医療用のてんかんを和らげるための大麻成分や痛みを和らげるための特定の麻薬成分を含んだ薬品など、世界では決められた場合でのみ使うことが出来る麻薬成分があります。
今回、MDMAやマジックマッシュルームなど、中毒性および麻薬成分が含まれ、乱用を恐れられているモノが医療として活躍する新たな場を発見されました。
今回はそんな医療用の薬(麻薬)についてのお話です。
参考記事)
・Ecstasy, Magic Mushroom Treatments Begin in Australia in Radical Change(2023/07/03)
・Understanding the changes to MDMA and psilocybin access(2023/03/30)
2013年7月1日、オーストラリアは世界で数少ないMDMAやマジックマッシュルームを医療用として使用できる国となりました。
特別な認可を受けた精神科医のみ取り扱いが許可され、心的外傷後のストレス障害やある種のうつ病の治療のために薬物を処方することができるようになりました。
カナダと米国の当局は、臨床試験、または特別な許可を得た場合に限り、これらの薬物の一方、または両方の医療使用を強化しています。
オーストラリアは2月、同国の治療用管理局が「医学的に管理された環境」で使用された場合、この物質は比較的安全ということが試験で判明したと発表し、その安全性を確保した上で禁止薬物の分類から変更しました。
この使用許可を支持する人々は、他の治療法がうまくいかなかった精神疾患患者にとって、これらの薬が画期的な効果をもたらすことを期待しています。
南オーストラリア大学のメンタルヘルス自殺予防研究者であるマイク・マスカー氏はAFP通信の取材に対し、MDMAは心的外傷後のストレス治療に有効であり、シロシビン(マジックマッシュルームに含まれる成分)はうつ病に効果があると語りました。
また、「人々やセラピストと交流する意思を与え、個人的な、悪い経験についても話しやすくなる」と医療用薬物としての効果を述べています。
加えて、「シロシビンは従来の薬物では得られなかった、最後スピリチュアルな効果を与え、これは、自分自身や自分の人生について違った向き合い方をさせてくれるかもしれない」とも語っています。
この先進的な治療法に対しスウィンバーン大学の認知神経心理学者であるスーザン・ロッセル氏は、「この治療法には可能性がある」としながらも、「やるべき事を5年も先に進ませている」と懸念を述べています。
スーザン氏はAFP通信の取材に対し、「心血管疾患であれ、顔であれ他にどのような病気に対する介入策を考えてもこれほど早く薬を市場に出すことはできません」と語り、臨床研究の不足をしてきています。
保険証の広報担当者は、今回の帰省変更の決定について、精神疾患の治療におけるエビデンスが十分に確保されていないことを認めています。
一部の患者にとってはリスクを上回るメリットがあるかもしれません。
患者は、奇跡的な治癒を期待しないように警告もされている点も注意です。
2014年までの間、この治療法は広く使われるものではなく限定的なものになると考えられています。
これまで薬物として忌避されてきたものたちが医療の場で活躍するというのも、また科学の進歩といえるのではないでしょうか。
もちろん一般人が普通に使うことはアウトですが、こういった研究を経て、様々な病気の治療に役立つようになることは、人類発展の歴史に貢献することになるでしょう
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