IT大国として優秀な人材を輩出しているインド。
インド式計算で名を知られるほど、数字から徹底した教育&制度が整っていると言われています。
その代わり、試験の結果が将来に大きくかかわるとして、学生の内は勉学に勤しむ子どもが沢山います。
これが良いことか悪いことかはわかりませんが、この"きっとうまくいく”という映画は、そんなインドの教育制度の負の面にも焦点が当てられた作品です。
あらすじ
物語の舞台はインドのエリートエンジニアを養成する超難関大学です。
主人公のファルハーンは親からエンジニアになることを期待されて育った学生で、この難関校になんとか合格することができました。
しかし彼はエンジニアの勉強よりも動物が好きで、心の中では写真家になりたいと考えています。
ランチョーとの出会い
学校生活の始まりは悪夢でした。
学校のカースト制度の上に立つ先輩からいじめの洗礼を受ける新入生たち。
そんな中ランチョーという学生が遅れて部屋に入ってきました。
先輩の言葉に反応せずいじめの対象になるや否や、ランチョーはすぐさま部屋に入っていきます。
この行動に腹を立てた先輩は、10数えるうちに出てこないと扉に小便をかけると脅し、カウントダウンを始めます。
それを聞いたランチョーは、部屋にある小物や部品を使って何かを作り始めます。
完成したのは、スプーンに電線を繋ぎ木の板で固定しただけの簡単な小物でした。
電線と部屋の電気を接続し、スプーンの先を扉の隙間から出したランチョー。
これに小便を引っ掛けた先輩は、電流が陰部まで達し悶絶することになりました。
これで一目置かれたランチョーは。大学で快適に過ごすきっかけを手に入れることができました。
破天荒ランチョー
このランチョーという人物は、大学内の誰と比べても変わっていました。
大学内の便利屋である小間使いにお金を渡し、
「勉強したいならこのお金で制服を買って授業に忍び込め!」
など入れ知恵をします。
授業で機械の定義は何か?と聞かれると、
「人の仕事を助け時間を節約するものです。例えば電話で遠くの人話したり…」と色々な例を出して答えます。
しかし、大学教授が求めていた答えは「一連の動作を行う、制御したり動かしたり…」と教科書に書いてある定義でした。
長ったらしい定義も誰かに伝わらければ意味がないと主張するランチョー。
教授は、「では私が間違っているのか!」と怒りを示し、ランチョーを教室から退出させてしまいます。
そんなランチョーは機械が大好きでした。
機械と見ればすぐに分解し、原理を知りたがる機械バカです。
そんな機械バカが大学にもうひとりいました。
彼のジョイ。
大学での研究成果として、カメラ付きドローンの開発に熱中している学生です。
あるとき彼は大学長に自分の成果について話し、学位授与式はいつなのかと聞きます。
しかし学長は
「そんなもの完成するわけがない、おまけに提出期限が過ぎている…」
とジョイの取り組みを見向きもしません。
挙句の果てには、ジョイの父親に直接電話をして
「息子さんは落第です。」
と言いつけてしまいました。
これに絶望したジョイは自分のドローンを捨ててしまいます。
ランチョーが動く!
この一連の様子を密かに見ていたランチョーは、捨てられたジョイのドローンを拾い、彼に内緒で改造を始めます。
何日も試行錯誤しドローンは完成。
カメラもきちんと作動し、この完成品をジョイの部屋まで飛ばして元気づけようとします。
空高く舞い上がるドローンはやがてジョイの部屋へ。
そこに写った映像は、首をつったジョイの姿でした。
すぐに彼の部屋に駆けつけるランチョーたち。
時既に多し。
壁に「I QUIT(俺はやめる)」と一言残し、死んでいました。
点取り合戦が極まった教育は、優秀時な人材を育成することは可能かもしれないですが、個が持つ柔軟な発想や新しい考え方を殺してしまうのではないのか?
というメッセージが感じられます。
こんなことがあっても考えが変わらない頭の固い学長と対立するなど、映画は更に展開されていきます。
実は映画の重要な冒頭部分は書いていません。
この記事では映画の目的もあらすじ前の冒頭を見ない限りはわからないように書いています。
気になる方は実際に観ることをおすすめします!面白い映画でした!
あと、インド映画なだけあって、歌やダンスがと時折盛り込まれるのも楽しめるポイントです。