“食べるは一時の快楽、痩せるは一生の快楽”とも言われるほどに、理想的な体型を作り上げることま魅力的です。
特にダイエットや筋トレは、始めるには良いものの長続きしないという大きな壁にぶち当たることが多いです。
ダイエットの基本は、食べた量よりも消費する量のカロリーを減らすことが理想とされます。
そんなカロリーを制限するダイエットの中に、カロリーを記録して毎日の摂取カロリーを減らすという人気の方法があります。
また最近では、時間制限ダイエット(プチ断食)も人気のダイエット方法となっています。
カロリー制限ダイエットと時間制限ダイエット。
この二つは効果的なダイエット法になり得るのでしょうか。
今回はそんなダイエットに関する効果の研究まとめです。
参考記事)
・Is Intermittent Fasting or Calorie Counting Better For Weight Loss? New Study Weighs in(2023/06/28)
参考研究)
・Time-Restricted Eating Without Calorie Counting for Weight Loss in a Racially Diverse Population(2023/06/28)
ダイエットで有名かつ人気の方法のに、カロリーを計算しながら毎日の摂取カロリーを減らすという方法や、1日の中で一定の時間だけ食事をするという時間制限断食があります。
Annals of Internal Medicinenに掲載された最新の研究では、専門家によるカウンセリングを受けることで、この二つは同じように効果的なダイエット法となることが示されました。
イリノイ大学シカゴ校の研究者は、18歳から65歳までの肥満の成人90人を対象に1年間の調査をしました。
参加者は三つのグループに分けられ、カウンセラーの指導の下にそれぞれ経過を観察しました。
①時間制限グループ
毎日正午から午後8時までの間に、必要なカロリーを摂取する
②カロリー制限グループ
食べる時間帯は指定しないが、食事の内容を細かくチェックし、摂取カロリーを25%減らす
③通常食事グループ(対照群)
いつも通りの食事パターンをする
参加者は最初の6ヶ月間では、①、②のどちらの食事方法でも開始時の体重の約5%を減らすことができました。
その後、6か月間にわたって、体重減少を維持できるように食事が調整されました。
③のグループは同じ食事パターンを維持しました。
研究者らは「①のグループ(食事時間を減らすグループ)の方が、②のグループ(カロリー計算に重点を置いたグループ)よりも体重減少を達成し、維持しやすい」という仮説を立てました。
また、これら二つの食事が、体組織(筋肉量、脂肪量、骨量)、ウエストの太さなどさまざまな健康マーカーに及ぼす影響も評価されました。
その結果、①のグループも②のグループも体重を減らすのには同じ程度の効果があることが分かりました。
両グループの参加者は、12ヶ月後に開始時の体重の約4%を減量しました。
また、ウエスト周囲径と脂肪量を同程度に減少させ、グルコース、インスリン、コレステロール値などの健康マーカーに変化は見られませんでした。
これらの研究結果は、食事制限やその他の一般的な断続的断食、毎日のカロリー制限によるダイエットによる過去の体重減少を調べた研究結果を裏付けています。
今回の研究は摂取カロリーを減らすよう明確に指示しなくても、時間制限食を続けることで体重減少につながることを示しています。
しかし、それらの条件だけで十分な減量効果があると言い切ることはできません。
今回の研究では、両パターンの参加者に対して多くのカウンセリングがありました。
カウンセリングでは、健康的な食事の指導や衝動的な食事を減らすための認知行動指導も含まれています。
このことは、参加者が絶食期間終了後に高カロリー食を食べたいという衝動を抑えるのに役立ちました。
また、どちらのダイエット法も体重減少には個人差がありました。
このことは、人によって時間制限食が有効だったり、カロリー制限が効果が少なかったりする可能性を示唆しています。
体重を減らすという行為は、その人の祖先が長く続けてきた食事パターンによっても効果が左右されることも考えられるため、必ずしもこれといった効果的なダイエットはありません。
ただ、事実なのは、主するカロリーよりも、消費するカロリーの方が多ければ体重は減るということです。
食事を変えて体が不調をきたした場合は、運動を取り入れてみることがその大きな解決策となるでしょう。
この研究は“Annals of Internal Medicine”で確認することができます。