、親よりも子どもの方が英語が良く身についている例も多く耳にします。
子ども同士の世界では、英語ができるできないは死活問題になるからです。
そこには“英語を使ってコミュニケーションをとる”という目標があります。
それぞれ修得度合いに差はあれど、生きるために知恵を付けたと言えますね。
この経験は、その言語を仕事に活かす以外にも、他の言語を学ぶ際に大きく役立つことでしょう。
もしかしたらこの例えは本旨から少しずれた例えかもしれませんが、大筋は間違っていないはずです。
なりたい状態を描くことで本当の知恵が身につく……。
人生においても同様のことが言えます。
子どもに「あなたが思い描く理想の未来は?」と聞くと、「バスケットボール選手」「公務員」「看護士」など様々な答えが返ってきます。
しかし、それはなりたい職業(手段)であって、理想の未来(目的)とはまた違う答えです。
理想の未来とは、バスケットボール選手になってどうなりたいのか……、なぜ公務員になりたいのか、といったその先の状態です。
例えば、お金、健康、人間関係……。
それをらを達成するためにプロのスポーツ選手になったり、公務員になったりという選択肢が生まれます。
手段はあくまでも手段。
達成したい目標があるなら、それから逆算した行動が必要ということですね。
そういったことが本来の生きる知恵につながってくるのではないかと思います。